『ノアの箱船とアノンの潜水艇』 | 未来の自分を応援する(^^ゞ

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『今、ここ』を体感し、

その悩みを克服した、

あなたの中の最高の『未来の自分』を呼び覚ます!

その未来への道筋を明らかにする、

あなただけの、

『未来の自分報告書』お作りしています☆彡

 
『ノアの箱船とアノンの潜水艇』
 
 
むかしむかし、それは遠い未来のこと
 
アノン ジという漁師がおりまして、
 
嫁は、マアミ
 
娘はキイノ、息子はトウンと言いまして、
 
穏やかな潮風香る、港町の端にある小さな砂浜そばに建てた小さなマッチ箱のような小屋に、家族4人で暮しておりました。
 
いつものようにトウンは砂浜で鯛を釣り、
 
いつものようにキイノは海岸沿いの崖で宝石を削り出し、
 
いつものようにマアミはタイ茶漬けを作りつつ、
 
アノンは、海で獲ったマグロと鯛と宝石で、
 
お土産用の置き物や飾り物、食料品などを街の市場で売り歩いて生計をたてていました。
 
ある日のこと街はザワつき、お国の親分さまからお達しがありました。
 
『病が流行っているから家にいろ』と。。
 
街の人たちの半分は家に戻り、
 
半信半疑で時が過ぎるのを待ちました。
 
街の半分の人たちは外を出歩き、
 
聞いていたのか聞いてないのか普通の生活を送っています。
 
アノンは、何が起こっているのかを、
 
腕時計型携帯通信機を使って世界中に飛び交う言の葉を集めたところ、
 
どうやら数日で人の身体に入り込む謎の病気が流行っていて、それがこの小さな港町にも、入り込んで、病気で倒れているひとが現れたのだそうで、他の国ではたった数人の感染者から、1週間後には数千人、ほんの1ヶ月後には数万人になった国もあるそうで、事態が悪化していることに気付きました。
 
〜なんやかんやありまして〜
 
数ヶ月後、親分たちは言うこと聞かない街の人たちと、そうでない人たちを選り分けるようになり、箱船を用意して、それに乗り込ませる準備をしてゆきました。
 
アノンとその家族は、言うこと聞いてる組みに選ばれて、箱船に乗る準備をしていました。
 
家畜となる馬や牛、鶏や豚や、国の生き物となるオスとメス、国の財産と食料や、数十日を生きるのに必要なもの。
 
そしてそれらを乗せた巨大な船に、言うこと聞けるひとたちを乗せ、言うこと聞かないひとたちを置き去りにしようとしていました。
 
準備に手間取っていたアノンの一家は、マアミもキイノも幼いトウンも荷物を身体中に背負って、その船にようやく駆け寄ってたどり着いた時、
 
こんな風に思ってしまいました。
 
この船は、
 
 
重い。
 
 
すると自分たちの荷物もずっしり重く感じられ、
 
急にどうしたらいいのかわからなくなってゆきました。
 
キイノは恐ろしさに泣き出して、
 
トウンは言葉も失いグッたりしています。
 
マアミはアノンに、
 
 
『これ本当に持たなくちゃいけないの?』
 
 
アノンは、急に図星を突かれ、
 
マアミを見つめトウンとキイノを見つめました。
 
そしてノアと呼ばれるその箱船と、
 
それに乗り込む言うこと聞いてる組みの人たちを見つめ、
 
ちょちょちょっと待て!!
 
乗り込んんじゃダメだ!
 
船が重過ぎる!
 
乗り込んじゃダメだ!
 
アノンは叫び続けました。
 
でも、誰にもその声が届かず、
 
船はとうとう出港してしまいました。
 
 
〜〜なんやかんやありまして〜〜
 
取り残された、言うこと聞かない街の人たちの中にも、病に倒れる人たちが増えてゆき、
 
言うこと聞かないひとたちの中にも、
 
現実を受け止めるひとたちが現れて来ました。
 
アノンたちは、その人たちと小舟を使って脱出出来ないかを考え始め幾つもの船を作ってゆきました。
 
その中にルールを破って先に船を出して逃げ出すものがいて、その逃げ出した船を遠く見つめる先の反対側に分厚く大きな雨雲が見え、アノンたちは気付きます。
 
箱船じゃないと。。
 
〜〜なんやかんやありまして〜〜
 
アノンは箱船を作り、そしてそれを、潜水艇にしてゆきました。
 
アノン一家の乗る潜水艇は、幾度の大波にも揺さぶられ、幾度の嵐にも難破することはなく、21日間を過ごしてゆくことが出来ました。
 
 
辿り着いた、海岸沿いの砂浜では、
 
幾つもの小舟や箱船が打ち上げられ、
 
中でもいちばん大きかった親分の船に似た箱舟は、穴が空き、底の部分からの破損から水が漏れ出し、沈没したかのような面影を残していました。
 
親分大丈夫だったのかな?
 
 
浜辺に打ち上げられたアノンの潜水艇は、
 
 
アノンとその一家が最後まで戦い続けた今となっては誇らしい、傷あとを残しながら家族を見守り見つめてくれています。
 
アノンはおもむろに板切れを拾い、
 
ナイフでひとつの表札を作りました。
 
 
『アノン ジ の自宅』
 
 
ーーー
 
おしまい