なんだかすご~く、先生の筆がノッていたように感じました。
なのでマリナシリーズを思い出すようなノリのセリフや会話がたくさんあって、なかなか楽しめました。
そしてワタクシはチャンス!とばかりに、そんなシーンをマリナシリーズのキャラクターだと思うようにしながら読んでみました。(またやったのか)
もちろんスズはマリナ、プランスはシャルル、カイは和矢です。だけど・・・成宮って誰に置き換えたらいいのか・・・。わかりませんでした。
よって今回も失敗!でも前回よりはイメージできました。
それにしても実践中はあいかわらず薄目になってしまうワタクシ。(笑)だからなんでやねん!
ロワールの古城で起きた事件を、スズ、プランス、カイ、成宮が解決するストーリー。
またもやフランスが舞台で、このシリーズは登場人物のほとんどが日本人中学生であるという設定がいつもジャマですね。
だから次回作から突然、トンデモ設定の次世代主人公ってことにしちゃったのだろう。(笑)
そんなわけでスズが主人公のこのシリーズは、どうやら今作品で終了のようです。
スズ一人が、あまり理由がわからないモテモテ状態のまま終了です。結局最後まで、スズの魅力がイマイチでした。
タイトルどおり、カイとのお別れを決意したスズですが・・・。なんだか変なお別れの仕方だし、理由も独りよがりで納得できません。
和矢と同じようなやさしさを持つカイなので、スズが離れ離れになるのがさみしいと言えば、夢のサッカー選手を諦めて、日本に帰るってことらしい。こういう理屈も私には、和矢の頃から理解できないんだけど、今回も同様です。好きな相手にそんなことされても、私だったらうれしくもなんともないけどな。恋愛優先な夢ってどういうことさ。お前の夢ってそういうことなのかと説教してやりたい。恋愛至上主義な人ってニガテなんですよね。しかも、やさしさっていうのはそういうことじゃないと思うんだなー。
でも、そんなカイとお別れするっていうのはある意味正解だと思うんだけど(笑)、その別れ方がまた問題でしょう。成宮と付き合ってるとか、うまくいってるとか、騙して相手を傷つけて別れるって・・・。呆れた。
だけどこれもある意味、似た者同士の別れと思えば納得はできるか。
そういえば長女は私よりも先にこれを読んだのですが、前作のときのようには感想を言ってくれなかったんだよなー。
きっと、何か心に引っかかるものがあって、前作のように素直に感想が出てこなかったんだと思います。
別れるにしても、相手を本当に好きならば、相手を傷つけるようなやり方はしないでしょう。本当の気持ちを普通に伝えたらそれでいんじゃない?カイには夢を実現してほしいから、今は自分のことは考えてくれるなと。自分もカイが好きだから、好きだからこそカイに夢を実現してほしい。・・・それで良くない?
それにお互いに好きなんだから、遠距離恋愛してみて、それでうまくいかなかったら、そのときこそ別れたらいいんじゃない?
なんだか、スズってカイのことが本当に好きなように思えないから、だからこの終わり方はまったくもってダメですね。
ミステリー自体はまとまっていたし、そこそこ面白かったのに、終わり方が・・・。後味が悪すぎます。こんな形にしてしまうのなら、いっそスズの恋愛感情は一切ナシにして、今は恋愛よりも友情とか仲間を大事にしたいんだー!っていうような形にすればいいのに。
最近のひとみ先生って、なんだか変ですよね。ひとみ先生じゃなくて出版社の意向なのかな?最近の子供には恋愛感情をこういうふうに書かないとウケないとか、もっとこういうふうに書いてくれとか注文つけているのかな?
せっかく読者のオトメたちが「信頼すること」を考えるような作品になっているのに、残念な終わり方によって台無しにしていると感じました。
※ひとみ先生が書いていると決め付けて、感想を書いています。ご了承ください。(笑)