データ偽装の虚実 | 「国家戦略特区」blog

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ポスト・グローバリズムの社会を考察。日本を貧しくする移民=外国人労働者受入れ政策に警鐘を鳴らしています。

「今年話題になった大きな事件に杭データ偽装事件がありました。議論が本質的な部分からズレて行くのが気になりますが一体ナニが問題か考えます」


経世済民・建築論『杭データ偽装事件の闇』

そう言えば耐震データ偽装の人は頭を偽装していましたね。とのお方は発信力強化の為に以下のリンクをクリックにて、ご支援お願い申し上げます。


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今年、大きく話題になった杭データ偽装事件ですが、非常に大きな問題提起をひとつ、実は、事の発端となった横浜のマンション、渡り廊下が一部ズレていたのは事実ですが、肝心のマンションが傾いているかどうか?全く報告が上がっていません。もしかしたら、マンションが傾いていない可能性もあるのです。

本来は正確に測量して傾きを計測すべきですが、その前に騒ぎが大きくなってそれどころでは、無くなったのでしょう。問題が別のところに飛んでしまっています。また偽装に関わった担当者の多くが、下請けからの出向社員だったという点も気になります。

実は、私がこの事件の第一報を聞いて最初に思ったのは何時頃の施工か?という点でした。マンションが2007年に竣工したと聞いて「さもありなん」と思いました。丁度リーマンショック前の「実感無き経済成長」の頃です。

耐震強度偽装事件が発覚したのが2005年で、クライアントの減額要求に構造設計士が耐震データの偽装で応えのが事件の概要でした。それに対して、施工現場で減額要求に対して応えたのが、今回の事件だと私は見ています。勿論、事件の全容解明はこれからなのですが、事件の構図は間違っていないでしょう。

97年に消費税が5%に増税され緊縮財政によってデフレに突入した日本経済ですが、この荒波の直撃を受けたのが建設業界でした。技術革新など生産性の向上によって価格破壊が起きるのなら良いのですが、実際はダンピングによるコストダウンが続きました。結果、偽装による手抜き工事へと繋がります。

今回の事件も安く工事を請け負い、極限まで経費を圧縮する必要性が現場に課せられ、真面目な人間は、過労死か自殺するまで働き、心に隙のある人物はデータの偽造に手を染めるという事です。担当者の責任も大きいと思いますが、このような社会的な背景を考えるべきです。

でも当時はリーマンショック前のプチバブルなどの言葉が囁かされた時期ですから、今よりも、まだ良かった時代の話です。今では企業には無理に仕事を受ける体力も残っていません・・・

考えてみれば、事件の発生した当時は第一次安倍政権の前後の時期です。構造改革に頼りデフレを脱却出来なかった日本経済ですが、安倍総理はその反省に基づいて政権に返り咲いたのでは無かったのでしょうか?

まあ、当時も「再チャレンジ」や「戦後レジームからの脱却」などという耳触りの良いキャッチフレーズが踊る割りには、安倍晋三氏は小泉構造改革路線を過激に進めていました。その裏側では、このような事件が、起こるべくして起きたのです。

このようなデフレの負の連鎖を断ち切れるのは、公的部門である政府の積極財政の他はありません。今の安倍政権には全く期待は出来ませんが、世間から無視されていたリフレ理論や、何より政治家として終っていた安倍氏自らが突如、檜舞台に立ったのです。そのように考えれば可能性は無くは無いと思います。

解決策は極めてシンプルです。「公共投資増+消費税減税+規制強化」という、ポスト・グローバリズムの政策パッケージの旗を立て続ける事の重要性を改めて強く感じています。

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