整備要領書には、なるべく分解しない・・・
と、書いてありますが、元があてにならない中古品なので、再確認は必須です。
結局は、汚いので清掃して組み直しをすることになりました。
組み込みにあたっては、2点の要点があります。
① 心出しを確実にすること。
② アイドルアジャストナットの目印を、正面に合わせること。
以上です。
①は、ジェットニードルとノズルの干渉による異常摩耗と燃料計量の不備につながります。
②は、目印のあるものに限りますが、調整時の原点位置がわかることで、正確な回転数を測れます。
こちらは、SP311時代の古いタイプには目印がついていませんので、そのまま固定すればよく、後から原点位置をマーキングしておくなどしておくと調整時に便利です。
それでは、組み込んでいきます。
左からアイドルアジャストナット、ノズルスリーブ、パッキン、ノズルスリーブセットスクリューです。
ボディにノズルスリーブを差し込みます。
調整代があるためブカブカです。
パッキンを挿入し、セットスクリューをねじ込み “仮締め”します。
続いて、アイドルアジャストナットを最後まで締めこみます。
ナットの目印が正面を向いていません、これはノズルスリーブの方向がずれているからです。
ノズルスリーブに、ナットの目印が合う位置にマーキングしておきます。
いったんアイドルアジャストナットを外して、ノズルスリーブの位置を調整してセットスクリューを再度仮締めしてからアイドルアジャストナットを締めこんで正面を向いてれば正解です。
参考に写真を示します。
元々付けていたSP311純正キャブでは年代が古いため、アイドルアジャストナットには目印がついていません。
そのため、マーキングしていました。
さて、ここまでで、②の目印の正面出しをしました。
いよいよ肝心な「心出し(センターリング)」を行っていきます。
現時点ではこのように完全に中心からずれた状態です。
これを正確に心出ししなければなりません。
整備要領書には、この部分は再組み立て困難なので、なるべく分解しない。と記載されています。
それだけ、心出しはデリケートな組み立てをしなければならないからです。
組立ついて、整備要領書の説明を要約して記します。
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①サクションピストン、サクションチャンバーは正規に組み込んだ状態で、オイルキャップを外す。
オイルは入れない。
②ノズルスリーブ、パッキン、セットスクリューを仮付けする。
③サクションピストンを全閉の状態にして、ノズルスリーブに当たるまで入れる。
(アイドルアジャストナットは組付けない)
ノズルのジェット部が、ジェットニードルに当たるようであれば、スリーブを少し動かして当たらないようにスリーブの位置を決める。
④この状態でサクションピストンを指で上げて静かに降ろす。
この時、ストップピンが “コトン”と軽い音を立てて当たるまで円滑に落下すれば良好である。
セットスクリューを締め付ける。
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以上となり、以降は、アジャストナットの組付けからフューエルパイプの組付けなどが記載されています。
その最後に、ふたたびサクションピストンを落下させて円滑であるかどうかを確認することが記載されています。
ただ、今回は我流とも言えますが、③④を少々違った方法で行ってみました。
整備要領書通りでは、少々当たりがわかりづらかったからです。
ピストンの重みとスプリングの力があるので、全閉に近いところでは多少のズレでも入ってしまうので、妥協点ともいえる感じがしました。
そこで、変則的な方法を思いつきましたので、やってみました。
キャブを逆さの状態にして、サクションピストンを全閉状態で指で固定します。
スリーブ内部とノズルとの差込み時の抵抗を最小限にするため、CRC556等の潤滑剤を適宜塗布し、ノズルをジェットニードルが突き出た状態のスリーブに、落下させて入れます。
この時に、スリーブの芯がズレていると最後まで落下できず途中で止まります。
スリーブをちょっと揺さぶるとスルスルと引っかかっていたノズルは最後まで入っていきます。
これを繰り返して、最もスムースに落下する位置関係を割り出していくという方法です。
ノズル本体は軽いので、ちょっとした抵抗があっても入っていきませんが、それが入るのならそこが中心であると考えられるからです。
更に、何度も当たるような感触がないかを確かめつつ良いところを探ります。
整備要領書のようにサクションピストンを持ち上げて落とすことも確認の上で行います。
位置が決まったら、本締めしてアジャストナットを組み付けて再度落下確認して問題ないならOKという手順です。
ただ、本締めも徐々に確認をしながら行うことが肝要です。
結構、スリーブの微妙なずれを生じますので慎重に確認しつつ行う必要があります。
このあと、アジャストナットを外してスプリングを組み込み、その他の組立も進めていきます。
心出しに関しては以上となります。
やはり、かなり微妙な感覚で何度も行わなければならないので、整備要領書記載の通り
「なるべく分解しない」というのは、その通りというのが正直なところです。
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以下は、心出しに失敗し不採用とした検討案です。
・スリーブにテープを巻いてブレを無くして中心を出さそうと追いう方法。
中心は出るかもしれませんが、テープを除去できないのと、ピストンの中心と必ずしも合ってない可能性があるので不採用となりました。
・半田ごて先を使った方法。
スリーブ内径にちょうど良い「半田ごてのこて先」があったので、それを使って心出ししようと試みました。
下りているピストンのジェットニードルの穴に差し込まれる位置が円錐形で中心が出るのではと考えてやってみましたが、
決まったはずの位置では、ジェットニードルとノズルとの干渉が若干あり今一つの結果となり不採用となりました。
次回は、バタフライと機構部分です。
















