海街チャチャチャ(Netflix) | akaneの鑑賞記録

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ソウルに住む才色兼備の歯科医ユン・ヘジン(シン・ミナ)は、利益のために必要のない高額な治療を患者に受けさせようとした院長を糾弾したことで職を失い、さらに院長の悪口をネットに投稿したことが業界の噂となったことで再就職も困難となる。失意の中、亡き母との思い出の地である海辺の町コンジンを訪れたヘジンは様々なハプニングに襲われるが、その度に「ホン班長」と呼ばれる謎の青年、ホン・ドゥシク(キム・ソンホ)に遭遇し、助けられる。その後、ソウルに戻ったヘジンは市内での再就職を諦め、歯科医院のないコンジンに移住し、開業する。当初、田舎町での暮らしになじめずにいたヘジンだったが、ドゥシクの助けもあり、コンジンの個性豊かな住民たちと交流を深めていく。

 

 

 

 

 

 


スタートアップでのキム・ソンホさんがとても素敵だったので

 

 

今度は彼が二番手ではなく主役のこのドラマを見てみました。



キム・ソンホさん、可愛いですよね~~!
なんか子犬っぽい(笑)

 

 




ドラマのメインとなるのは「コンジン」と呼ばれる海辺の町で、慶尚北道(キョンサンプット)の浦項(ポハン)市の各地で撮影ロケが行われたそうです。



★ユン・へジン(シン・ミナ)

 

現実主義の歯科医。幼いころに母親を亡くし父親は再婚した。
名門大学校出身でソウルの有名な歯科病院で高い年俸をもらっていた。小さい頃から成績優秀で、どんな事でも最善を尽くし精一杯努力するタイプ。

本来の彼女の人生計画はソウルの有名病院で経験を積み上げた後、ソウルのお金持ちが住んでいる地域で自分の病院を営む事だった。
しかしやたらと不要な治療などをふっかける院長のやり方に不満を持ち、勢いで病院を辞めてしまい、さらに酔って院長の悪口をサイトに書き込んだため、再就職も厳しい状況に。

気分転換に思い出の海辺の町に出かけるも、なぜか次々とトラブルに巻き込まれ、その都度現れて助けてくれるのは、ホン班長と呼ばれる青年ドゥシク。




★ホン・ドゥシク(キム・ソンホ)

 

万能便利屋。さまざまな資格を持っている。コンジンの人々からは「ホン班長」と呼ばれており、漁師、不動産屋、建築業、カフェ店員、店番…依頼があれば何でも引き受ける。
何十種類もの資格を持っていて(バリスター、インテリア、内装工事、配線、物件仲介資格、中華料理資格などなど)

 

 

このような各種バイトでお金を稼いでいるが、良心的に働いた分きっちり「最低賃金の時給872円」でしか受け取らないという徹底ぶり。


コンジン出身の彼は、両親を早くに亡くし、そのあと育ててくれた祖父も中学生の頃に他界。町の人々に育ててもらったという生い立ち。

実はソウル大学出身の超エリートで小さい頃から外見、勉強、運動、喧嘩まで全て完璧だった。大学からはソウルに引っ越したが、5年後のある日、突然暗い表情で地元コンジンに戻ってきた。

彼がソウルから帰ってきた理由は誰も知らない。なぜ、あんなエリートの彼がコンジンでバイト生活をしているのか…。

ホン班長は誰にもタメ口で、誰ともすぐ仲よくなれる魅力的な人。

家では各種お酒を仕込んでいて料理もプロ級。リフォームやインテリアのセンスも抜群!





 

 


ソウルで歯科医者として働いているユン・ヘジン(シン・ミナ)は病院長の経営方針に反発し無計画に辞表を出してしまいました。

なかなか次の就職先が決まらない彼女は、 亡くなったお母さんの誕生日、気分転換しに小さい頃の家族との思い出の場所である海街「コンジン」へ向かいます。

様々なトラブルに巻き込まれるたびにドゥシクに助けられ、結局その夜は、コンジンのスパで一晩過ごしたヘジン。
次の日ソウルに戻る途中、病院長からの電話で超ムカついたヘジンはそのまま海街コンジンに戻り、この町に歯科医がいなくてみんな困っていると聞き、彼女は勢いで「この町で開業する!」と決断!

即刻、契約してしまいます。

病院や自宅の物件を探す彼女の前に現れた不動産仲介人はまたもやドゥシクで、リフォームも担当するとのこと。

 

 

 




数週間後、「彼氏に振られた~!」と落ち込んでやってきたへジンの唯一の親友ピョ・ミソン(コン・ミンジョン)を歯科衛生士として迎え、

 

 

 

ユン歯科がオープンします。

 

 


 

 

 


ヘジンは都会人(ソウル人)特有の性格で、人とあまり関わりたくないし、言いたいことははっきり言います。
でもそんな感覚は田舎の人には通じません。
みんなこの町で生まれ育った人ばかり、家族ぐるみで遠慮のない付き合いです。

そういうベタベタした人間関係が苦手なヘジンの言動は、反感を買ってしまうことが多々あるのですが、その都度、ドゥシクがうまくとりなしてくれます。
ヘジン自身も、町の人たちを関わるうちに、心がほぐれ、絆を深めていきます。






二人とも大きいえくぼがあって、凄く可愛いくてお似合い。

 

 

 

 

 


性格も考え方も違う二人は理解し合えずぶつかってばかり。でも最初出逢った時からなんとなく気になる存在なんです。
なかなか素直になれなくて、つい気持ちと裏腹の言葉を投げかけてしまうのですが、ドゥシクは困った時、ピンチの時には絶対現れて助けてくれます。(これは韓国ドラマ鉄板ですね)

 

 

 


お互いの気持ちを確認できてからは、もうメタメタにバカップルになっちゃっうんですけど(笑)


 

 

 


実はこの二人、子どもの時から、その後も色々なシーンでお互い知らない間に関わりがあったというのも、韓ドラらしい展開です。

 

 

 


基本はこの2人のラブコメですが、海辺の町の風景も素朴で

 

 

 

 

 

 

町の人達、それぞれの人生模様もうまく描かれていて、それがまた面白いんです。


 

ただ、本当に日常の何気ない日々を描いているので、なかなかお話は進みません。
町の夏祭り、のど自慢大会の話で1話全部使ったりするので。



 

 


★オ・ユン(チョ・ハンチョル)

 

1990年代にヒット曲を出した歌手で、その栄光が忘れられないおじさん。昼間はカフェ、夜はバーを経営している。 

  
妻を亡くし、娘のオ・ジュリ(キム・ミンソ)と二人暮らしなのですが、お年頃(中学生)の娘の気持ちが分からない


 

 


★チャン・ヨングク(イン・ギョジン)

役所勤め。妻のファジョンからなぜ離婚を切り出されたのか、今も分からない。





★ヨ・ファジョン(イ・ボンリョン)

 

ファジョン刺身店の店主で働き者、ヘジンの歯科医院と自宅の大家。ヨングクの元妻。
ある日、酔ったヨングクからどうしても許せない辛い言葉を聞いてしまい、ファジョンから一方的に離婚を申し出て、今は別居中だが、小学生の息子チャン・イジュン(キ・ウニュ)もいるし、顔を合わせば喧嘩しながらもヨングクと縁は切れていない。




★チョ・ナムスク(チャ・チョンファ)

 

コンジン飯店(中華料理店)の店主で、商店街繁栄会の会長。
中華料理店を切り盛りしている、町で一番のゴシップ好き、おしゃべりオバサン。でも悲しい過去がある。




★金物店を営んでいる夫 チェ・グムチョル(ユン・ソクヒョン)と

 

★小さなスーパーをやっている妻 チェ・グムチョル(ユン・ソクヒョン)

 

こちらも幼馴染的な夫婦で小学生の娘 チェ・ボラ(コ・ドヨン)がいる。イジュンと仲良し。
妻は2人目を妊娠中、妊婦である妻の大変さが今一つ分かっていない夫。



★キム・ガムニ(キム・ヨンオク)

 

おばあちゃん3人組のリーダー。ドゥシクの祖父が亡くなった後、彼の面倒をみてきた。







そこへテレビ局のバラエティ班が、海街コンジンでアイドルグループとリアルサバイバル番組の撮影にやってきます。

ガムニおばあちゃんの家を借り切って1ヶ月ほどの収録。
その番組ディレクターはチ・ソンヒョン(イ・サンイ)
彼も優しくて、コンジンの人々とも仲良くできる親和力の高い人。

 

ヘジンと同じ大学出身で学科は違うけど先輩です。
実は当時、ヘジンに一目惚れをしたのですが、その時ヘジンには彼氏がいたので告白できませんでした。
しかしプロデューサーとして成功した今、ヘジンと再会したことに運命を感じています。


ライバルが現れることでドゥシクも急にヘジンを意識しだします。
でも三角関係でもつれるのではなく、チPDとドゥシクも仲良くなってしまうのが良いですね。






なお「海街チャチャチャ」には、実は原作が存在します。2004年の映画「どこかで誰かに何かが起こると必ず現れるMr.ホン」。

1本の映画を、16話のドラマにするにあたり、周辺の人物たちの人生模様、田舎町の魅力が伝わるような描写、ヘジンの過去の恋愛、二人の過去の縁、ホン班長の過去の葛藤などを追加してストーリーを膨らませています。

小学生の子供たちから、ガムニおばあちゃんの世代まで、恋愛・結婚・出産・離婚・老後…それぞれのライフステージのキャラクターを世代ごとに設定し、現代のジェンダー感覚を取り入れたり、様々な愛の形を表現しながら、今の時代の幅広い視聴者が共感しやすいような内容に仕上げています。



「ソウルで一流大学を出ること」

「医者など立派な職業につくこと」

「ソウルで家を持つこと」

 

これが絶対的な成功モデルである韓国社会において、ソウルの歯医者を辞めて田舎町で開業するヘジン。
ソウル大出身でありながら大企業を辞め、特定の職業に就かずに、自分ができることで人を助けて生活するドゥシク。

「自分らしく生きる」という大きなテーマだと思います。







ドゥシクは「スタートアップ」のジピョンのキャラとやや被ります。

 

身内に縁がない
苦労して、色々な人に助けられて生きてきた
地頭は良くてソウル大卒
おばあちゃんに可愛がられる

ジピョンをよりカジュアルにした感じですね。
言葉使いも敬語は使わないとか、服装もラフだし。

 


基本的に辛い過去を抱えて生きてきて、それを隠すために明るくソツなく振舞い、誰とでもすぐ仲良くなれるけれど、その実、自分を守るためにさりげなく人と距離を取りながら生きている彼。

 

ドラマの流れでも、タメ口は人と一定の線を保つための一種の”防衛”なのであるということが表現されていきます。



作家のインタビューで興味深かったのが、ドゥシクのタメ口の設定に関するエピソード。これは、今回のドラマ化にあたって、最も悩んだ点の一つだったそうです。
韓国では特に年上の人に対する礼儀はかなり重要視されます。
自分の両親に対しても敬語を使う文化なので、ドゥシクが町のお年寄りたちにタメ口で話しかける様子に、最初は不快感を示す視聴者も多かったそうです。

ただ、ドゥシクとヘジンとの関係が徐々に深まっていくのを描く上では、最初はどうしてもぶっきらぼうな感じの「タメ口」が必要で、「誰にでもタメ口」という設定を無くしてしまうと、「自分より若そうに見える初対面の女性に対して、ため口で話す男性主人公」になってしまう。

それは、2021年のドラマの設定としては避けたいと考えたそうで、こういう感覚、本当に素晴らしい!

 


ドゥシクというキャラクターの持っている、ちょっと変わってて謎めている、自由な雰囲気のキャラクターの魅力が、脚本家、俳優それぞれの力で、とても巧く形成できていると思いました。

 

 

 

 

 


平和で小さな海沿いの町コンジンで、ヘジンとドゥシクの気持ちがゆっくりと近づく過程が、コンジンののんびりとした時間の流れと合っていて、とても癒されるドラマです。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



最後の3話ぐらいは、ドゥシクが忘れようとしていたその辛い過去に直面することになり、部屋に引きこもり食事もとらず、ほとんどずっと泣いていて放心状態になってしまうんです。
実は彼自身、地道にキャリアを重ねてきて、「スタートアップ」そしてこの「海街チャチャチャ」で大ブレイクしているところでスキャンダルに巻き込まれてしまったので、その落ち込んだ姿は、彼自身とも重なるような気がして辛かったです。
結構、大きな仕事もキャンセルになってしまったりしたから。
実力のある素敵な俳優さんだし、復活してまた活躍してほしいです。