マスカレード・ホテル | akaneの鑑賞記録

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現場に不可解な数字の羅列が残される殺人事件が3件発生する。

警視庁捜査一課の刑事・新田浩介(木村拓哉)は、数字が次の犯行場所を予告していることを突き止め、ホテル・コルテシア東京で4件目の殺人が起きると断定する。

だが、犯人の手掛かりが一向につかめないことから、新田が同ホテルの従業員を装って潜入捜査を行う。

優秀なフロントクラークの山岸尚美(長澤まさみ)の指導を受けながら、宿泊客の素性を暴こうとする新田。利用客の安全を第一に考える山岸は、新田に不満を募らせ......。


犯人にも、本人からすればやむにやまれぬ理由があるのだという、東野圭吾さんらしいストーリ。

まずまず及第点、といったところでしょうか。

「検察側の罪人」よりは、断然面白かったです。

 

ホテルに訪れる様々なお客様。

このポスターを見ていただければわかると思いますが

まぁ豪華キャスティングですね。
ほんの数分出演のキャストまで有名どころがわんさか。

セットも音楽も豪華。
舞台となるロイヤルパークホテル全面協力なので、ホテルの裏導線などもリアリティがあって良いです。
 

 

新田役のキムタクはいつも通り、と言われますが、まぁそのようなキャラなので…。
ただ「帰国子女」設定に説得力はありませんでした。
どうみてもそんなエリートには見えません。

どっちかっていうと叩き上げ。
この「帰国子女」設定はキーポイントなので外すわけには行かないんですけどね。
でも他に誰が?というとキャスティング難しいですよね。
これだけ有名俳優が一杯出てるので、単に「演技が巧い」だけでは群像劇として埋もれてしまうかも。
良くも悪くも、異質な何かを持っていないとね。

山岸役の長澤さんは、頑張ってる30代女子感出てました。
まだまだ上司にはかなわないけれど、後輩の指導は苦手だけれど
自分の信念を胸に刻み、一生懸命ホテルウーマンを全うしている女性。
山岸がホテルウーマンを目指すきっかけとなった総支配人役の石橋凌さんが、とっても素敵でした。



人を見抜く力があるという新田の目についた怪しい客は

・後日宿泊する夫のためにホテルの確認をしに来たという盲目の(振りをしている)老女。やたら山岸を呼びつけ、用事を頼む。
・禁煙室のはずなのにタバコの匂いがするとクレームをつけて、部屋のグレードアップを狙った男。
・結婚式を控えて式の打合せに通ってくる若い女性。しかしストーカーから嫌がらせを受けている様子。
・フロント受付が混み合い、急いでいるのにチェックアウトが出来ないとクレームをいう常連。
・以前も宿泊し、バスローブを盗んだらしいカップル客。
・男の写真をフロントに出し、ストーカーだから自分に近づけないようにと頼む女性。
・新田を目の敵にしてクレームを次々と突きつける男。


こういう一見怪しげな人たちが現われて、ちょっとしたいざこざを起こすものの、結局は良い話で収まって一件落着。
というのがず~~~っと繰り返されていきます。
その中で、最初は対立していた新田と山岸がお互いの仕事を、お互いの考え方を認め、信頼関係を深めていき、真犯人に向かっていきます。




まだ封切したばかりですし、ネタバレになってしまうのであまり書けないのですが

この事件のテーマは「逆恨み」

小日向さんがどうにもこうにも怪しいんですけど、結局良い人でした。

松たか子さんがとにかくすごい。

キムタクとお松さんだよーーー。
『HERO』シリーズの鈴木雅之監督だよーーーーー。
感慨深いよね。



事件が解決し、捜査にあたっていた警察の面々も退場。
新田と山岸もなんとなく惹かれ合っている雰囲気を残しつつ「じゃあ」と別れる。
「お気を付けて」と見送る山岸。
ホテルに一礼して立ち去っていく新田。

そこで終わってくれればカッコよかったのに、そのあと邪道なシーンがねぇ。
原作にもあるのかもしれないけど、蛇足。


犯人の部屋であると確信するのに、ある小道具が使われているのですが
それを最初から何度も何度もクローズアップするのもしつこい。
伏線ってレベルじゃないもん。
そういうところいかにも日本のテレビっぽい演出でいやだわ。

 

 

明石家さんまさんがどこに出演していたのかはわかりませんでした。