マットな舞台「リア王」 | 虹がでたなら

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東京芸術劇場へ。
「リア王」を観ました。
段田安則さん、小池徹平さん、上白石萌歌さん、江口のりこさん、田畑智子さん、高橋克実さん、浅野和之さん…など存在感のある役者さんたちがたくさん出演されていますが、私が楽しみにしていたのは玉置玲央さんです。
昨年初めて舞台で拝見して、美しい声と滑舌の良さに感動したのでした。

リア王は、3人の娘との愛憎劇であり、悲劇ですが、リア王一族の物語と同時に、リア王を助けた伯爵とその2人の息子の確執が描かれています。
伯爵の私生児で、異母兄を追いやるエドマンドを演じたのが玉置さん。
大河ドラマ「光る君へ」での役とイメージがかぶる!?
段田さんも出ているし!
そんな訳で、柄本佑さんや、
「光る君へ」のスタッフの方々からのお花がありました。
お二人とも、大河に出演されながら、この大舞台をこなしているのがすごい。
ものすごいせりふの量なのです。
シェイクスピアなので、せりふ回しも普通の日本語とはちょっと違う感じだし。
暗記力に驚嘆…。

主役はもちろん段田さん演じるリア王ですが、玉置さんの役はストーリーテーラーみたいな位置付けで、玉置さんは最初から最後までほぼステージ上にいました。
主として登場する場面以外は、後ろの方で座っている。
ずっとお姿を観ていられました。
大河のために伸ばしている髪と、舞台・ダブルのときにもとても似合っていた黒ぶちメガネが素敵でした。
そう!、シェイクスピアなのでどんな衣装かと思ったら、普段着風!?なのです。
玉置さんは、青いパーカーの上にゆったりしたスーツ。
他の男性もほぼスーツ。
リア王の3人の娘はピンクのワンピース。
狂人のふりをする小池徹平さんは白いブリーフ!?
とてもシンプル。
舞台も前半は白い背景と椅子のみ。
そしてその白い壁に、玉置さんが文字や絵を描いて、誰それの家…と表現するのです。

演出家のショーン・ホームズさんが、カーテンコールのときに、この舞台について「マットな…」という表現を何度かなさっていましたが、そういう雰囲気なのでしょう?

役者さんの存在感と、しっかり集中して聴いていないと理解が追い付かないせりふに圧倒される舞台でした。