■■はじめに■■
先月、プレオープン状態で公開した記事「ケーナケース 万国小博覧会!(会場建設中w)」だが、お蔭様で「日本館」の建設が無事竣工した。
かなり大幅な写真&解説の増補となったので、前の記事を残しつつ、改めて「ケーナケース 万国小博覧会!(本開催!!)」として投稿させて頂く。
先に結論としては(←結論なんか要るのか?この記事にw)、
1.ボリビア製の(民芸品民芸品していない)シックでモダンで持ち歩きしやすいケースがもっとたくさん出てこないかなあ。。
2.日本のいろんな袋(リコーダーケース、そろばん袋、バチ袋などなど)を転用してみたけれど、篠笛袋が一番しっくりきた。
3.日本の針仕事が得意な人の技術とセンスと手芸愛には、目を見張る(*_*)ものがある。
4.またコレクションを増やしてしまった。。。💦
――以上である。
■■以下本文(3.【日本館】から追加更新多数アリ)■■
ケーナ吹きにとってケーナは大切な相棒。その相棒を練習や演奏のために外へ連れていく時には、相棒をケースに入れておきたい。ケーナケースには、耐衝撃性も望まれるが、私はデザインが気に入ったケースで持ち歩きたい。
カバンを開けてケースを持ち上げ、ケースからケーナ本体を取り出すとき、お気に入りのケースだと、中身が同じケーナでも、吹く前のテンションが変わるからだ。
今回はそんなケーナケースを巡るお話である。
(ケーナ本体については、別稿「いま私が吹いているケーナたち」をご覧ください)
ケーナもバラエティに富むが、ケースも色々探してみると多様性・可能性に富んでいる。
1.【ボリビア・ペルー館】
まず、ケーナケースと言えば、真っ先に思い浮かぶのが、下の写真のヤツだろう。
化学染料染め・機械織りのアワイヨ製で、いかにも民芸品って感じ。
Amazonで「ケーナケース」とか入れて検索すると、大体こういうのばかりがぞろぞろと出てくるだろう。
これらのアワイヨ製の民芸風ソフトケース、気づいたらこれだけ手元にあるが、私自身がそれが欲しくて買ったものは一つもない。ケーナを買ったら付いてきただけだ(と言ってしまったら作った人に失礼だが、事実としてそうなのです)。
正直なところ、あまり積極的に使いたいという気持ちは起こりにくい。
ただ中には、天然染料染め(と思しき)の古布でできている良質な品もある。
勿論、アンデスっぽさを強調するならば、これらでも悪くはないのだけれど、いかにも民族楽器でござーい!という感じがして、個人的にはちょっとこっぱずかしいときもある。
――もう少し、他に選択肢はないのか? これが今回のテーマである。
普段のファッションと馴染むようなケースが欲しい!
日本での日常の暮らしに溶け込むように、ケーナを持ち歩きたい!!
――と、探し始めると、無いようでいて意外と無くはない(どっちなんやw)。
まず、マルセロペーニャの無地のソフトケース。「アンデスの家ボリビア」で入手した(同店でケーナを買うとおまけで選べるそうだが、バラ売り対応もして下さる)。
マルセロペーニャのケーナ本体同様、洗練されていてオシャレである。
シックなモノトーンなので、練習会以外の日常の場面で、ふとカバンから取り出しても、「場違い感」が生まれない。
しかもこちらはお手頃価格(執筆時現在で税込550円のお値打ち価格)。
Marcelo Peñaのタグも付いているので、中のケーナがグレードアップしたような気もしてくるw
細めに見えるが、伸縮性の高い素材で作られているので、太めのケーナでも収納できる。
私は取り敢えずその時お店に在庫があった全4色を揃えて、お気に入りのケーナに割り当てて悦に入ってる(^^;)
願わくば、ユニクロの衣料みたいに、30色くらいアースカラー中心で展開してほしいのだが…(他にどれだけ需要があるかは知らないけれどw)。
2.【フランス館?】
それからレアだが、防御力に全振りした、ケーナ用ハードケースというのもあるにはある;
こちらも某フリマサイト経由で入手した。
フランスのCAMAC社製の短めのG管黒檀ケーナがジャストフィットするので、もしかすると専用ケースかもしれないが、来歴や製造元は不明。
3.【日本館】
さて、もしこれが「ケーナケース」ではなく、「リコーダーケース」であったら、小学校の音楽の授業での巨大な需要をバックに、様々な商品が出ている。
例えば、手作りソフトケースを32色展開している手芸用品店があったりする。思わず流用を考えたくなるのだが、我らがG管ケーナ(一般的に全長38cm前後)は、ソプラノ・リコーダー(同じく全長33cm前後)よりも長いため、微妙に入らず、基本的には流用困難。
こちらの18色展開しているリコーダーケースが、帆布製・芯入りで防御力高めっぽいうえに、長さ37-38cm(マジックテープで微調整可能)でギリギリG管ケーナが入りそうなのだが、少しお値段がする(本体2400円+送料600円)ので、手を出しかねている。
昔、日本楽器界の王者・ヤマハが、短期間自社ブランドのケーナ、その名も「Qen」を出していたが(既に終売)、そのリコーダーケースライクなヤツを今からでも多色展開してくれると良いのになあ、と夢想する(写真を載せておくが、ちなみに本体の音色もリコーダーライクだ)。
なお、探索の結果、手芸が得意な方が、自作のリコーダーケース(サイズゆったりめ)を某フリマサイトにお手頃価格で出品されていたので、試しに入手してみた。
うん、G管ケーナなら太めでもすっぽりと収まった。悪くない感じ。
ちなみに小学校用品と言えば、あの竹製ものさしを収納する「ものさしケース」もネットでよく見かけるのだが、これも基本長さ30cmちょっとなので、流用はムリ。
それから、未だ生き残るどころか近年再評価されつつあるという、かつての子どものお稽古ごとの王者、算盤の「そろばんケース」も使えないか考えた。
しかし、現在主流だという23桁算盤は、長さが33~34cmで、ケースも37cm~。ケーナがギリギリ入らない可能性が高く、かつ幅もケーナには広すぎる。
長さ40cmでお値段が手ごろなものがあったので、試しにポチってみた。
頭がはみ出しそうだけれど、一応、G管ケーナ2本が納まった。
ただ、やはり学校用品っぽさが、どことなくにじみ出てしまうかなあ。
とはいえ小学校関連グッズは、ちょうど保護者の手芸意欲をかき立てるのか、アイテム数が膨大で、選択肢が多くて羨ましい。
フォルクローレも全国の学校の音楽の授業に組み込まれないかなあ…。
次に流用可能性があるものとして考えたのは、ドラムの「ドラムスティックケース」や、和太鼓の「バチケース」。
大体長さが40㎝~45cm前後、幅7~10cm前後のものが多いので、入るのは入るのだが、少し幅が広すぎて、ブカブカしそう。
とはいえ、モノは試しに、手芸の上手な方たちが某フリマサイトで出品されているものをポチってみた。
ロングセラー・ゲーム機「太鼓の達人」の根強い人気で「マイバチケース」の需要があるらしく、多数出品されている。
左がベロア生地、右が久留米絣とのこと。
G管ケーナ2本入れてちょうどいい感じ。
それから、やはり邦楽の「篠笛ケース」「横笛ケース」の流用も考えられる。
同じく某フリマサイトにて、「篠笛袋」などと検索すると、おおっ!!と目を引く、イイ感じの手芸作品がたくさん出てくる。
基本、お祭りのお囃子で篠笛等を携行するための袋なので、デザインに和のテイストが感じられ、センスが良いと思えるものが多数ある。
ただし、注意が必要なのは、篠笛はG管ケーナと比べて、細くて長いこと。
一番G管ケーナに近いサイズの八本調子で、長さが410mmくらい(G管ケーナは大体約380mm)、太さが19mmくらい(G管ケーナは大体24~29mm)なので、特に篠笛袋の横幅が、納めたいG管ケーナにとって狭すぎないか、寸法の確認が必要である。
いくつか作品をご紹介しよう。
まず、この作者さんの篠笛袋は、細身で肩紐付き。日本のG管ケーナ(外径25mmくらい)を収納するのに丁度いい幅だった。
初めに完成品の左のものを買わせて頂いたが、G管ケーナには少し長め(約48センチ)だったので、長さを5~6センチほど詰めてもらって、あと4つセミオーダーさせて頂いた(セミオーダーしても、お一つ送料込みで900円弱だった。お買い得!)
こちらの作者さんの篠笛袋は、生地が少し厚め、幅も太め(おそらく本来は複数本篠笛を入れる仕様)。
ボリビア製の太目のG管ケーナ1本がすっぽり納まってくれるのでありがたい。
こちらも肩紐付き(やはりお値段は送料込みで千円くらいだった)。
こちらの作者さんのは、巾着で口を閉じて肩紐で担ぐのではなく、口元を紐で結わいて、笹止めで止めるタイプの篠笛袋。
スラっとしてて、爽やかですねー。細身のケーナ専用。
こちらも別の作者さんの笹止めで止めるタイプの篠笛袋。
かなり派手で尖ったデザインなので、どうしたものかと思ったが、あの私がまだ吹けていない、アンヘル・サンペドロ・デル・リオの寄木細工ケーナによく似合った。
ね、お誂え向きでしょ!?
こちらは、西陣織の太目の篠笛袋とがま口ポーチ。ゴージャス。
ライブ演奏の時に使えば、ステージ映えしそう。
こちらは、唐草模様の中で何匹かの黒猫たんが、後生大事に千万両をしっかと抱きかかえている。
まるで今の自分ために作られたんじゃないかと思ったw 皮肉がピリリと効いている。
ちなみに、豚さんが大粒の南洋真珠の首飾りをしている図柄は、出品されて無かったww
こちらは、約30年前に京都で大学生していた頃に、ときどき顔を出していたフォルクローレのワークショップで譲って頂いたもの2点。
縮緬風のものと、正倉院柄のもの。
防御力はほぼゼロに等しいが、単純に美しく、中に収められた楽器がどれだけ美しい音色を出すのだろうと期待させる袋だ。
さて、ここまで買ったケース・袋を紹介した。
しかし本当は、自分で、お気に入りのケーナにジャストフィットするケースを作ってあげるのが、一番なのかもしれない。
こちらは、手持ちの楽器類の整理をされていた方から譲って頂いたケーナの付属品。
手縫いのケーナ袋。
きちんと採寸して作ったものなのか、中の牛骨ハカランダ製のケーナ(吹きやすくて立派なお品だった)がピッタリ収まる。
前の持ち主の方が、如何にそのケーナに愛情を注ぎこみ、大切に扱っていたのかが窺い知れる。
でも私は、手先が不器用で、手芸ができないからなあ。。
ケーナ吹きの皆さんは、普段どんなケースにケーナを入れていますか?
また入れてみたいですか?■