恋都の狐さん//北夏輝 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
恋都の狐さん/講談社

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 「恋都(こと)の狐さん」


 北夏輝、著。 2012年

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内容(「BOOK」データベースより)
豆を手にすれば恋愛成就の噂がある、東大寺二月堂での節分の豆まき。奈良の女子大に通う「私」は、“20年間彼氏なし”生活からの脱却を願って、その豆まきに参加した。大混乱のなか、豆や鈴を手にするが、鈴を落としてしまう。拾ったのは、狐のお面を被った着流し姿の奇妙な青年。それが「狐さん」との生涯忘れえない、出逢いだった―。第46回メフィスト賞受賞作。

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 なんとなくタイトルが気になってセレクト。
内容はちょっと風変わりなラブコメ。
読み終わるまでメフィスト賞受賞作だとは知りませんでした。

 しかし、メフィスト賞の選考対象はミステリーだと思いこんでいたけれど、ジャンルに縛られない賞なのだろうか?
なんか、意外な感じ。

 冬の奈良が舞台。
主人公は少し天然系の女子大生。
雰囲気は森見登美彦氏の作品の女主人公たちに近いか……。

 彼女は東大寺二月堂での豆まきで風変りな男女と出会う。
着流しに狐の面を被った、変人っぽい青年通称狐と、その友人の美女揚羽。
奈良の冬のまつりを舞台に繰り広げられる、コミカルでハートフルなラブストーリー。

 どう考えても私には不向きである。
が、結構楽しんで読めてしまいました。
やはり、さすが講談社……というところでしょうか。

 講談社のメフィスト賞受賞作となれば、やはりそれなりのクオリティを備えているようです。
そう言う意味で安心して読めますね。
まあ、メフィスト賞作品はエキセントリックなものが多いので、安心して読めるっていうのも変だけど……。

 主人公の天然ぶりがなかなか可憐。
京都じゃなく奈良っていうのも良い。
ほんと、奈良は田舎って感じで、京都のような気どりがない。
素朴な感じです。
主人公の性格とマッチした街。
ナイスなカップリングだと思います。

 『恋都の狐さん』。
ラストは少し予想と違う結末。
少し切ないけれど温かい。
うん、確かにこのエンディングの方が印象的だ。
楽しめました。
結構面白かったです。