田口ランディ「逆さに吊るされた男」 | 虹がでたなら

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田口ランディ「逆さに吊るされた男」

強烈なインパクトのタイトル。
オウム真理教をテーマにした物語。
田口さん本人であろう、主人公の作家・羽鳥よう子は、地下鉄サリン事件の実行犯で死刑囚のYと交流するようになる。
拘置所で面会したり、手紙をやり取りしたりするうちに、共感するようになり、こんないい人がなぜ?…と疑問を抱くようになる。
そして、いろいろな人に会いに行き、オウムについて調べる。
そのうちに、Yと不思議な絆が生まれていく…。

オウム真理教の脅威はすごかった…。
教団の人たちはなぜそこまで信じてしまったのか。
言いなりになってしまったのか。
とうていわからない。
でもこの作家が取材をするうちに、なぜか引き込まれていってしまったように、抗いがたい不思議な力があるということなのか…。
何かそういう力がなければ、あれだけの人たちがあそこまでのめり込まなかったでしょうね…。
いい言い方をすれば、カリスマ性とか、オーラとか。
それっていったい何なんでしょうね。