キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン | akaneの鑑賞記録

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マーティン・スコセッシ監督がレオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ、ジェシー・プレモンス、リリー・グラッドストーンら豪華キャストを迎え、実話を基に描いた西部劇サスペンス。

1920年代、オクラホマ州オーセージ郡。先住民であるオセージ族は、石油の発掘によって一夜にして莫大な富を得た。その財産に目をつけた白人たちは彼らを巧みに操り、脅し、ついには殺人にまで手を染める。

地元の有力者である叔父のウィリアム・ヘイル(ロバート・デ・ニーロ)を頼ってオクラホマへと移り住んだアーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオ)。アーネストはそこで暮らす先住民族・オセージ族の女性、モリー・カイル(リリー・グラッドストーン)と恋に落ち夫婦となるが、2人の周囲で不可解な連続殺人事件が起き始める。町が混乱と暴力に包まれる中、ワシントンD.C.から派遣された捜査官が捜査に乗り出すが、この事件の裏には驚愕の真実が隠されていたーー。
 

 

 




スコセッシ監督の前作は非常に苦手だったので

 

 

この映画もどうしようかな…とあまり気が進まなかったのですが、話題作だし、確実に賞レースに乗ってくるだろうと思って見てみました。

まぁアイリッシュマンよりは面白かったけど、やっぱり長いですね。

 



莫大な富を得たオセージ族。
石油の発掘作業員やメイドなど、白人を使用人とするほど立場が逆転していますが、彼らの資産は白人が管理していて、お金を使うのにもいちいち許可が必要です。


この郡で長年保安官?を務める有力者、ウィリアム・ヘイル。

 

 

 

彼はオセージ族の言葉も流暢に話し、町の人々にも細かく気配りをし、学校を造るなど、彼らから厚い信頼を得ています。

 

 

 


しかし彼ら白人は、グルになって恐ろしい行いを続けていました。

純血のオセージ族は、オイルマネーの資産が多分にあり、彼女たちと結婚することによって、その受益権を得ることができます。よって白人男性を彼女たちと結婚させ、日々の食事や薬に毒を盛って殺していくのです。
酒場の酒に毒を仕込んだり、生命保険を掛けて町はずれで射殺なども日常茶飯事。
しかし、ヘイルらが州を仕切っているので、ロクに捜査もされません。


そんなヘイルの二面性を、デ・ニーロはちょっとした表情の変化だけで表現しているのが凄かったです!


 

 

 

 

 


戦争帰りの“英雄”とされながら、実際は歩兵隊の炊事係に過ぎなかったアーネスト・バークハート。

ディカプリオは、歯並びも汚くして、発声も変えて、英語はよくわかりませんが田舎訛りにしているのかな?
とことん頭の悪そうなダメ男を演じています。

 

 


それはそれで凄いなと思うのですが、今はもうロバート・レッドフォードみたいに「生涯イケメン」な俳優はダメなんでしょうか。
現在のハリウッドでは「金髪で青い目」の俳優は人気がないというか、むしろマイノリティっぽい扱いだなと思うのですが、ディカプリオもブラッド・ピットもマット・デイモンも、なんだかぶくぶく太った中年男になり、敢えて汚れ役ばかりを演じているのが少々残念というか……。

 


 

 

 

 


アーネストと結婚するモーリー・カイル(リリー・グラッドストーン)。

 

 

 

とても聡明な女性だったのに、アーネストなんかに惚れてしまって……

 

 


四姉妹とも、彼らの餌食になってしまいました。




 

 


このような惨事が行われていたことは、近年まで明らかになっていなかったそうで、マーティン・スコセッシ監督がこうして映画という形で世に問いかけたのは、非常に意味のあることだと思います。

でも結局、この問題を解決したのは白人なんですよね。
FBIの基礎を作った人だとか?
穿った言い方をすれば、「悪い白人もいるけど、正義の白人もいますよ」ってことにならないですか?


どのセリフにも、どのシーンにも意味があり、真実を余すことなく伝えたいという監督の執念、1人1人のキャストに対する思い入れ、などは理解できるのですが、やはり長かったです。。。

 

 


少々疲れていたのもあるのですが、人物のアップが多くて、その分カメラが(画像が)凄く動くので、途中で酔ってしまいました。
最後の1時間ぐらいは、目を開けていることもできず、瀕死の状態。
時々薄目で字幕を読むぐらいだったので、正直なところ、肝心な捜査の部分はちゃんと見られず、翌日も寝込むほどのダメージを喰らってしまいました。


これから見に行かれる方は、ぜひ万全の体調で!(苦笑)