蛇の道 | akaneの鑑賞記録

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「岸辺の旅」「スパイの妻」の黒沢清監督が柴咲コウを主演に迎え、1998年に手がけた同名映画をフランスに舞台を移してセルフリメイクしたリベンジサスペンス。娘を殺された父親と彼に手を貸す精神科医が繰り広げる徹底した復讐の行方を、全編フランスロケ&フランス語で描き出す。

8歳の愛娘を何者かに惨殺された父親アルベール・バシュレは、偶然知り合った精神科医・新島小夜子の助けを借りながら、犯人を突き止めて復讐を果たすべく殺意を燃やしていた。やがて2人はとある財団の関係者たちを拉致し、次第に真相が明らかになっていくが……。

他人の復讐に協力する謎めいた精神科医という難しい役どころを柴咲がフランス語で熱演し、2019年のフランス映画「レ・ミゼラブル」で注目を集めたダミアン・ボナールが復讐に燃える男アルベールを演じた。

 

 

 

 


オールフランスロケ、久しぶりの柴咲コウさん主演ということで期待して観たのですが、完全に期待を裏切られました。

 

 

 

全然面白くないです!

 

 

 

まず白昼堂々、人をスタンガンで気絶させて寝袋に入れて連れ去るとか無理過ぎ。

 

ジムのロッカールームで大の男を取り押さえるために格闘したり。

防犯カメラあるでしょ?人も出入りするし。


どんなに叫んでも誰も来ない廃工場に監禁しているということですが、結構近くに人が住んでるんですよね。

 

 

そこそこ地位のある人を拉致監禁したり殺したりしているのに、全く警察が関与しない。


食べ物を床にぶちまけたり、トイレにも行かせず垂れ流し、糞尿はホースの水で洗い流すとか、そういうのも汚くて見たくない。

 


 

 

 


子供が惨殺された経緯は、ある財団に繋がっていて、そこでは臓器売買をしていたという話なんですが、結局のところ、柴咲コウさん演じる小夜子は全部調べ上げて、すでに核心を得ているんでしょう。
でも自分は手を汚さず、アルベールの復讐心を煽って仕事をさせてる。

そうでないとなんか適当に拉致してきて拷問してるけど、ちゃんと裏取りできてるのか?ってことになりますもんね。




フランスでの赴任生活が合わず、小夜子の精神科に通っている患者として西島秀俊さんが2シーンほど登場するのですが、これも大いなる無駄遣いというか意味不明なんですよね。

 

 

 

小夜子の日常生活を見せるため?
彼も、小夜子の誘導により死を選んじゃったんじゃないかと思わせるような感じですね。

 

 

アルベールも完全に操られてるっていうか、バカっぽいもんな~。

 

 

 

 

 

 

 


柴咲さん、全編フランス語のセリフ、とても頑張っていたと思います。
でも、惜しむらくは猛勉強して丸暗記した、って感じが出てしまってるんですよね。

会話じゃないんです。
冷徹で感情がない役だからそれでも良いかもしれないけど

 

 

 

会話をしていれば言い淀んだり、つっかえたりもするし、感情が乗ることによって緩急や強弱が生まれるんだけど、全部同じテンポなので、一本調子に聞こえてしまいます。

 


良かったのはラストシーンのみ。
スカイプで会話している夫への一言。

 

 

 

 

 

 

 

1998年公開のオリジナル版があるということで、U-NEXTで見てみたんですけど、もっと訳わからんかった。

 

 

 

 

柴咲コウの役は、哀川翔が演じています。

見どころは「香川照之が若い」だけ。

 

 

 

 

 

まだフランス版の方が、多少理屈も通っていてマシかな。
風景も綺麗だし。
設定が違うところもあるんですが、ほぼ台詞もカメラワークも同じで、「えーーーまたこれ見るのか」と思ったんで1.4倍速で流し見しました。
なぜ、この作品をリメイクしようと思ったのか、ほんと謎。

 

 

こういう、なんか雰囲気だけというか、いかにもアングラみたいな映画、キライなんだよね。

こういうのを分かるのが「通」みたいなの。

 

 


全員フランス人俳優で、フランス人が監督した方がまだ何か変化があったんじゃないかな。


私としては日本版もフランス版もお勧めしません!