マイホームヒーロー | akaneの鑑賞記録

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講談社「週刊ヤングマガジン」連載の人気コミックを原作とする、2023年放送のテレビドラマ「マイホームヒーロー」の完結編となる劇場版。

愛娘・零花に危害を加えようとした彼氏を殺害し、彼が所属していた半グレ犯罪組織と命がけのだまし合いを繰り広げたサラリーマン・鳥栖哲雄。7年後、哲雄が山中に埋めた死体が土砂崩れによって発見され、警察官となった零花は哲雄に疑いの目を向け始める。一方、死体とともに消えた10億円の行方を追う犯罪組織のボス・志野寛治は、再び哲雄に狙いを定める。さらに、かつて哲雄の罠にはまって全ての罪を着せられた間島恭一も姿を現す。

 

 

 




昨年放送されたドラマを見ていなかったので、続編とは知らずに鑑賞。
ドラマで描かれた前半部分、殺人をしてしまった経緯が、ザーーーっとダイジェストで紹介されます。

 

 

 

そして7年後。

親子4人、仲良く暮らしていたのですが…

 

 

 

 

土砂崩れによって哲雄が山中に埋めた延人の父・麻取義辰(吉田栄作)の白骨死体が発見されるところから始まります。
警察にも、犯罪組織にも狙われる鳥栖一家。

 

 

家に放火され、家族にも危険が迫り、もう逃げきれないと思って自白しようとしますが、担当刑事が殺され、再び泥沼へ。

さぁどうなる?というストーリー。

 

 

 


「面白いな!」と思った設定もあるんですけど、全体的にとても中途半端なんですよ。
脚本も演出も俳優も。
大体、一般人が人を殺してバラバラにして埋めるというところで無理がありますし、死体遺棄も含めて2人も処理するというのも…



佐々木蔵之介さんは、まぁ安定の主人公。

妻・歌仙役の木村多江さん。もっと色々できる人なのに、大して活躍の場がなくてもったいない。

 

 

 


娘の零花(齋藤飛鳥)。

 

「犯罪者は許せない!」とか非常に正義感に燃えた警察官になってるけど、そもそもの元凶はこの娘で、半グレの彼氏とのトラブルが発端なのに、キャラ変が過ぎませんか?
彼氏が殺され、その父親が行方不明になってる事件なのに、なんか他人事っぽいし。
父親が容疑者なんだから、もっとラストに向けて、親子の葛藤とか、そういうのありますよね?
 

 



最初に刑事役で登場した立川談春さんが非常に切れ者で「お!こんな風に追い詰めていくのかな!」って期待したんですけどねー。
事件に対しては鋭い勘が働くのに、自分の周りは見えていなかったという。。。

 

彼の部下、薬師寺役の大東駿介さんも、とても良い役なのに、最後弱すぎません?
刑事だったら、もっと格闘技とか鍛えてるはずなのに。




犯罪組織のボス・志野寛治役の津田健次郎さん。

 

 
組織の部下として淵上泰史さん。




この二人が並ぶの、私としては非常に嬉しかったんですけど・・・

 

津田さんは非常に癖のあるキャラを演じていたんですが、ややtoo muchでバランスが悪く、反対に淵上さんは、あまり存在感がなくて非常に残念。

 

 


鳥栖哲雄を助けようと現れた謎の青年・大沢隼人(宮世琉弥)。

 

ちょっと「さかなクン」みたいで、イッちゃってるキャラかと思いきや、普通の人になったら演技が平板でつまらない。

 

 



かつて哲雄の罠にはまって全ての罪を着せられた間島恭一(高橋恭平)なんて、本当においしい役なのに、存在感が薄すぎて全然魅力がなかった。






犯人が一般人というところでやや弱いから仕方ないんですけど、組織や警察を巻き込んで三つ巴の緊迫感みたいなものはなかったですね。

そんな感じで、全体的に惜しいというか物足りない映画でした。