サンゴフード | ミスズの水槽観察日記

ミスズの水槽観察日記

42年前にグッピーからスタートしカクレクマノミブリード10000匹達成!
現在はKR93SPを使いSPSを中心にサンゴ ミドリイシ飼育をしています。
主にミドリイシブログです。
2017年ダイバーデビュー!
2022年6月からミジンベニハゼの繁殖/ブリードをして稚魚も育てています。

2024年2月にナオさんとカフェドロゼの清水さんとご一緒したナチュラルさん

 

そのとき、話の流れで(?)リンタ■ウさんからサンプルとしてコレを頂きました。

サンゴ用パウダーフードです。

 

最近のトレンドでは液体フードが主流かと思いますが、これはラベルの通り粉末状になっています。

あらゆるメーカーから販売されている粉末/顆粒のサンゴフードと少量魚のエサも一緒にブレンドしてパウダー状にしたオリジナルという触れ込み。

とはいえ闇雲にミックスしたものではないらしく、リンタ■ウさんの長年の経験と考察もそれにはブレンドをされているものでしょう。

 

しばらく未開封でしたが、5月になって開封し水槽へ投与してみることに。

開封すると鰹節のようないい香りがして、思わず炊き立て白米にもかけたくなる衝動(笑) 

 

普通に照明MAX設定時の時間帯。

このタイミングで投与しポリプの出現が旺盛になるものなら本物のサンゴフードというのが自論。

 

どのサンゴが一番反応が出るのかなと思いながら付属のスプーンで半分量を掬い水中に勢いを付けて沈める感じで入れました。

粉末感が高いので水面に浮かぶだけではイマイチだろうと思いましたが、どうしても3割くらいは浮力によって浮いてしまいがちです。

淡水よりも海水の方が浮力が高い影響もあるからでしょう。

 

投与し5分程度で我が水槽で普段から最もポリプを旺盛にしている、ナオさんストロベリーが最も大きく反応を示しました。

 

比較的おとなしいスパについてはほんの少し程度でした。

他のミドリイシもいくらか反応を感じました。

 

それから7日後、再び同じ時間に投与するとほぼ同じ反応を確認。

 

その3日後、消灯する10分前の夜間帯に通算3回目の投与。

オーソドックスなサンゴフードが推奨する時間帯でも観察してみました。

完全に消灯した1時間後に懐中電灯片手に覗くと、多くのサンゴでポリプが旺盛になりなかなか良い反応です。

 

さらに1週間後に完全消灯した時間にも投与し、ポリプが普段よりも咲くことは確認できました。

肝心なのは、この投与でサンゴにどういう効果があるの?です。

 

ポリプが出る=捕食と考えるのは飼育者のご都合主義。しかも匂いに反応しただけという可能性も十分あり得ます。

ポリプは排泄器官でもありますから。

 

褐虫藻への効果、あるいは成長など結果については何とも言えないです。

 

ポリプが良く咲くことが捕食だと仮定したとして、それが餌を実際にチャッチしそれを体内に適切に消化出来ていると断定できないし、人間で言えば口開けてヨダレ垂れ流しているだけ。という可能性も捨てきれないです。

それらの効果を引き出すのに餌の量を投与するタイミングや投与頻度など長期試しても見極めが難しそう。

 

ということで感想として我が水槽では、このサンゴフードを投与するとしないではポリプの出方に変化があることだけは分かりました。

個人的には過去Redseaのアミノ酸・AB+を使ったことがあります。

 

しかしかの製品でミドリイシに限って全くポリプの反応変化を感じませんでしたし、サンゴへのメリットを感じず”おまじない”感がありました。

 

今回のサンゴフードは粉末なので液体と比べて投与する重量比で圧倒的に少ないため、そこを考慮すると”ポリプが咲く”という点についてはかなり効果が高いことが分かります。

同時に液体タイプより体積比で飼育水を汚しにくいところもアリだなと感じます。

 

もしかすると匂いにポリプが反応をしているだけなら、コレの次に液体フードを投与するのがより良い効果が表れるのかも(?)

ということで、サンゴフードを薦めているのでありませんが興味ある方にはご自由に。

 

ウチではSPSの同一個体の継続飼育の最長サンゴはシコロサンゴが8月で17年。

それに次ぐユビ系ミドリイシやハナヤサイ・ショウガサンゴが12年になりますが、添加剤もサンゴフードを与えていませんから長期飼育できている事とは無関係と断言できます。

光合成できるSPSはそれにより生命維持をするメカニズムなのでポリプの開き方が調子の良し悪しのバロメーターにするのは良いとしても、ポリプが開く=サンゴのコンディション絶好調と評価するのはナンセンス。

 

ミドリイシなら根元が白くなっていても、栄養塩が多すぎて茶イシ化していても、キモガニ・貝・ヒラムシなどに食害されていても先端のポリプだけは咲きますから。

 

むしろLPS < ソフトコーラル < オオナガレカンザシ/ハードチューブやイバラカンザシ < ヤギ類 の方が効果がサンゴフードの効果がすぐに表れそうなもんです。

自論ですがSPS飼育については何かの投与に依存する飼育方法を模索するより、まずは昔からのオーソドックスな飼育方法で同一個体を5年以上飼い続け成長させることが達成できたら次のステップとして添加剤含め”投与”の検討することを推奨します。

 

何でも水槽に”足して”いれば良いってもんじゃなく、かつてリンタ□ウさんも提唱していた”引き算”の感覚を磨くのもスキルですよ。

 

※以上全て個人の感想です。

なお、このサンゴフードは売り物なのか試作品なのかは知らないデス! 悪しからず(笑)