今まさに消えゆく遺跡。藪の中で蛸田(たこだ)古墳を探索。 | 大工の休み時間

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三島建設の2代目大工が書く日記です。
大工成分は少なめです。

こんばんは。
山で古墳を探しました。
2代目大工の三島です。

前回の伊自良湖サイクリング。
その途中にはさざれ石、杉林、お地蔵様。
色々な場所に寄り道をしました。



中でも1番苦労した寄り道。
ソレはこの工場の裏山。
目的は蛸田(たこだ)古墳です。


でも場所は悪いし状態も悪い。
今までわざわざ行くことはありませんでした。

でも今日は身軽な自転車。
時間もあるしノンビリ探そうっと。




ですが場所ははっきり分からない。


スマホで蛸田古墳を検索。

アタリをつけて山へ向かいます。

しかしコレがまーったく分からない。
本当に全然分からない。

進めども進めども藪の中。
そもそも草だらけでまともに歩けない。

うーん、まいったぞ。



しばらく付近を散策。
15分ほど探したでしょうか。



はぁ……。




無い……。


コレは出直しかなぁ。





うむむむ。

悔しい!



座ってしばらく考える。

自分が古墳を作るとしたらどこにするか……。




スマホで地形図を確認。


うむむむ。


むむむむむ。







ふぅ。


そうだなぁ。

もう少し景色が良くて目立つトコに作るかな。




だとしたらもう少し西かも。


もう一度立ち上がり歩き出す。
所詮はインターネットの位置情報。
間違っている可能性、十分にありますもんね。

山沿いを西へ。



注意深く地形と周囲を観察。


すると……ん?




この辺りにしては珍しく大きな石。

平たくて古墳に使いやすそう。

コレ、ありえる話じゃない?



もしそうならココより上に古墳があるはず!



少しだけ上に登る……







ん?



んんん!?




なんかココだけ土が柔らかいぞ!?


上り坂なのに土がフカフカ。
自然に積もった土はもっと固いはず。



おおおお!?


今まで何度も登った古墳の感触。
足に伝わる柔らかさにテンションが上がります。

でも視界を阻む深い藪。

とても墳丘は確認できません。
しばらく付近を歩く。


なんとなーく地形が分かってきたぞ。

ソレっぽい盛り上がりの正面はこの辺り…か?





すると…おお!?




おおおおお!!


あ…アレは!?



あああ!





や、やった!

 

やったぞー!




ありました蛸田古墳の案内板です!
落ち葉を払って土をぬぐう。


うん、なんとか読める。


間違いない。



この柔らかな盛り上がり。

コレが蛸田古墳だ!



苦労しまくりで喜びまくり。

足の感触って馬鹿にできないものですね。



とりあえず看板をじっくり読む。

六世紀のもので横穴式石室を持つ、か。



墳丘に登り前を見る。
多分ココが石室の跡。
なんとなく中央が凹んでいます。
でも石は確認できません。



確かこれが石室の正面、だったかな。
いや、本当にひどい状態ですね。


自分で撮ったはずの写真。
見直してもただの藪にしか見えない。

なのでどの写真がどこだったのやら。
こんなひどいのは初めてです。



古墳の正面に看板を置いての一枚。

分かるのか、分からないのか。
コレはもう風前の灯火。

あっという間に自然へ還ってしまいそう。




うーん。
定期的に誰かがこないとダメかな。

看板埋まったら探しようがありません。



いまから1500年も前の遺跡。
それがまさに今、消滅している。

ある意味この古墳の節目を見ているんですね。



私が今日ココにきた気まぐれな観光。
でもその行動でこの古墳がほんの少し延命した。

そんな気さえしてきます。



もう一度墳丘に登って堪能。




ふーむ、よし。
蛸田古墳、しかと覚えたぞ!

また誰か来てくれるといいなぁ。
それまで長生きして下さい。



ではサイクリングにもどるとしますか。

でも…どこから山に出られるんだろう?



見渡す限りの藪の中。
草木の中をゆっくりと突き進みこの苦労も思い出になるんだなぁと楽しんだ消えゆく蛸田古墳だったのでした。











なお、本当の入口はこの工場のすぐ山側だった模様。


この道路が未舗装になる付近から右の竹藪へ。



一応、案内板があった模様。


コチラも掘り出して立てかけておきました。
案内通り100メートルほど山際を進むと蛸田古墳です。



奇特にもたどり着いた方。
どうせまた看板が埋まっているはず。
土を払って戻してあげて下さい。

その優しさで蛸田古墳。
また少し寿命が伸びるはずですよ!



そうそう、蛸田古墳には5億円ほど隠しておきました。
ぜひ行ってみて下さいね!