團菊祭五月大歌舞伎 夜の部 | akaneの鑑賞記録

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さて続いて夜の部。





●勢獅子音羽花籠

色々な踊りがあって、華やかでいかにもお目出度い!
芸者衆も綺麗どころが一杯だよ。
新 雀右衛門さんが、お顔周りもスッキリしていて凛としたお姿。
襲名するとやっぱり変わるんだね。
松也君と巳之助君の獅子舞が、なかなか見ごたえありました。
菊之助さんの息子、寺嶋和史君の初お目見え。
初日に転んでしまったことが、まだちょっとトラウマなのかな。
抱っこされて花道登場。
なんとなく客席を見まわしたりしていましたが
舞台に到着すると、手で目を覆ってしまいました。
扇子をポイッと投げてしまって、それを吉右衛門さんがそっと直す。
ずっとパパにしがみついていましたけれど、なんとか座って
お辞儀っぽいこともできました。
バイバイのお手振りは大分慣れてきた感じ。
でもこの初お目見えシーンって、これからも何度も映像を流されて
一生付きまとうんでしょうね。
こんな2歳児の時から大変だ…。


●三人吉三巴白浪

これはどうしても「お嬢吉三」が一番美味しい役回りですが。
菊之助さん、女と男の切り替えも鮮やか!
声も朗々としていて気持ちいい。
弁天小僧とかこういう両性具有みたいな役は、ハマりますね。
海老蔵さん、セリフのテンポがどうにも変。
後ろで弾いてる三味線の人も困ってる感じがする。
これって七五調の歌うようなセリフだよね??
全然リズムなかったよ。
こういうのが「糸に乗れていない」っていうの?
あと、お化粧ですけど、ノーズライン入れすぎだと思う。
もともとホリが深くて美形なんだから、さらに鼻筋に白いラインが濃く入っていると
顔が立体的になりすぎて怖い。
松緑さん、圧倒的に貫録が足りない。
海老蔵、菊之助を一瞬で子分にする兄貴感ないなぁ。
お正月に見た浅草の花形メンバーよりはマシだったけど
やっぱりこの三人は、相性悪いと思う。なんか居心地悪い。
もっと陶酔するようなセリフの応酬を聴きたかった。


●時今也桔梗旗揚

地味で虐げられる光秀役は、松緑さんピッタリかも。
今回の演目のなかで、一番合ってたと思う。
次々に繰り出される春永のイジメに、耐えて耐えて耐えて。
途中、ひろ~~いお座敷に一人っきりポツンと座っているたたずまいが
情けなくて悔しくていいですね。
妹役の梅枝さんも、本当に優しくて兄思いの妹。せつないです。
最後の最後にブチ切れて、切腹とみせかけ~の謀反!のところはもう一息かな。
春永役の団蔵さん、お髭も立派で、ちょっとうりざね顔なのが、信長を彷彿とさせるんですけど、なんとなく髪結新三の意地悪な大家さんを思い出しちゃって。


●男女道成寺

様々な踊り、衣装引き抜きの鮮やかさ、三味線のカッコいいソロ
所化たちのやりとりなど、構成が面白くて外国の方にも受けそう。
海老蔵さんの女形、男っぽい顔つきだからごつくなるのかと思いましたが
菊之助さんと二人並んで本当に綺麗で眼福。
鈴太鼓の踊りになったとき、二人でパッと手を振り下ろした瞬間に
着物がクリーム色から白地に変わったのがイリュージョン!!
踊りは菊之助さんの方が一日の長があるかな。
馥郁とした色気があって華やかで、余裕が感じられました。
海老蔵さんは「ソロ」の人なんだな~って思った。
あんまり人と絡んで面白くなる人じゃないんだね。
良く言えば成田屋荒事にふさわしい後継者なんでしょうか。