狂言「万作の会」を楽しむ | 虹がでたなら

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先週、狂言「万作の会」を観てきました。
野村万作さん、野村萬斎さん、野村裕基さん、三世代の共演です。
「因幡堂」は、気の強い奥さんに、離縁状を送り付け、新しい妻を探そうとしたところ、そこに現れたのが妻だった…という物語。
夫役を野村万作さんが演じたのですが、90歳を超えているとは思えない身のこなしと表現の豊かさ。
さすがです。
妻を見てびっくりしたときのユーモラスな表情が、目に焼き付いて忘れられません。

「小傘」は、野村萬斎さんと野村裕基さん親子が前後に並んで登場したのですが、横顔が本当にそっくりで驚いた!
萬斎さんの声の抑揚やリズムは聞き惚れます。
お坊さんに成りすまして、お供え物を盗もうとするのですが、ウソの念仏がユニークで、笑えました。

派手な舞台装置や小道具、楽器の演奏などはなく、体の動きと声と表情だけでこれだけ豊かな表現を見せ、何もないところにいろいろなイメージを想起させ、そしてこれだけ笑いを起こす…。
狂言の奥の深さを実感しました。