ドクタースランプ(韓国ドラマ) | akaneの鑑賞記録

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2009年、ヨ・ジョンウのいる高校に、ナム・ハヌルという女子が転校してきます。

 

 

韓国大学医学部を目指し猛勉強するハヌルと、全国模試トップのジョンウはライバルの関係に。
その後、ハヌルもジョンウも医師として輝かしいキャリアを積んでいましたが、ジョンウは不可解な医療事故、ハヌルは教授のパワハラによって、人生のどん底に転落してしまいます。

そんなある日、2人が再会し……。

 

 





映画のストックもあるのですが、ちょっと溜まってしまった韓ドラの感想をいくつか。



ヨ・ジョンウ(パク・ヒョンシク)

 

子供の頃からスポーツ万能、成績優秀、イケメン、非の打ちどころのない青年。
両親は共に有名な心臓外科医で暮らしは裕福でしたが、親はほとんど外国にいて、全てお金で解決するような生活。親の愛情や理解を受けることは一切ありませんでした。
韓国大学医学部に受かったジョンウに、親は当然、息子も心臓外科医になることを期待しましたが、彼が選んだのは美容外科医でした。
もちろん親は大反対で、今も関係は疎遠です。

今ではメディアにも露出し、様々な賞を受けるほど人気美容外科医となったジョンウ。
ある日、マカオからやって来たという女性の手術を行いますが、手術中、突然女性の出血が止まらなくなり、そのまま亡くなってしまいます。

 

 

身に覚えのない薬剤投与ミスによる医療事故、その日に限って手術の録画も消されている。
誰かが仕組んで彼を陥れたとしか考えられませんが、確たる証拠もなくジョンウは起訴されてしまい、多額の賠償金まで背負うことに。

一瞬にして富も名声も失ってしまいます。
 



ナム・ハヌル(パク・シネ)

 

成績優秀なハヌルは、一家の自慢の娘。

常に多大な期待を背負っています。
父親が亡くなったのをきっかけに、一家はソウルに引っ越してきました。
母は叔父(母の弟)と食堂を経営、ハヌルの弟ナム・パダ(ユン・サンヒョン)は、いつまで経っても就職もせず、フラフラしています。

高校時代、ジョンウと全国一位を争ったハヌルも麻酔科医となって激務をこなしていましたが、あまりにも理不尽な上司のパワハラに心身は限界。
ある日、腹痛に耐え切れなくなり、道路に倒れてしまいます。

 

 

腹痛の原因は急性胆のう炎でしたが、ハヌルはうつ病と燃え尽き症候群と診断されます。
常に親の期待に応えられるよう、一切友達と遊ぶこともなく、寝る間も惜しんで猛勉強の日々。
とことんどこまでも頑張ってしまって、自分を労わることができなくなっていたのです。
病院も辞め、再就職もままならず、無気力に過ごすハヌル。
 

 

 


失意のジョンウが引っ越してきたのは、あるビルの屋上部屋。(雑居ビルなどの屋上に増築された、家賃が安い簡易住宅)

 


なんとそこはハヌルの実家の屋上でした!

 

 

十数年ぶりに再会した因縁のライバル!

 


しかし、今は2人とも人生のどん底で、失業中。
口を開けばついつい、昔のように喧嘩もしてしまいますが、お互い大人になり、辛さを分かち合いつつ、お互いを支え合って、人生を取り戻していくストーリーです。


 

 

 

 


ジョンウの友人であるビン・デヨン(ユン・バク)

 

 


ハヌルの友人であるイ・ホンラン(コン・ソンハ)

 


このサブキャラ同士の恋愛模様も、なかなか良かったです。

デヨンは離婚して年頃の娘と二人暮らし。

ホンランも離婚して、小学生の男の子を育てながら働いています。
男親はお年頃の娘の気持ちが分からず、女親は男の子と一緒に遊ぶのは難しい。
そういうところをお互いに補い合いながら、信頼を深めていきます。

 

 

 

一度結婚に失敗した者同士なので、なかなか本音を出して付き合えないのですが、それもまたリアルです。
デヨン役のユン・パクさんが、男の子と遊ぶシーンが本当に微笑ましくて、あ~こういうお父さん最高!って思っちゃいました。






おチャラけているようですが、ジョンウの優しさ、さりげなくハヌルを守り支えてくれる包容力は本物。

 

ずっとガリ勉人生だったハヌルは、青春時代の楽しい思い出もなく、遊ぶ経験をしたことがありません。
好きな人へのプレゼントは分厚い医学書。

一番楽しみなデートは、図書館でマイナーな論文を読むこと。

 

 

 

 

そんなハヌルを、ジョンウは、ゲームセンターに誘ったり、

 

 

二人で疑似修学旅行をしてみたり。

 


恋愛経験のないハヌルの言動が的外れで面白いのと、韓ドラのお約束ですが、二人が両想いになったときのバカップルぶりが本当に微笑ましくて。

 

 


医療過誤事件が解決した後も、手術の失敗がトラウマとなってしまい、メスを握れなくなったジョンウに対して、ハヌルは麻酔医の立場でしっかり支えます。

 

 

 

 


ハヌルの家族は典型的な庶民派で、おせっかいで、早とちりで、常にドタバタなんですが、親の愛情を受けずに育ったジョンウには、その温かさが何よりの癒しになるのです。

 

 


こういう「家庭環境の違い」も、韓ドラにはとても良くある設定です。
 

 

 


ハヌルの弟ナム・パダ(ユン・サンヒョン)も、空気読めなくて余計なことばかりするんですけど、全く憎めない可愛い弟。

 

 

そしてハヌルのお母さん役のチャン・ヘジンさんが、本当に元気で温かい面白いお母さんで最高!でした。



学生時代から唯一、心を許して信頼していた人に裏切られたと知ったジョンウ。
その人のせいで人生のすべてを失ってしまって、それはとても許し難いことなんだけど、自分の親が、その人に酷い仕打ちをしていたことも分かり、昔から本当に信頼して大好きだった人だから、恨むことも辛い…と
ハヌルのお母さんに泣きながら告白するシーンなどは、とても感動的でした。

 

 



 

何事にも突っ走っていける20代、ある程度、人生の道筋が見えている40代に対して、30代は色々な迷いが生じる年代です。

仕事も恋愛も自分で選んだ道だけど、本当にこのままで良いのだろうか?
大きな挫折を経験することもあるし、今までの考え方、やり方では通用しなくなってきたり、正直に言いたいことも言えなくなったり。

 

単なるラブコメではなく、現実的な迷い、失敗、葛藤を経て、人間的に成長する過程を、コメディ要素を交えながら楽しく見せてくれる魅力的なドラマです。

 


ヒョンシクさんのコメディとイケメンの振り幅は、本当にピッタリ!こういう演技ができる俳優さん、なかなかいなくて、まさにアテガキというか、ヒョンシクさんの魅力が最大限発揮されています。

 


パク・シネさんも、とても一児の母とは思えないぐらいフレッシュで可愛くて。

 

美男美女で二人の息もピッタリ!
ラブコメって演技力必要だし、二人の相性が良くないと見てられないですから。

 

とってもおススメのドラマです!

 


最終回のエンディングは、二人のウェディングフォトでした。