立川談春 新春独演会 | akaneの鑑賞記録

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朝から歌舞伎を見て、阿古屋をみて、ラストは落語。
結構ハードスケジュールな休日です。
「クラブeX品川」は、普段ライブなどをやるスペースなので、
落語を聞くには少々落ち着かない雰囲気でしたが、やっぱり面白かった!!
朝から三連チャンでしたけど、全然眠くもならず(笑)

まずは新人のちはるさんが小噺。
次にこはるさんが「初音の鼓」を。去年の独演会でも前座を務めていました。
女の子の弟子しかいないのかしら?座布団替えに出てきたのは男子でしたけど。
ちはるさんに比べれば、10年修行しているこはるさんは、
ちゃんと落語にはなっていましたが
どうしても女性の声だと違和感が…。
偏見を持ってはいけないと思うんだけど、
歌舞伎も文楽も語りというか声はみんな男性だし
落語家もほとんどおじさんだからね~。
江戸っ子のお話はやっぱり男の声で聴きたいかな~。

ようやく談春さん登場。
いつものフリートークは結構ブラック。
性格悪そう(笑)な感じを出しつつ、でも根は優しい人なんでしょうね。
途中で気分が悪くなったお客様の退出などありざわつきましたが
「長短」の話を一席。
気の長い長さんと、気短な短七。
性格が正反対だが、なぜか気が合う。幼馴染の二人。
休憩を挟んで、いよいよ後半は「居残り佐平治」
お金もないのに、素人さんと一緒に廓に乗り込んで翌朝になっても
のらりくらりと一向に支払いせず(当然お金は持ってませんから)、
とうとう廓に居座ってしまいます。
ただ佐平治はともかく口がうまくて気働きもできるで、
すっかり廓の人気者になってしまい、小銭も稼ぎ始めます。
これではやってられない!と男衆が主人に佐平治を追い出すように進言、
主人もそのように告げるのですが、佐平治は「自分は追われているも身の上だから」と
路銀をせびり、主人の誂えた着物までもらって出ていく始末。
しかも彼は常習犯で、もう吉原では面が割れてしまってできなくなったので、
品川の廓にやってきたというオチ。


この話をなんと2時間!!
たった1人で、セットも衣装もなく、ただ座って話すだけですよ!
なのに全然中だるみもなく、ず~~~っと惹きつけられてワクワクしちゃうんです。
凄すぎ。
最後には、この話の背景、廓の風習や、
元々のオチだと今は分かりにくいので変えているとか
そういう説明もしてくれて、より一層親しみが沸きます。

落語ってすごいですよね。
世界中探してもこんな話芸はないと思う。
一人芝居とも全然違うし。
話を聴いているだけなのに、ぶわ~っと江戸の日常が目の前に広がって、
人物が生き生きと動き始めるのですから。