ミュージカル「キャバレー」 | akaneの鑑賞記録

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長澤まさみちゃんは、本当にスタイルが良くて脚が綺麗で惚れ惚れしますね。
いつもの劇場より、若い男性客が多いのも不思議な感じです。
背丈もあって舞台映えするし、ダンスも綺麗。なんといっても華があります!
歌もなかなか頑張ってた。声量もあるからクラシックの発声法を勉強して
ビブラートが上手く使えるようになったら
ミュージカル俳優としてしっかり活躍できそうです。
小池徹平くんクリフとの若いカップルはともかく可愛い(笑)
「ドラゴン桜」の二人が、10年後にミュージカルで共演するとはねぇ……感慨深い。
ただちょっと健康的すぎる感じもしました。
キャバレーといえば、ライザ・ミネリが浮かんでしまうのですが、
良い子なんだけどちょっと頭が弱くて、やることなすこと空回りして人生をうまく生きられない、その不器用さにもあまり気付いていない、そういう可哀そうな感じではなかった。
どちらかというと真田丸のきりちゃん。元気なウザキャラ系です。
最後「Life is a CABARET」を歌う時も明るい未来に向かって
1人でしっかり歩いていけそうだったから。

徹平くんは、今回ソロが1曲だったのは残念。もっと歌声聞きたかった。
ボンボン育ちで、ちょっと空気読めない若者のキャラが良く出ていました。
キャバレーでタバコ吸っているのはあんまり似合わなかったです(笑)
シュナイダー役の秋山菜津子さんは素晴らしかった!
「朧の森」のツナを思い出しました。
コミカルなシーンも葛藤し苦悩するシーンも、歌も全部、さすがの存在感。
シュルツさんとの大人の事情に阻まれた苦い恋の顛末が悲しいです。
MCの石丸幹二さんはもう本当に素敵。
ミュージカルという架空の世界にきちんと生きていて安定感ハンパないし完璧です。
本当に存在するのかしないのかわからない、不気味で滑稽なMCそのものでした。
歌はもちろん、サックスを吹くシーンもカッコよかった~!
でもメイクは好きじゃなかったな~
「バットマン」の3代目ジョーカー役/ヒース・レジャーみたいな、汚い白塗りだったから。
ハンサムすぎるから汚したくなるのはわかるんだけど、もう思いっきり二枚目な感じでクールに綺麗にキメて、その風貌で下世話な歌を下品に歌ってくれる方がカッコイイじゃないですか。

むか~し、海外で観たのか来日版で観たのか、もうその記憶すら曖昧なのですが、外国人キャストでの舞台を見たような気がするんです。。。
ハーケンクロイツの旗がバンって落ちてきてMCのシルクハットを潰したり
最後にMCがコートを脱ぐと、ユダヤ人強制収容所の制服だったり
なんだかとても後味の悪い内容だった記憶が。
「Money」や「Willkommen」「Cabaret」など、有名なナンバーはどれも洒落ていて楽しげで、華やかなミュージカルだと思っていたのですが、映画を見た時もなんとなく重苦しくビターな印象でした。
この作品が作られた時代、映画が撮影された時代は、まだまだ戦後のきな臭さは残っていたでしょうし、戦前のベルリンの退廃的エロティシズムやナチスの背景を日本人が演じるのはやはり無理があります。
漠然とした「差別への警鐘」は残しつつ、松尾スズキさんらしい演出だったということでしょうか。
それにしても、世界は今、なかなか不穏な状況になりつつあるのに、日本のマスコミはこのミュージカルに対して「長澤まさみがエロい」の切り口でしか取り上げなかったのは大変残念だと思います。