午後からの商用で某所を訪れ、そこの担当者と会う。
こいつは私よりも年下なんですが、なんと新築一軒家を購入したらしい。
仕事中ではあったが、けっこうざっくばらんの関係なので、家に寄らせていただいた。
瀟洒な建物で、海が見渡せる家だった。
腹立つなぁ とか あ~あなんか今日は仕事する気がうせましたわ
などの言葉をはきながらも、やっぱり羨ましさを感じてしまいました。
私の好きな田辺市に一軒家、 優しそうな奥さんと子供に恵まれ、
しかもこいつは職場ではけっこうかわいがられている。
私もこいつのことが好きで、一緒に飲みに行ったりとか 平気で めんどくさいから嫌ですよ
なんてことを言えたりする。 一応お客さんなんですけどね。
そういえば 周りの友人達も家を買ったりしてるなぁ。 みんなすごいよなぁ。
少子化で人口も減少するというから、 そのうち誰かがくれるんちゃうん
と思ったりするんですが...
羨望とちょっとした自己嫌悪も混じった感情で 俺ってどうなんやろ と思いながら、
2時間程の商用後に、 一応ひょっとして行くかもしれないと思っていた 桧皮の滝へ向かいました。
小一時間ほどすると近くに到着。
やっぱり増えてます... 水が...
そうそう、日高川って増水するとこんな色やったなぁ。
おっす! 六地蔵トンネル
二年ほど前にもこのセクションは下ったことがあるのですが、その当時はカヌーを始めたばかりで、
水位って何? ダム流入量って はぁ なんしか下れるんやろ
ってな感じで渇水のこのセクションをくだりました。
案の定 ライニングダウンばかりでした。 短い区間なのですが3~4時間程かかったと思います。
ただ、桧皮のキャンプ場前はすごく水が綺麗で、大阪で生まれ育った私にとっては衝撃でした。
ですが、水位って重要なんだなと思い知らされたのもこの時でした。
朝に大阪を発つ前に 椿山ダム流入量を見ていたのですが 早朝の時点で80トン、
まぁ減少傾向にはあるものの どうなんだろうと。
実際このセクションを細い道沿いに車を走らせてみたのですが、やばいやばい。
以前の川色とは打って変わって 綺麗な増水モスグリーン でした。
嫌が上でも恐怖心は増します。
川相をみると 今の自分の技量ではギリギリ漕げるとは思えました。
ただ、瀬と瀬の間隔が短い! 約10メートルくらいでしょうか、 おそらく体感すると5メートルも
ないかもしれません。 回送が楽とはいえ、ソロで下るにはどうなんだろうか。
沈したら どのくらい流されてしまうのか... 流れは道路からみるよりも相当速いでしょう。
下見の時 林で見れない区間もあったのですが、木々の隙間から垣間見れるのは真っ白け。
...
修行、 いや 冒険だな。
もちろん、葛藤はかなりありました。
おまえ、家に帰ればかわいい女房と子供がいるじゃないか、 一人で しかももう夕方にこんな所を
カヌーするなんて馬鹿げてるよ! なんの意味があるんだよ!
喜んで羨ましがってくれるのはラナパパさんくらいだろ! やめとけ!
と。
しかし、 一皮むけたい、 この日のこのセクションをソロで漕走できれば自信もつくし、
終わったあとの爽快感はなんとも言えないだろう。
また 今の自分を ある種 肯定できるんじゃないかな とも。
おまえ けっこうやるじゃん! 一軒家なんか持ってなくても全然オッケィだよ!
そんな自分への正当性を求めてのことでした。
手に汗握るといいますが、まさに手は汗でグッショリでした。
さぁ! 行くか!
しょっぱなの瀬
流れは意外にも素直で、最後のストッパーチックなところを漕ぎきればいい。
流れの中の隠れ岩も気をつけないとな。
次は見渡す限り瀬がずっと続いています。 やべぇ。
一人じゃなかったらこんなとこで遊べたりもするのかもしれない。
最初で沈すると間違いなくずっと流されるなぁ。 カヤックだとロールですぐにリカバリーすれば
いいが、ダッキーだときついなぁ。
最後のほうになると若干おだやかにはなりそうだ。
最後の瀞場、ここも道路からみるとなんてことなさそうだが、流れは早いんだろう。
いやぁ この日はえぐい桧皮の滝コースを見れてよかった、よかった。
いいもん見せてもらったぁ。
え? 漕がなかったのかって?
...
当たり前ですやん!
夕方の4時ですよ、4時。
こんなエグいところ 一人で漕ぐ人 いるわけないじゃないですか!
いやいやいや 一皮むけなくていい、全然いい。
だって一皮むける前に 死ぬかもしれませんもん。
さ、 かわいい女房と娘が待っている大阪に帰ろっと。
帰りの道から見える 日高川はどこもエグそうでした。 増水した川ってこわいですね。
まぁ 今日はいいもん見せていただきました。
あ~あ 何やってんだろ、俺。
まぁ でも機会あれば漕ぎたいです。 メンバー的に恵まれればいけるコースだとは確信しました。
以上、桧皮の滝 見学ツアーでした。