スクランとの出会い | 淑女との戯れ ダットサン フェアレディ

淑女との戯れ ダットサン フェアレディ

フェアレディSP311の再生記事を中心に、あれこれと気ままにつづっています。

玉手箱?パンドラの箱?雀の葛篭(つづら)?

 

今年の2月に「株式会社ネコ・パブリッシング」は「カルチュア・エンタテインメント株式会社」に吸収合併されました。

親会社は「カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社」。皆さんご存知の「TSUTAYA・蔦谷書店」をフランチャイズ展開する会社であり、店舗によってはかなり趣味度が高いのもこの企業体が得意とするところです。現在はブランド名として「ネコ・パブリッシング」は残されています。その原点である「企画室ネコ」の遺伝子はこれからも生き続けることでしょう。

 

さて、話は40年前にさかのぼります。小生、うら若き高校生。女の子には片思いだけで、“オンナよりクルマ”なんだとうそぶいていましたっけね。そんなかなりの自動車好きでした。カーキチなんて呼ばれ方もされましたね。幼少時には、父が商売をしていたので商店街に住んでいたこともあり、様々なクルマを見て育ちましたので、その時代のクルマが特に好物なのです。ということは既に10年選手のポンコツ中古車が将来乗りたいクルマのターゲットに必然的になってしまっていたのでした。当時小生の一押しは「ブルーバード1600SSS」といっても「P510」ではなく「R411」の方で、奇しくも「淑女SP311」と同じ「R型エンジン搭載車」です。あれ?淑女が一番じゃなかったの?という声も聞こえてきそうですが、当時は2人乗りではなく、友達みんなと遊びに出かけられるのが楽しいなと思っていたからというのもひとつの理由です。因みに「淑女」購入の頃は友人たちも車を保有するようになり小生が車を出さなくてもよくなったからというのも購入動機の後押しだったのです。

 

前置きが長くなってしまいましたが、40年前の或る日、書店に立ち寄ると見慣れない雑誌がおいてありました。「スクランブル カー・マガジン」と書いてあり、かっこいいMG-Bのイラストが表紙で異彩を放っていました。早速手に取りパラパラとページをめくるたびにカルチャーショックを覚えるような新世界を見てしまったのです。それは玉手箱かパンドラの箱か雀の葛篭かなんなのか?もうそんなことはどうでもよろしい。即購入し自宅で一気に読み漁りました。それまで読んだ事のあるすべての自動車雑誌とはまったく別物だったのです。

 

 

新車の情報などもあるにはありますが、ほぼ全紙面において「10年以上前のポンコツ自動車」いえいえ「旧き佳き時代の愛すべき車達」を楽しむためだけにというか楽しんでいる内容で、小生にとってはドンピシャリと壺にはまったのでした。当時の社名は「企画室ネコ」ほんとに小さな部屋で好き勝手にそれでいて造詣が深くインテリを匂わせるように思わせるのは、編集者の「いのうえ・こーいち」さんの人柄や色がそのまま出ていたからなのでしょう。

 

特集の「MG-B」はデビューから20年近く作られ、とうとう最終となったということで組まれていました。各年式の変遷とマイナーチェンジを図と解説でわかりやすく、また、幌の畳み方までこと細かく記載されておりその後の小生のクルマの見方の土台となったことは間違いありません。

 

 

軽自動車の特集では、当然「360cc時代の軽」でありますが、今で言うレストア車の類ではなく、使用過程の未再生原型車(当時はない言葉ですので、ただの古びたクルマ)や想い想いのカラーリングとモデファイの加わった個体で当時の仕様?も楽しいです。

この写真の、「スバル360コンバーチブル」の本物は当時でも相当レアだったと思われますので、今もどこかに存在していると勝手に思っています。

 

 

そして広告にはこれ!

アルト47万円!

時代と共に豪華装備になり肥満化してきた業界にメスを入れた!そんな原点回帰的な質実剛健でシンプルイズベストを売り物にしたデビューでした。結構売れましたよね!

 

 

40年後の現在はどうでしょう?肥大化・肥満化・超豪華!の3拍子そろったクルマが席巻する世の中になりました。

結局はそこに行き着くのです。みんな見栄っ張りだもんね~

 

ちょいと脱線気味でしたが、スクランの定期購読者になり、小生は奇人趣味人と化していきます(笑)

その問題の記事はこれです。

 

 

レストレーションです。

今では誰しも簡単にレストア、レストアといって、ちょっとクリーニングしたぐらいのものでも容易く用いられている言葉です。

この時代、板金塗装、オールペイント(丸ペン)、という言葉は知っていましたが、この言葉は初めて知り、紙面の内容と共にセンセーショナルな気分を味わいました。連載が続くにつれ鉄板一枚から職人が腐ってなくなってしまったボディをハンマー、タガネ、など特別な道具を使うことなく再現し、突合せで溶接し元々腐ったり痛んだりしていなかったかのように仕上げ、まるで新品部分を組み込んだかのように修復している姿に感銘を受け、これこそ「レストレーション」「レストア」というもんなんだと想い、職人になりたいとさえ思ったほどでした。

 

この回は、トライアンフTR-4の第1回でしたので、バラして、各部の検証をしている内容でした。

 

TR-4は、ルパン三世1stシリーズのオープニングでも豪快な走行シーンが描かれていてかっこいい車ですよね。

 

たまたまですが、模型のコーナーでは、日東化学がフェアレディSR311をプラモデルとして販売開始し組み立ての紹介記事がありました。

後に、「モデル・カーズ」として発刊し、今に至ってます。

数年後に、小生の作ったモデルを応募し、2回ほど小さく掲載されたこともあります。商品懸賞ではその商品が欲しい思いをはがきいっぱいに熱烈に書き込んだことが効を奏し2度ほどいただいたことがありましたね。今じゃそんな情熱はどこへやら、若気の至りに近いものだったのかな?カムバック~と叫びたい。けど恥ずかしいので叫びません。

 

 

そのほか、編集者のおもちゃ箱はひっくり返りまくりで、鉄道や飛行機のコーナーまでありました。

これも後の「レイルマガジン」「RM MODELS」となって発刊され今に至ります。

 

 

やがて、それらを排出した「スクランブルカーマガジン」は「カー マガジン」と改称し現在に至りますが、そのころには、いのうえ氏が編集部を去ったこともあるのでしょう、妙に大人ぶった紙面になってしまって、しばらくしてから購読はやめてしまいました。そして小生の興味は八重洲出版の「ドライバー」「CARBOY」それらの増刊から派生した「オールドタイマー」へと購読紙が変わりました。それでも、小生の再生趣味の原点は「スクラン」との出会いがなければ始まらなかったことでしょう。

それだけに、小生にとってエポックメイキングなものだったのです。

 

その後も、いのうえ氏の携わった本は、クルマ、鉄道などいくつか購読しましたが、やはり彼の世界観が小生の脳髄にシンクロしているのはまちがいないようです。  数年前に或る自動車イベントでお見かけしましたが、お声がけはできませんでした。やっぱり恥ずかしいですからね~。