闇に佇みて -26ページ目

億劫


窓越しに見える

明るく
幸せそうな景色

季節を感じ
日々を感じ

営みと時が釣り合う
窓越しの景色

なのに

僕には


窓はスクリーンで

古びた映写機で
投影された


ありきたりで

虚ろで

永遠に繰り返される
光の帯にしか見えない


だから

居心地の良い
住み慣れた部屋の片隅で

ただ生きている


そんな光の帯に
巻かれながら


安らぎの闇に
包まれるまで

ただ生きて行く




眠気だけが

気のふれた波のように

押し寄せる

背高のっぽのかたつむり


背高のっぽのかたつむり

長く伸びたマイホーム

空に溶け込みは
しないけど

みんなが声をかけてくる

素敵

とても
素敵ね


ちょっと顔を出して
会釈はしてみるけど


だけど強い風には

でもね激しい雨には


怯えて耐えるだけ
なんだよ

雷まで怖がって


かたつむりのくせにね


背高のっぽの

殻に込もって出られない


あじさいの葉っぱに
しがみついたら


千切れて地べたに
落っこちた

見上げたあじさいは
夏色で


わからない

わからない


色褪せすぎて


わからない

地球


いのちは
重くない

いのちは
儚くもない

いのちは
支え合ってもいない

いのちは
感じるものでもない

いのちは

何処にもない



あるのは

少し温もりを持てた
ひとつの星

吹く風が分かった
ひとつの星