クイーン・シンフォニック in 国際フォーラム | akaneの鑑賞記録

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QUEEN SYMPHONIC  A ROCK & ORCHESTRA EXPERIENCE

に行ってきました!
http://www.promax.co.jp/queensymphonic/

クイーン・シンフォニックはクイーンとクラシックの融合を掲げ、2000年、イギリスで初演されたコンサート。
クイーンの人気ミュージカル「WE WILL ROCK YOU」に出演したシンガーと5人編成のバンド、そしてフル・オーケストラでクイーン珠玉の名曲が演奏されます。

QALの来日公演情報もまだ出てなかったし、クイーンとの出会いがミュージカルだった私には、なによりのコンサート!と、楽しみにしていました。



ゴールデンウィークにも「ラ・フォル・ジュルネ」で盛り上がっていた東京国際フォーラム。
この日も中庭はフリーマーケットでとても賑わっていました。

 

 

 

ロビーにはおなじみのパネルで4人がお迎えです!!

人だかり~~

 

でもちゃんと順番に撮影できますよ。

傍に行って2ショットも撮れます。

 

 

ホールAは、キャパ5000人。

 

ステージ両脇にはモニターがあり、アーティストが映し出されるだけでなく、MCの翻訳もでますし、カラオケのように歌詞も表示されて、一緒に歌えるようになっています。

 

 

ステージには70名編成の東京フィルハーモニー交響楽団。
上手には、今回来日したギター2名、ベース、キーボード、ドラムの5人編成のバンド。
シンガー4名は男女2名ずつです。



まず、ミュージカル「WE WILL ROCK YOU」に使われている曲は以下の通り。

第一幕
「イニュエンドウ」"Innuendo"
「RADIO GA GA」"Radio Ga Ga"
「ブレイク・フリー」"I Want to Break Free"
「愛にすべてを」"Somebody to Love"
「キラー・クイーン」"Killer Queen"
「プレイ・ザ・ゲーム」"Play the Game"
「デス・オン・トゥー・レッグス」"Death On Two Legs" (インスト)
「アンダー・プレッシャー」"Under Pressure"
「カインド・オブ・マジック」"A Kind of Magic"
「アイ・ウォント・イット・オール」"I Want It All"
「ヘッドロング」"Headlong"
「ノー・ワン・バット・ユー」"No-One but You (Only the Good Die Young)"
「愛という名の欲望」"Crazy Little Thing Called Love"
「オウガ・バトル」"Ogre Battle" (インスト)

第二幕
「ワン・ヴィジョン」"One Vision"
「リヴ・フォーエヴァー」"Who Wants to Live Forever"
「フラッシュのテーマ」"Flash"
「輝ける7つの海」"Seven Seas of Rhye"
「ファット・ボトムド・ガールズ」"Fat Bottomed Girls"
「ドント・ストップ・ミー・ナウ」"Don't Stop Me Now"
「地獄へ道づれ」"Another One Bites the Dust"
「ハマー・トゥ・フォール」"Hammer to Fall"
「輝ける日々」"These Are the Days of Our Lives"
「バイシクル・レース」"Bicycle Race"
「ウィ・ウィル・ロック・ユー」"We Will Rock You"
「伝説のチャンピオン」"We Are the Champions"
「ボヘミアン・ラプソディ」"Bohemian Rhapsody"


もちろん曲順は違いますが、今回もほぼこれと同じセットリストで、多分「No-One but You」の代わりに「The Show Must Go On」が、日本特別バージョンとして「Headlong」の代わりに「I was Born to Love You」が歌われました。
やっぱり盛り上がりますねーーーー!

キムタクの顔が思い浮かびますけどね(笑)
普通にカッコイイ曲だし、ライブも盛り上がると思うんだけど、世界では通用しないのかなぁ。



さて、第1部のオーバーチュアは「Flash」から。

「Ogre Battle」「Love of My Life」などを含むメドレーで幕開けです。

オーケストラは生演奏で聴くからこそ、その音の広がりや奥行きなどが体感できるのですが、PAを通すと音像がべったりしてしまって立体感がまるでなくなっているのが残念。
しかもバンドとシンガーがプレイを始めると、オケの音はほとんど聴こえなくて、このあたりはPAの問題なのかバランスの問題なのか、ちょっと気になりましたね。仕方ないんですけどね。
どう頑張ってもアコースティック楽器は電気楽器にはかなわないですから。

 

1曲目の「Seven Seas of Rhye」、2曲目の「I Want to Break Free」あたりまでそんなことを感じていたんですが、3曲目にレイチェル・ウッディングさんが歌った「Play the Game」で、そんなモヤモヤは吹っ飛びました!
なんだかもうぶわーーー!っと涙が溢れてきて。
要するに、物凄くパワフルでめちゃくちゃ歌がうまかったんですが、クイーンだ、ロックだ、クラシックだ、といったものを全て越えて、完全に楽曲の素晴らしさにやられてしまったんです。
そこからは本当に心からコンサートを楽しみました。

この半年間、ずーーーっとスピーカーを通して聴いていたクイーンの楽曲が、目の前で演奏されていて、その音圧の中に身をゆだねる。

なんて贅沢なひととき。


オーケストラの重厚さを発揮する「Who Wants to Live Forever」

 

「The Show Must Go On」や「One Vision」でのバッキングを刻む弦

 

「Fat Bottomed Girls"」のイントロ アカペラコーラスを奏でる金管のアンサンブル
そういうオーケストラを活かしたアレンジも楽しい。

 

「Bicycle Race」では、ちゃんと4人とも異なる音色の自転車ベルを鳴らしてくれるんですよ。

 


第2部のオーバーチュアは「Death On Two Legs」から始まるメドレー。
そして1曲目が「Innuendo」です!!


観客は全体的に年齢層高めで、第1部はまだみんな大人しく少々もどかしかったのですが、第2部の後半、「Don't Stop Me Now」でシンガーが客席に降りて煽ってくれたので、ようやく総立ちに!
立ち上がって歌いまくったわー!

本編の最後はボヘミアン・ラプソディ。

途中のオペラティックパートも全部歌いますよ。

 

アンコールはなんと「手を取り合って」から。

もう!泣けて歌えなかったわー。
これだけヒット曲がたくさんあるクイーンのラインナップのうち、日本にゆかりのある曲が2曲もあるなんて素敵ですね。
そして「We Will Rock You」から「We Are the Champion」の流れはもう鉄板ね!!
まさに会場が一体となって大合唱でした。
ミュージカルの時もそうだっだよ。思い出した。


「We Will Rock You」ってさ、本当は「Stomp Stomp Clap」なんだけど、それだときっと地味なのね。
だから今回も「Clap Clap こぶし突き上げ!」のパターンでした。
この方が多分、一体感あるんだと思う。


東フィルはとても実力のあるオーケストラなんですが、今回はちょっと不完全燃焼だったかも。
やっぱりオーケストラ(クラシック)のテンポ感と、バンドのノリと合わないところがあったり、お互い譲り合って曲の始まり方が危うかったりしたところもあって。

多分ゲネプロ2回ぐらい?それで本番もたった3回ですもんね。

もったいなかった。
そういう意味で、クイーン4人の息の合った驚異のアンサンブルに、またひとしきり感動です。

もう1つ残念だったのは…オケだから絶対「銅鑼」は持ってるはず。
ボヘミアン・ラプソディの最後「ぐわわわわーーーーーん!」ぐらいの勢いで鳴らしてほしかったわー。
使ってたのかな?見えなかったし、聴こえなかった。
「銅鑼の大きさで知られた男 ロジャー」にリスペクトしてほしかったわー。



シンガーは4人ともミュージカルのメインキャストを務めていて、これらの曲は本当に歌いこんで自分のものにしていますし、超絶にパワフルで歌も上手いんです。
もちろん「自分流」にフェイクして歌いますから、「フレディの歌い方じゃないと違和感」という人もいると思いますが、こんな風に色々なアレンジをしても色々な歌い方をしても、楽曲の魅力が損なわれないどころか、また新たな魅力も発見できるのが本当に素晴らしいと思いました。
まさにこの先100年200年、ショパンやベートーヴェンのように生き残っていくクイーンの名曲たち。

 

アーティストの肉体は滅んでしまうけれど、本物の音楽はこうやってずっと受け継がれ、後の世の人々の心も癒し、励まし、人生の支えになってくれる。

素敵だと思いませんか?