自由が丘にあるスパイス専門店「レピス・エピス」に行きました。

あまり馴染みのない珍しいスパイス類がオシャレにディスプレイされています。アジョワン、フェンネル、キャトルエピス・・ 普段の料理にさりげなくこれらのスパイスを使いこなせるような、そんなオシャレな女になれるなら…

とりいそぎ小綺麗な店内にて、初めての場所で居場所を探すように知っているスパイスを探します。
すると胡椒を発見。良かった。一人で恐る恐る踏み入れたパーティー会場で知り合いを見つけた時のような安堵感。
ところがよく見ると胡椒という定番アイテムであってもインド産、インドネシア産、カンボジア産、マダガスカル産、、、また黒胡椒、赤胡椒、グリーン、そして生タイプやロングペッパー、などなど多種多様な選択肢が、、、またもや、気づくと様々な人種に囲まれてしまったような高揚感とアウェイ感が入り交じり、全く落ち着きません。

暫くたじろいでいた私に、店員さんが声をかけてくれました。
「スパイスは味見して大丈夫ですよ、胡椒は一粒ガリっと噛んでみると風味がわかりやすいですから、どうぞ」

なるほど。であればとりあえず全種類試してみようではないかという変な意気込みというかイヤらしい考え。
まずは流行りのエコを意識したかのように、無農薬で生産されたという胡椒をテイスティングしてみることに。一粒指でつまみ、ガリッとやってみます。

ほぉ これが無農薬…香りが立つわ

また違うのをガリッ

これまた独特な風味で面白いじゃない?

もひとつ別のを・・

唐突に幕はおろされました。
もはや2個目にして、胡椒の辛み成分で舌が完全にマヒ。

おそらく、一度ガリッと噛んで風味だけ味見したらすぐに出すべきものなのかもしれません。ただティッシュなどの持ち合わせもなかった私には、何のプライドが働いたのか、一度ガリッと噛んだものはそのままガリガリ噛み砕き呑みこむという選択肢しか残されてない気がし、無理矢理呑み込んだら最期…

完全なる舌のしびれ。
スパイスのテイスティング、失格。

そういうことで、その後何かしらを購入しないとここから出れないかもしれないという自分の中だけの強迫観念により購入した黒胡椒は、もはや勘で選んだ一品だったことは言うまでもありません。

次回はティッシュ持参が必須です。

馴染みの焼き肉屋で、肉類やゾウモツなどを思う存分たいらげた日。
シメの石焼き牛スジご飯もほぼ丸のみです。

店長がデザート変わりに、マスカットを一房出してくれました。
どこからかもらったらしい。
フルーツというものにさして興味がない我ら女子は、いただいておきながら反応が露骨に薄い。
あげくの果てに、イチゴが好きとかメロンが好きとかそういった可愛げってズルくない?フルーツが好きっていうのってズルくない?と可愛げゼロもしくはマイナスのネタで失礼にも盛り上がります。


ともあれ好意で出していただいたマスカット。
ぱつんぱつんの粒の集合体の中から一粒もぎり、
口の中に放り込んで反射的にかじると、プッと皮がやぶれ
そんなに甘くない、比較的そっけない味わいが広がりました。

なんとなくそのそっけなさ感が新鮮で
意識的に甘い、いかにも熟れ時ですよなアピール満載だったとしたら、もはやおなかいっぱい、萎えるところでした。

そして関われば関わる程、いちごやメロンの王道にはない
このマスカットの自信の無さはだいぶほっとけなくなってくるから恐ろしいです。
なんだか不器用でもどかしくって不完全なこの感じは、実に奥深くて、その先を知りたくなってしまうというか・・


また一粒、プッと放り込む。

何考えてんの

また一粒

そういうとこあるんだ

また一粒

もっと見せて


媚びたくない訳じゃなくて、甘え方がわからないだけ。
それがわかった途端、思わず全体をかぶりつきたくなる気もわかる。
そんな無自覚な土壌を知ったら、たちまちにせっせと耕したくなる気もわかる。

マスカットな女こそ、だいぶズルい。
マスカットな女には、きっと大抵の完成された女はかなわないかもしれないと思いながら、そのマスカット一房を征服。
あやかるべし。

夏が終わります。

日々パソコンの前で仕事をしているせいもあり
空の変化なんてそんなに気づかなかったのですが
いつの間にか空がこんなに遠くなっていたなんて!
また夏が来ずして行ってしまったよ…と
自分の中でうすら笑いを浮かべてみました。


それにしても、ある程度歳をとると
夏が特別ではなくなってくるねという話で
先日友人と意見が一致しました。
10代、20代はそれこそ夏は特別なseason
心ときめかせていた毎日・・

もはや恋愛以外の悩みを抱えすぎている現在三十路過ぎ、
夏は四季の一つ、というなだらかな視点で
とらえるようになってきました。
海とか花火とか祭りという華々しい行事ごとに対しても
完全に第一線からは引退。
正確にいうと、引退するように自分の中で
徐々に訓練してきたのかもしれません。


そんな中、うちの出窓の鉢植えに、先日ミントを2株植えてみました。
生命力の強いミントは、ここ数日で驚く程成長し
四方八方に茎をのばし、葉を広げ
ふんだんに陽の気を弾けとばしてくれています。

『我が家に夏がやって来た、か・・』

もう少ししたら、モヒートを作ろうと思います。
自家栽培のミントをたっぷり入れて、ライムを絞り
グラスの中でその青々とした葉をすり潰し
香りが出てきたところで、ラムと、ソーダを注ぎ込み、、、
そうそうラムの銘柄は何にしようかな。


ああ、お母さん。娘はいつの間にか
夏を一人で過ごせるようになりました。