競争の激しい韓国のハイテク業界で、夢をかなえるべく若き起業家たちが奮闘するさまを描く。主人公のソ・ダルミは、幼いころに両親が離婚。唯一の友だちであり姉のインジェと離れ離れとなり、ナム・ドサンという男の子との文通が心の寄りどころとなっていた。しかし、ドサンの正体は、彼女を心配した祖母とある少年ジピョンが作り上げた架空の少年だった。この文通が、大人になったダルミと周囲に大きな影響を与えていく。
最近覚えた韓国語は
チュギョラ (殺せ)
(笑)
少々殺伐とした韓ドラブログが続いてしまったので、キラキラと爽やかに元気になれるドラマをご紹介します!
2020年放送の『スタートアップ:夢への扉』は、若き起業家たちのサクセスストーリーで、IT企業として成功を目指すビジネス、同じ夢を共にする仲間たちとの友情、そして恋愛や家族などの多様なテーマがバランスよく展開されています。
泣いて笑って、ドキドキして。
主人公たちと一緒に刺激を受け、成長し、人生を駆け抜けていくような爽快感があります。
さらには、幼い頃に離ればなれになった姉妹の再会と対立や、ヒロインとその初恋相手、そして初恋相手に成り済ました相手との複雑な三角関係などの要素も全てに絡まってきます。
このドラマの舞台となるのは、起業をする若者の夢を応援する韓国版シリコンバレー「SANDBOX サンドボックス」。
(シリコンバレーは、世界で最も巨大なハイテク、イノベーション、ソーシャルメディア企業の集積地であり、何千というスタートアップ企業が集まっている場所)
厳しい競争を勝ち抜いて参加権を得た者は、サンドボックス内のオフィスや備品などの無償提供を受け、成功した先輩たちがメンター(アドバイザー)として付き、1年分の運営資金を得て起業することができます。もちろんビジネスが軌道に乗らなかったら退去させられます。
社名がなぜ「サンドボックス」なのか。
会社のロゴである「ブランコに乗る少女」
これにもちゃんと意味があるんですよ!
★ユン・スンハク (ソ・イソク)
SHベンチャーキャピタル社長兼サンドボックス創設者
「ホテルデルーナ」でも印象的な神様役でしたが、このドラマでもとても懐の深いキャラクターを演じています。
★ハン・ジピョン(キム・ソンホ)
SHベンチャーキャピタルのシニアチームリーダー。
起業家への投資ビジネスを成功させており、メンターとしてサンドボックスの運営に関わっています。
高校生になって施設を追い出され、行くあてもなく雨の中を彷徨っていた時、アメリカンドックの店を出すおばあちゃんチェ・ウォンドク (キム・ヘソク)に「店で寝泊まりしていいからおいで」と声を掛けられます。
しばらくそこで過ごしているうち、おばあちゃんから中学生になる孫のダルミの文通相手になって欲しいと頼まれます。
イヤイヤながら引き受けたものの本名を名乗りたくないジピョンは、たまたま新聞に載っていた「数学オリンピックで金メダルを取ったナム・ドサン」の名前で文通を始めます。
やがて大学に合格したジピョンはソウルへと旅立つ日が来ますが、見ず知らずの自分を本当に親身になって世話してくれたウォンドクを疑うような、酷い態度を取って別れてしまったことをずっと後悔していました。
高校生時代のジピョンを演じたのはナム・ダルム君。
「ピノキオ」の時はまだまだ子供でしたが、
様々なドラマに出演してきたベテラン子役です。
持ち前の才能と努力で、15年後の今は、雑誌に掲載されるほど成功を収めたジピョン。
★ソ・ダルミ(ペ・スジ)
両親と姉妹、仲良く暮らす4人家族でしたが、父親は独立・起業に失敗。
母親は姉と、ダルミは父と、別れて暮らすことになり、数年後、母親は財閥と再婚して、姉と共にアメリカに旅立ってしまいました。
そんな境遇に心を痛め、父方の祖母ウォンドクは、ジピョンに文通相手を頼んだのです。
父親の仕事は結局うまく行かず志半ばで亡くなり、15年後の今、ダルミは祖母と二人暮らし。
しかし高卒のキャリアでは、なかなか正社員にもなれず、派遣やアルバイトで食いつなぐ日々です。
★ウォン・インジェ(カン・ハンナ)
ダルミの姉。母親が財閥と再婚したおかげで、アメリカで十分な教育を受け、現在は韓国で財閥2世CEOとして活躍しているインジェ。
頭脳明晰、気が強く、気位も高いのですが、義理の父や兄からは低く見られ、それを跳ね返すための虚勢でもあるのです。
少女時代を演じるのは、イ・レ。
「新感染半島 ファイナルステージ」でのお姉ちゃん役で、鮮烈な印象を残しました。
★ナム・ドサン(ナム・ジュヒョク)
かつては「神童」と言われ、中学生の時、数学オリンピックで金メダルを受賞。
一度は飛び級で大学に編入しましたが、普通の中学に戻りました。高校・大学を経て、父親に出資してもらって大学時代の友人、ヨンサン(キム・ドワン)、チョルサン(ユ・スビン)の3人で「サムサンテック」を設立、ボロボロのアパートで事業を始めました。
ただ、エンジニア3人ではビジネススキルが全くなく、2年経っても何の成果もあげられません。
いよいよ父親からもう融資はしない!諦めろ!と詰め寄られているところです。
煮詰まったときには編み物をするドサン君。
スタートアップ講演会で久しぶりにあったダルミの身なりを見て、インジェは母親を選んだ自分の選択が正しかったと言い放ちます。
しかし父親を選んだダルミも、自身の選択は間違ってない!と言いたいがために、将来有望なビジネスパートナーで、恋人のナム・ドサンと起業の準備をしていると嘘をついてしまいます。
半信半疑なインジェは「起業するなら人脈作りのために、パートナーと一緒に会社の交流会に来るように。」と提案し、ダルミは「交流会にはドサンを連れて行くわ ! 」と豪語してしまうのでした。
困っておばあちゃんに泣きつくダルミ。
おばあちゃんは、たまたま再会したジピョンに助けを求めます。
今や「ジピョン」として名前も顔も知れているのに、今さら「ナム・ドサン」を語って交流会には出られません。
しかし昔の愚行を後悔していたジピョンはなんとかドサンを探し出しておばあちゃんに借りを返そうと奔走します。
偶然、自分の会社に融資の希望を申し込んでいた「サムサンテック」の代表がドサンだと判明し、強引に拉致。
かつて文通していた手紙を読ませて、この「ドサン」の振りをして、ダルミに会ってほしいと頼みます。
急にそんなことを頼まれても…と躊躇するドサン。
「サンドボックス」に入れてくれるならと条件を出してみますが、「君たちの会社には全く将来性がない」と一刀両断。
迷いに迷った末、ドサンは友人からスーツを借りて、交流会に行きます。
理想を上回る姿で現れた初恋の人「ドサン」にときめくダルミ!
状況が全く分かっていないドサンはあたふたしますが、ジピョンの助けもあって、なんとかその場を取り繕うことができました。
偽ドサンはこの1日だけのつもりだったのですが、ドサンはダルミに惹かれてしまいます。
「彼女を落胆させたくない」という尤もらしい理由でジピョンを説得し、そのまま偽ドサンの振りを続けることに。
ジピョンは「ダルミが理想とするようなカッコいいドサン」を見せるためにドタバタ奔走することになってしまいます。
サムサンテックの技術がアメリカのコンペで1位を獲得したドサン
今のままでは何も得られないと会社を辞めて起業を決断したダルミ
軌道に乗った会社を義理の父と兄に奪われたインジェ
ドサン達3人はダルミをCEOに迎え、サムサンテックを継続
インジェがCEOを務める会社と、AIに特化した会社として競争。
様々な経験をしながら若き起業家として成長していくのです。
全16話ですが、各話のタイトルが、「アクハイヤー」「ユニコーン」「バーンレート」など、ベンチャー企業用語になっていて、それに関するストーリー展開なのもお洒落です。
プログラム言語に関しては天才でも、一般常識や女性には疎いドサン。
交流会のあと、ダルミからメッセージを受け取ったドサンは
「お母さん以外の女性から初めてメールが来た!」
と舞い上がってしまいます。
「今日は会えてよかった。
迷惑をかけたからお礼をしたいの。
食べたい物は?欲しい物は?」
というダルミのメールに
「食べたい物はチキン。
欲しい物は128ギガのUSB。 」
と返信しようとするドサンにジピョンは仰天し、「これからはダルミさんへの返信は僕が検閲する!」と指示。
「お礼は要らないよ。
言葉だけで十分です。
いい夢を見て 。」
と返信させます。
ツッコミのジピョンとボケのドサンの掛け合いが非常に面白いです。
ドサンとダルミの恋愛模様、次第に芽生えるジピョンとの三角関係なども絡めつつ、おばあちゃんや両親、家族の絆もとても素敵に描かれています。
ともかく!ストーリーはもちろんのこと、キャスティングが素晴らしい!!
★ダルミ役のペ・スジ
「バガボンド」でも凄く良いなと思った女優さんです。
両親が離婚する際、父親を選んだ自分が、姉のインジュに負けたら、父親が負けたことになってしまう!と、何があっても諦めず、へこたれず、泥臭く一生懸命突き進むダルミ。
「自分の選択を正しいと言えるように」「自分が選択した道を後悔しない」と、どんな困難にも立ち向っていくダルミを心から応援したくなります。
「答えを探さずに選択してください。どんな選択をしても悪口は言われます。悪口を言われることを怖がると何も決定できない。決定できない代表は資格がないです。ソ・ダルミさんは何になりたいんですか? いい人? それともCEO? 欲張らないでください。2つはできない」
ジピョンにたくさんの辛言を受けながら、CEOとして成長していきます。
良くあるパターンの頑張るヒロインですけど、とても魅力的で可愛い。
★ドサン役のナム・ジュヒョク
初めましての俳優さんでしたが大ファンになってしまいました!
1994年生まれ、このドラマの時は25歳ぐらい?
韓国の俳優さんは、子役からずっと活躍しているか、大学の演劇専攻やK-POPアイドル出身が多いのですが、彼は2013年モデルとしてデビュー、2015年にドラマデビュー、という異色のプロフィール。
凄く演技が巧い!ということもないのですが、それがドサン役の初々しさと抜群にマッチしていたし、なんか彼の演技って「嘘がない」感じがするんですよね。
とても惹きつけられる魅力を持っています。
長身、イケメン、天才的頭脳とハイスペックな自分に全く自覚がない、理系オタク男子。
この髪形も結構可愛い!
「虹は単なる光の屈折です」
「性格は脳が左右するものであって血液には影響されません」
とか、全く女子には興味のなかった彼が、褒められてすっごく嬉しそうな顔をしたり、急に抱きつかれてドギマギするところなど、ダルミとかかわるようになって、どんどん変わっていく様がもう本当に本当に可愛いのです!!
交流会で初めて出逢った時、このなんとなく腰が引けている感じ、わかりますか?
それがこうなり
しっかり大人になります
工学部時代からの戦友、ヨンサン、チョルサンとの関係が、ずっと変わらないのも胸アツ。
こういう男の子たちはやっぱり、チェックのシャツを着るんですね(笑)万国共通?
★ハン・ジピョン役のキム・ソンホ。
舞台中心に活躍していた俳優さんのようですが、このドラマで大ブレイクしたと思います。
本当に魅力的でした!
彼がいなかったら、このドラマは成立しないと言えるほどです。
ナム・ジュヒョクが天然素材としたら、彼は技巧派って感じですね。
家庭のぬくもりを知らずに育ち、一人ぼっちで本当に苦労して、様々な失敗や裏切りなどを乗り越えて成功を手にした彼だからこそ、同じ失敗を繰り返させないよう、後進たちには厳しい言葉を投げかけますが、心は人一倍情熱に溢れているメンター。
そういう複雑で繊細な性格をとても説得力のある自然な演技で納得させてくれました。
主人公たちより4~5歳年上で、人生でもビジネスでもちょっと先輩。
無謀に突っ走る後輩たちを放っておけず振り回され、なんだかんだ言いながらも誠心誠意、冷静に判断して支えてくれるジピョン。
コメディ要素も請け負いつつ、彼自身の成長物語でもあります。
完全武装して理想の自分を作り上げ、それで全く問題ないと思っていた彼が、ダルミやドサンと関わることによって、少しずつ素の自分が出てきてしまいます。
それはみっともなかったり情けなかったりする姿だけれど、やっと心の鎧を脱ぐことができたんですよね。
自宅で「ヨンシル」としか、本音で会話できなかったジピョン。
だから彼にまず必要だったのは、恋人よりも家族でありウォンドクおばあちゃんだったんだと思います。
「ヨンシル」とは、siriとかアレクサみたいなAIスピーカーで、
ほとんどの質問にきちんと答えず、突拍子もない答えを返してくるのですが、時には賢明で鋭い答えを出します。
ヨンシルの声を担当しているのが、なんとヨ・ジング君!!
最終話にはゲストとして登場しますよ。
★そしてウォンドクおばあちゃん役のキム・ヘスクさん
「ピノキオ」では悪役でしたけど、こちらでは本当にチャーミングで、どんな人でも受け入れる優しくてたくましくて、愛が溢れるおばあちゃん。
韓国語でおばあちゃんのことは「ハルモニ」って言うんですけど、ハルモニとジピョンのシーンは本当に素敵で微笑ましくて涙涙です。
サンドボックスのロケ地は、ソウルの中心地・龍山(ヨンサン)エリアから江南(カンナム)方面へ渡る漢江(ハンガン)鉄橋の真ん中、漢江の真ん中に位置するノドゥル島。
元々は無人島だったのですが、2019年に複合音楽文化施設としてオープンして一般市民に開放され、コンサート会場の他、カフェやレストラン、広い芝生公園もあり、ソウルの人気スポットだそうです。
ストーリーは王道ですけど、何度も見返したくなるドラマ。
スタートアップの大変さ、面白さも分かるし、ともかく元気になります!
自分を信じることが、自分自身が一番の味方でいることが、こんなにも大きなパワーになるということを教えてくれます。
今、まさに渦中で頑張っている人にも、がむしゃらに頑張った時代ががあったな、という人にも、このキラキラした瞬間を彼らと一緒に体験してほしいですね。
お似合いのドサンとダルミ。
最後はハッピーエンドですよ!
超超お勧めです!
いかにも!って感じの曲ですけど、ワクワクする気持ちをを味わえるOSTを紹介しておきますね!
ドラマの雰囲気が伝わると思います。