仙台にある宮城峡に行ってきました。
宮城峡はニッカウイスキーの蒸留所。「マイウイスキー塾」というのがあって、一泊二日で通常の見学では入れないような製造過程まで見ることが出来ます。
これはグレンウイスキーを作る用の、カフェスチルという連続蒸留機。

昔ながらの蒸留機で操作も難しいようだけれど、これにより豊かな香味成分の含まれたおいしいウイスキーが出来上がるらしい。
そしてこの部屋にはこのような大きなステンレスタンクがずらり。

この中ではウイスキーの元になるもろみというのが大量に仕込まれていて、グツグツとものすごい勢いで発酵しています。考えられないほどの数の菌がこの釜の中で活動しているかと思うと、急激に酸素が薄くなる気が…
参加者全員で、実際に手作業で樽づくりの作業もします。
トンカチみたいな道具で樽や周りのタガと呼ばれる金具を一生懸命叩いたりして、こりゃ重労働だわ…と痛感した矢先、

隣で最終的にこんな風に係の人が機会でボタン一個で簡単に仕上げるところを見てしまいました・・
ウイスキーも近代化の時代なのですね。
もはや、大きなスコップや大きなしゃもじを持ったり、大きな手動スイッチをえいやと動かすような光景はそこにはありません。全て製造司令室のパソコンの、マウスのワンクリックでウイスキーが作られているだなんて・・・

考えてみたら当たり前ですよね。
全てシステム化されてウイスキーの品質を管理しているのでした。
最後には参加者全員の名前を寄せ書きした樽にウイスキーを詰める作業を行い、10年間、宮城峡の自然の中で熟成させてくれます。そして10年後にはそれをボトリングして、それぞれ各1本 (700ml)プレゼントしてくれるのですが、「くれぐれも10年後、行方不明にならないでくださいね」と必死に呼びかけていた工場の方。こればっかりはこの場で皆、約束はできないのでしょうか、会場に一瞬妙な不穏な空気がよぎったように思います。
また、工場の製造スタッフさんがマイブレンド教室という講座を開催してくれて、すでに熟成の終わったモルトウイスキー、グレーンウイスキーを使ってオリジナルブレンドのブレンデッドウイスキーを作ったりもしました。
こんな風に5種類のウイスキーがあり、自分の好みのウイスキーに調合するのですが・・・

嗅ぎ過ぎ、飲み過ぎ、頑張りすぎで、最終的にはもはや香りも味も訳がわからなくなります。
自分にとって最高のブレンドウイスキーを作ることなんてそうそうできるわけないのはわかっていながらもそこはウイスキー好き、つい真剣になります。私以外の参加者の方々は、はるかにマニアックで「これじゃないんだよなあ」「いや、後味が甘すぎるんだよ」「グレンが多すぎた」などなどの通なコメントが飛び交っていましたが、私は調合用のシリンダーやスポイトを使うだけでもだいぶ必死でした。
時間が来て「もうそこまでで、皆さんそろそろ瓶に詰めてください」と言われ、私はもう観念し、マイボトルに詰めました。妥協という名のマイブレンデッドウイスキーの完成です。
いいのです。
美味しいウイスキーは買えるのですから。
そして買ったウイスキーがこれ!

シングルカスク 25年。蒸留所限定品です。
喉に到達する前に蒸発していなくなってしまうような、まろやかで成熟された極上のウイスキー。
「おいで。いいから味見してみな」
「わっ!すごい!これ、とってもおいしい!もう口の中からふわ~っとなくなっちゃった!」
「そう。こういうのがウイスキーっていうの。これを飲むとね、若いのはなかなかいけなくなるよ」
日本のウイスキーが、これほどに美味しかったとは!
日本は確実にスコットランドに肩を並べ、そしてすでに追い越しているんだよと、ある参加者の方は語っていました。このウイスキーを飲むと、その言葉は本当なんだと思わされます。
皆こぞってこの25年を購入し、私も負けじとレジへ・・
とにかくあっという間の一泊二日、このウイスキーと出会えたこと、参加者の皆さんと過ごしたマニアックな酒談義の宴の一夜、身も心も私の肥やしになったマイウイスキー塾。今度は余市にもぜひ行ってみたいという意欲でいっぱいです。