モノがない時代の工夫の産物
手元に、或るセルスターターモーターがある。
その昔、どうしても淑女に「リダクション式セルスターター」を付けたかった人物が工夫して造ったものである。
セルモーターはご承知のように、バッテリーでモーターを回転させると同時にソレノイドスイッチが入り、ギヤ移動しその回転をフライホイールに伝えてエンジン本体を回転に導く部品です。
「リダクション式」とはとういうものだろう。これは通常の機構ではトルクが足りなくなるような環境で、そのトルクを増強するための機構を備えたタイプのものです。具体的には、遊星歯車という小さな歯車を介すことによって低速変速されることでトルクを生み出す機構となっています。かつてはエンジンのかかりにくい寒冷地仕様や、競技用等チューニングエンジンで通常セルモーターでは厳しい場合に採用されたものです。前者は冬場にエンジンオイルが堅くなってしまう、後者は圧縮比アップの為、それを回しやすくするのが主目的です。
さて、今回のお題の作成者の目的はなんだったのか?それは後者であると思います。
今となっては、そん所そこらにいくらでも転がっている形式で珍しいものでも何でもありません。ただ、40年前は一部の車両にしか採用はされておらず、目的のためには工夫を凝らす必要があったのです。
作成者は既存の「リダクション式」を淑女に取り付けるためのアダプターを作成します。暫くはそれを使っていましたが、ここにあるように現在は退役しています。聞いた話では「ホンダシビック用」らしい。大衆車にもバンバンそんな高機能な部品を採用するのは当時のホンダらしさを感じる一面でもあります。
現時点では、小生の下で宙に浮いているような存在のブツですが、一度は取り付けてみようかなと思っています。40年前の作成者の思いを馳せて。
Wikiによると、「セルスターター」は、モーターの駆動にバッテリー電池(cell)を利用することから「cell starter」と呼んだという説と、英語のself starterから来ているという説があるようです。
「リダクション」は本来「レブリダクション」というらしい。レブはレブカウンター(回転計、タコメーター)のレブでしょうか。すると、直訳で回転削減になりますね。


