いよいよ大詰め・・・かな?
やっとこさ、エンジンブロックにシリンダーヘッドを取付ける工程となりました。
ですが、ジャンクな部品を再生しつつ組み立てていますので、ここでもひと悶着あったのです。
組付けに必要な、ヘッドボルトもプッシュロッドも、すこぶる汚いので、錆取りとクリーニングをします。
今回はモノタロウの錆取り液を使いました。何度も回収し使いまわしておりますので、既に汚いですね~(笑)
適宜漬け置きして引き上げました。黒ずんだ状態です。
これは表面についた汚れみたいなものなので、金属たわしで水洗いします。
乾燥させれば、組付け準備完了!
ヘッドボルトは、1本だけ長いのがあります。これには「〇」印にて見分けがつくようになっています。
それではパパっと組み立ててまいりましょうか・・・
とは、素直にはいかなかったのです。
見落としていましたが、ヘッドボルトには年代によって2種類あることが判明しました。
バラしたエンジンのボルトをそのまま使うのなら問題は発生しませんが、複数のジャンク部品から”目視"で選りすぐったことによって知ることになったのです。
それは、ねじピッチは同じで、六角頭のサイズが微妙に違っていたということです。
その違いは、もちろん”規格"です。
インチ頭とミリ頭が混在していたということです。
「17mm」のソケットで締めていたら、ソケットを差し込めないボルトが数本、こちらは「11/16インチ」頭だったという落とし穴でした。
パッと見にはわかりません。1種類だけだと思い込んでいましたので仕方がありませんね。
気を取り直して、数本のボルトを再度仕上げて組立続行です。(17㎜で統一しました)
ヘッドガスケットは新品です。
H20型用として供給されているものを使います。
純正部品番号は「11044-L1100」以前に比べ結構いい価格になってしまいました。
ストックしていたものを使うつもりでいましたが、モノタロウで偶然にも「開封品」なる格安提供品があったので、速攻で購入しました。10年位前の価格で買えたのでラッキーでした。
なので、用意していたものは予備品として保管することになります。これも安心感ですね。
このエンジン、位置決めピンがないのでシリンダーヘッドを乗せるときにずらしたりしないように慎重にしなければなりません。
そっと、ヘッドを乗せてヘッドボルトを手締めして、最終的にはトルクレンチで3回くらいに分けて順序良く締めていきます。規定トルクは、7.0~8.2kg-mです。
例の「〇」印付きのヘッドボルトは写真の手前真ん中です。ここが締め付けの1番となり、外に向けて10番までを締め付けます。
写真は、7番ボルトにレンチが入っているところです。
シリンダーヘッドが固定されましたので、ロッカーの取付となります。
プッシュロッドを差し込み、ロッカーを取付けます。
その際に、プッシュロッド上下面とリフター、バルブステムの上面にオイルを塗布することを忘れずにしないといけません。
摺動面なので、肝要です。
取付けたら、バルブクリアランス調整です。
H20型の解説書では、冷間は0.52mm、温間は0.43mmとなっています。
後は、実際に始動してからの調整でしょうか。
こんな表が役に立ちます。
上死点にある時、各工程上のどのシリンダーのバルブが調整できるかというものです。
このエンジンは、4気筒で点火順序が1-3-4-2です。
ステップ1
1番シリンダが、圧縮上死点の時は両方のバルブが閉まっていますので調整できます。
この時に、2番の吸気、3番の排気が調整できます。
ステップ2
クランクを360度回転させ、つまり1回転する。
ステップ3
4番シリンダが、圧縮上死点となるので、両方のバルブが調整でき、
2番の排気、3番の吸気が調整できます。
以上の「3ステップ」で行うことができます。
ですが、実際に稼働中のエンジンで調整する場合には、ロッカーアームが”カタカタ゛と動くバルブは完全に閉まっているので、それを調整して、クランクを360度回して残りの”カタカタ"しているものを調整すればよいとも言えますね。
つまり、どのシリンダが上死点であったとしても、カタカタするところを調整すればよいということです。
エンジンの組立も大詰めです。
後は、補器類などの取付などが残っていますね。