「U君の名前が合格者名簿に載っています。」
日本時間の昨日、カリフォルニア州のBar Examの合格者名簿が発表されて、U君の名前を見ることが出来ます。ご覧くださいませ。
こうして、アメリカ人用に作られた資格試験の合格者名簿に、日本人として自分の名前が加えられることが何という名誉なことなんだろうと思いませんか?私には、感動の極みです。
今年2月の試験の結果は、こうなっています。
①全受験者数 3113名
②初回受験者総数 1090名
③初回受験者合格率 53.0%
④再受験者総数 2023名
⑤再受験者合格率 24.0%
ここでわかるのは、初回に不合格になると、再受験の合格率が下がっていきますが、よほどの覚悟で勉強しないと、再受験での合格は難しいということです。そして、初回合格率が高いからと言って、日本の司法試験よりも簡単なんだと思ってもらっては困ります。それだけはご理解くださいませ。
英語でアメリカの法律を理解して、たった2日で13科目を試験されて、科目合格を許されないという過酷な試験です。米国公認会計士試験なら1科目ずつ科目合格が許されていることを考えると、いかに厳しい試験であるかが想像できます。そして、カリフォルニア州のBar Examが最も難しいということもご承知だと思います。
私は、このU君の合格発表を待って、いままでの9年間を振り返って見ました。
「ローカルスタンダードからグローバルスタンダードへのトランスフォーメーション」
U君と私が成し遂げたのは、この表現に尽きると思います。一人の地方出身の大学生が私と出会って、9年かけて世界で戦える人材になったということなのです。ここで説明申しあげておきますが、ローカルスタンダードとは国内基準、グローバルスタンダードとは国際基準のことです。
そして、このグローバルスタンダードとは何かをご存じの日本人は、どれだけいるのでしょうか?新聞やSNSで盛んに言われていますが、本当のところ、あなたはご存じですか?私は渡米する前に、勤務していたアメリカン・スクール・イン・ジャパン(ASIJ)でのアメリカ人職員から、耳にタコができるくらい言われていたのを今でも思い出します。
「どの大学を何番で卒業するか?」
「どの資格試験を、何回の挑戦で、何点で合格するか?」
これが非常に大切です。その実績が、将来に渡って就職の採用の際に大きな影響を与え続けるのです。そして、当時から、ASIJでは誇るべき進学校として、ハーバード大学やスタンフォード大学にも合格者を輩出していました。そして、その合格を勝ち取った高校生がどのような人物なのかを私は観察することが出来ました。その経験も今は役に立っています。
では、日本の場合はどうでしょうか?
「大学は、合格さえすればいい。」
「資格試験も、合格さえすればいい。」
私は大学生の頃は、こんな感覚でいましたが、今でも変わらない傾向だと思っています。だから、学習塾も予備校も、「合格さえすればいい」という立場で授業を行っています。学校では、能力別に「特進クラス」や「普通クラス」を設けていますが、それもさらに上の学校への進学のために、効率よく勉強させる方法として取られていますが、最終目標は合格なのです。合格実績というのは、その考えの証拠ですね。資格試験もそうです。これが、ローカルスタンダードの考えなのです。
そして、大学に入ってからどうするか、社会に出てからどんな勉強をすればいいか、それを教えてくれる大学がないのです。高校の教師も、大学の教授も、知らないのです。それは、グローバルスタンダードで生きたことがないからです。だから教えることが出来ないでいることになります。
しかしながら、世の中はどんどんと時間の流れの速さが増し、変化が激しくて、人間の考えが追いついていくことが難しい状況になって来ています。その中で、いかにしてグローバル社会に対応できるかを考えていただきたいです。大学でやっていただけないのであれば、個人で自分を鍛えるしかないのです。
グローバルスタンダードで生きているために、中学受験から準備をするご家庭がありますが、U君のように地方からの学生でも、鍛える順序さえ間違わなければ、目標通りにグローバルで活躍できる人材として育て上げることはできるのです。それを今回のBar Examの合格でお分かりだと思います。
「人生の選択肢をいかにして使いこなすか?」
これが、これからも大切になってくると思っています。
ここまでお読みいただきまして、ありがとうございます。
感謝