’闘う鶏’という強めの名前なので、なかなかオーダーしづらいウイスキーだったのです。
口に出すのもちょっとためらうような、勢いある感じ。
そしてどうもこのウイスキーを傍らにチビリとやっているバーカウンターの女の絵図に抵抗感ありだったので(私は一筋縄ではいかない女ですアピール満載な気がしてしまって)気が引けていたのです。

なのでこれまであまり触れてこなかったウイスキーですが、その日は仕事のつきあいの男性と二人のバー飲みで女度を今以上にいかすシチュエーションでもなく、ちょうどバーテンダーさんもこのウイスキーを勧めてくれて自分でこの妙に威勢のいい名前を口に出すはずかしめも受けずにいただける機会がやってきたため、トライすることができたのです。

ああそれにしても・・
なぜもっと早くこのバーボンに手をつけなかったのだろうかと、一口いただいて悔やまれました。
偏見ゆえ、様々なチャンスを早い段階でブロックしてしまっているかもしれない自分がだいぶはがゆいです。

これだけコクがあってカツンとくるのに、飲み口にスッとキレのあるようなフットワークの軽さ。
甘くない。媚びない。ひるがえして前へ前へ進んでいくような躍動感。

『一発で決めようなんて思わないのね。何度も切り返してはチャンスを狙って攻め続ける・・油断すると勝利はないんだから・・』

'闘う鶏'が乗り移ったのか、気づくとグラスを持つ手はテーブルと口びるとの間を高速でいったりきたりさせられます。「おかわり!」の言葉を粘り強く繰り返し・・

やはり一人の時は、色んな意味でこれをオーダーするのは控えるべきかもしれません。特に、か弱い女を演出したい時ならば。


シングルモルトを約40種類ブレンドしているといいます。
実際に40種類ものウイスキーをブレンドするなんて私だったら気が遠くなり、ついさっき確かめた匂いも途端に消え失せそうですが、やぱりブレンダーというプロの方々はすごいです。

つい先日バーで、ウイスキーの熟成年数×2が人間の歳と同じなんだって、と近くにいた人が言っていて、傍らにはバランタイン17年がありました。

なぬ?×2?
じゃあのバランタイン17年は、人間でいう34歳と同じってこと?

私はそれを小耳にはさむと、もはや人ごとではありませんでした。
なぜって、以前バランタイン17年をいただいた時、それはそれは芳香で奥深い味わいが口の中に優しく広がり、上質で品があってなんて魅力的な液体なんだろう…と感無量だったことを思い出したのです。

もしこのバランタイン17年がちょうど自らとダブルというならば、あの恨めしいくらい醸し出される芳醇さはいったい何?!
そりゃ世間的にはもう充分大人な歳ですよ。
だけど未だに幼い精神年齢と少ないながらの経験さえいかしきれてないような我が身。
浅はかな言動に常に心配と後悔の日々の人間・私。
この差のありすぎる憎い現実って、いったい何?!

ねえどうしたらそんなに自信のある魅力的な女になれたっていうの?
ねえ教えてくれてもいいでしょ?
ねえってば・・・

嫉妬心から、ウイスキー相手に咎めてみたりします。
妄想です。一人遊びです。

だって知ってるんです。
私の家の台所には、常備ウイスキーのバランタインファイネスト。
バランタインの中でもスタンダード品。
自分で買ったんですから、知らない訳ありません。
これはこれで決して悪くない、安くて、普通に美味しい。
そしてバランタインファイネストはいとも簡単に飲み干され、やすやすと私に征服されるのです。

そしてわかってるんです。
バランタインにも12年、17年、21年、30年というラインナップがあるように、私にも年相応の挑戦と感動の場があるということを。

このまま甘んじてられない。負けらんない。
常にいい酒と対等でいられる女でいたいと、つくづく思わされたのです。

先日「ケルト入門」という本をむさぼるように読みました。
ケルトとはざっくり言うと、すっごい昔、紀元前何世紀とかの時代に、ヨーロッパあたりから各地に渡っていった人々のこと。彼らが使っていた言葉がゲール語と呼ばれていて、ウイスキーの名前になったりしています。

その本の中で、頭皮の毛穴がゾワッと最大限に開くくらい脳を刺激する内容が…
それは「フィンドホーン」という不思議なスポットについての記述でした。

スコットランドのフィンドホーン村。
世界中からあらゆるエネルギーが集まる磁場センター、つまり、パワースポットなんだというのです。
ここでコミュニティーの人たちは瞑想をしたり、巨大な野菜を作ったり(特別なパワーがある土地だから巨大に育つのだそう!)、クリスタルでエネルギーを集めたり。
1970年には世界的に財団として公式に認知されていて、精神世界の本拠地として有名なんだというのです。

そしてここで作られているフラワーエッセンスが!
選ばれた花を摘み、水の入った透明のガラスボールに浸し、花の魂にチューニングして、、、等々、特別に作られ、これを飲むことによって人生における重要な決意がついたり、病気や怪我などから一命をとりとめたりというデータも報告されているらしい。

おシャレ女子で流行っていた「飲む薔薇」というのも興味深いけど、やっぱり24時間パソコンやら携帯やらテレビやらの電磁波に汚染された生活をしていると、アニミズム(自然信仰)の世界に猛烈に戻ろうとする自分がいます。

日本からのツアーもあるとのこと。精神だけでも先に辿り着きたいです。
フィンドホーン