遺体の確認。 | 届かない手紙

届かない手紙

自死遺族〜
最愛の夫を失った妻の記録。
二度と戻らない日々…
行き場の無い気持ち…
もう二度と届くことのない夫への想いを綴る。

 

 

こわい…

 

ほんの少し入口から除いた瞬間

 

目に入ったのは

 

台の上からかけられている白い布だった。

 

 

本当にドラマで見るような光景だった。

 

 

恐る恐る視線を移動させたその先には

 

離れた場所からでもハッキリとわかる

 

見覚えのある

 

横たわる夫の姿だった。

 

 

一歩ずつ室内に足を踏み入れ

 

白い布がかかるそこに近づいた。

 

 

今まで見たことのある亡き人の姿とは違うものだった

 

 

涙がボロボロ溢れる。

 

間違いじゃなかった。

 

紛れもない夫の姿だった。

 

お願い、嘘だと言って。

 

 

なんで…

 

どうして…

 

 

夫だとわかっても受け入れることが出来なかった

 

夫だとわかっても触れることは出来なかった

 

そこに立っているだけで精いっぱいだった

 

子供のように泣きじゃくることしかできなかった

 

 

検視室から出て

 

警察署の入り口で

 

人目も憚らず

 

大の大人が

 

子供のように

 

いつまでも泣いていた

 

 

迷惑になるとか

 

恥ずかしいとか

 

考える余裕もなかった

 

 

夫の姿が目に焼き付いて離れない