霊験亀山鉾  国立劇場 | akaneの鑑賞記録

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歌舞伎や演劇、映画、TVドラマなど鑑賞作品の覚書

 

仁左衛門様の色悪、素晴らしいですね。
もちろん水右衛門の極悪非道っぷりも良いのですが、八郎兵衛のゲスっぷりが素敵!
水右衛門の時は、地を這うような低い声で背筋が凍ります。
眉毛の動かし方とか白目の具合とか、そういう細かいところまで全く隙がない。
アニメの悪役か?ってぐらいの「ブワッハッハッハ」って笑い方とか。
いやもう、怖いっす。
八郎兵衛は甲高い声でチャラついてて女好きだけど、でも芯がすっごく冷たい男。
こっちも怖いわー。
でも嫌な奴にならないんですよね。
まさに色悪。魅力たっぷり。
仁左衛門さんが演じると、二役早変わりパフォーマンスというよりも
全く別の人間が二人いるような気がしてしまいます。

 

錦之助さん演じる源之丞はあちこちで女作っててひどいですねー。
しかも仇討ちもできず、あっさり殺されちゃっていいとこなしです。
芸者の雀右衛門さん、女房の孝太郎さん、女将の吉弥さん、お姑さんの秀太郎さん、女性陣は適材適所でみなさんハマってました。


ただ芝居としては、ちょっとインパクトに欠けるかな。
あくまでも仁左衛門様を堪能するって感じ。
色々とネタを盛り込んでいるんですけど、よくあるストーリー展開で、おーーー!と思うようなところはなかったです。
いろんな演目の面白いところを持ってきて繋ぎ合わせたような。
なんか1つ1つのシーンの会話部分が長いんですよねー。
それで間延びしちゃうというか、古いお芝居って思っちゃうんですよ。
途中ちょっとぐらい寝てても大丈夫みたいな。
やっぱり人気の演目というのは、完成度というか集中力が違うんだな~と思いました。

ただ、これだけはゆるぎない。


又五郎さんの奴は宝!