悪魔のカタルシス//鯨統一郎 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
「悪魔のカタルシス」

 鯨統一郎、著。 2002年


 秋深し…。
肌寒く感じる一日でした。

 夕食の献立は、秋刀魚の塩焼き、筑前煮、頂いた栗を
甘露煮にしておいたものを使って栗きんとん、キュウリ
・人参・大根とツナの酢のもの、ついでにマカロニ・
サラダとカニ玉の餡かけ、それに根菜の味噌汁。

 勿論、全てmiroku謹製♪
秋は、食べ物が美味しい♪
この料理ブログにも充実したメニューを掲載出来て
実に有難い季節です♪

 今後も、料理ブログとして頑張って行きたいと思って
いますので、応援、よろしくお願い致します。<(_ _)>


 …さて、鯨さん。
尾の身の刺身などは、大変美味しゅうございますが、最近
とんと見かけない。
まあ、見かけても、とても高価で手が出ませんが…。

 ……。 <(_ _)>

 鯨さん、ライトで読みやすいですね。
ネタ的にも、興味深いものを扱っている。
着想は本当に面白い。

 ただ、良くも悪くも程が良い。
この人が、畳めるかどうか分からない程大きな風呂敷を、
目一杯拡げた作品を読んで見たい。
そう思うのだけど、いつも無難に拡げて、無難に畳む。
そこが、残念です。

 この作品は、主人公が悪魔を目撃するシーンから始まる。
その後、恋人や親友を巻き込んで物語が進展してゆく。
悪魔の目的は日本を支配して人間を滅亡させることのようだ。

 特定の人間にしか悪魔が見えない。
普通の人には当たり前の人間としか映らない。
とりあえず、このあたりがみそですね。

 さらに、主人公の信頼する二人の人物、一方は有望な若手
政治家、もう一方は自然農法を営む市民運動の旗手がいる。
二人は対立する立場にあり、共に主人公を己の陣営に入れたい
と考えている。

 話が進むうちに、どちらかが悪魔であるはずだが、それが
分からなくなって来る。
そのうちに、恋人や親友まで怪しくなって来る。

 悪魔の正体とは?
その目的とは?
誰が味方で、誰が敵なのか?
主人公は悪魔の目的を阻止出来るのか?

 そのようなお話。
昔、半村良氏の作品で似たようなモノを読んだ記憶も…。
無論、全く別な作品ですが、半村さんの作品は破綻を恐れず
全速力で突っ走るので、面白かった。

 鯨さんが「悪い」とは思わないけれど、例によって「う~ん、
もう一歩踏み込んでくれたらなあ…」とは感じます。
わくわくして、さてどう展開するのか? というあたりで無難
に纏められてしまった感じがありますが…。
上手くまとめてあるし、それなりに面白い作品でした。