中国研究家の青木直人さんがTwitterにこう書いています。

「なぜ国民が安保法制に危惧を感じるのか。それは尖閣防衛、朝鮮有事までは十分に!(ここが大事)理解できても、中東にまで自衛隊が本格的にかかわるとなると、「聞いてないよ」となるからなのです。国民はそんな心の準備はありません。その危惧には根拠がある。それが対米追従のイラク戦争支持だった。」

私もこの青木さんの意見に賛成です。日本の親米保守派はどうもイラク戦争の問題を過小評価しているように思えてなりません。

例えば、最近『朝まで生テレビ』などでたまたま見かける三浦瑠麗さんという若手の国際政治学者がいます。彼女がブログで次のような文章を書いています。

「同盟を考える上で重要なのは、冷戦後、特にイラク戦争後の世界は、米国が「帝国」的な存在から、多極的な世界における大国へと変化していく時代にあるということです。この変化は、過去の帝国の権力移行と異なり、米国が民主主義国であるという点が際立っています。米国民の意思によってこの変化が加速する可能性が高いということです。世界の警察の座を下りた米国民は、同盟国にもギブ・アンド・テイクを求めるでしょう。民主主義国の国民感情として当然の動きであろうと思います。」

本当に彼女の言うようにアメリカは「帝国」的な存在から変わったのでしょうか。

確かにアメリカの民意はアメリカのこれ以上の戦争を求めてはいません。

しかしながら、そのアメリカの民意が議会の勢力図を変えたり、メディアの意見を変えるところまでは来ていないように私には思われるのです。

ブッシュJr大統領時代に国連大使だったジョン・ボルトン氏などもつい最近「イランを爆撃しろ」と書いていました。

アメリカが本当にイラク戦争に対して反省しているなら、イラク戦争に責任がある人に対してそう簡単に発言の場を与えることはしないでしょう。

というわけで、三浦瑠麗さんがアメリカが変わったというのはやや早計な結論ではないでしょうか。

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Stratforという民間の情報機関を経営しているジョージ・フリードマンが東アジアの情勢について書いています。
http://www.realclearworld.com/articles/2015/06/17/a_net_assessment_of_east_asia_111267.html

この中で特に重要な部分を訳してみました。

「アメリカは日本に対して資源のアクセスを保障している。しかし東京はアメリカのロシアや中東に対する態度が日本にとって潜在的に危険なものだと考えている。ホルムズ海峡を封鎖することになる戦争は日本に対する石油の供給を切断してしまう。ワシントンにとって(イランとの戦争は)そんなにリスクが高くないかもしれないが、日本にとってそれは潜在的に悲惨なものになる可能性がある。東京の恐れは、アメリカが日本に反対して行動することではなく、日本が必要な資源を獲得するルートを持つ国を日本の意向を無視して勝手に攻撃することなのである。」

『習近平の中国』という本を書いた宮本大使は、この本の中で「相手の立場にたって考える」ことの重要性を説いていました。

フリードマンのこの文章も日本の立場についてよく考えていると思われ、私が現在懸念していることを十分に説明しています。

日本にとって現在最も危険なことは、中国や北朝鮮の問題ではなくアメリカがイラクの時と同じようにイランに対して戦争を仕掛けることなのです。

実際のところフリードマンが書いたことが現実になったらどうなるでしょうか。

この場合、日本は石油のルートを確保するために参戦するしかないと思われます。

アメリカの戦争に引きずられる日本、というわけです。

今できることは、フリードマンが書いた通りにならないことを祈るだけです。
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先日安部総理がアメリカの上下両院合同会議演説をしました。

正直に言って私はこのようなことが可能になることは想像していませんでした。というのも、やはり上下両院合同会議では日本が真珠湾攻撃を行なった後にフランクリン・ルーズベルトが演説をしたところであり、歴代の日本の首相がこれまで誰もそこで演説をすることができなかったからです。

どうして安部総理にそのことが可能になったか疑問に思っていました。

この疑問を解いてくれたのが青山繁晴さんでした。彼は『ザ・ヴォイス』というラジオ番組で、安部総理がイスラエルに行った時に偶然アメリカからジョン・マケイン上院議員らの代表団も来ており、その時に安部総理がマケイン議員に頼んだというのです。

外務省のホームページで確認をとってみるとそのような事実は確かにあったようです。

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(7)マケイン米上院議員他による表敬

(ア)1月19日午後,安倍総理大臣は,同地訪問中のジョン・マケイン上院議員(軍事委員長)をはじめとする米連邦上院議員7名(コーカー議員(外交委員長),グラハム議員,バラッソ議員,ドネリー議員,ケイン議員及びキング議員他)による表敬を受けた。

(イ)安倍総理から,日米関係への貢献に謝意を述べるとともに,戦火を交えた日米両国が戦後和解して強固な同盟国となったこと,今後も両国で連携して地域と世界の平和と繁栄に貢献してきたこと,今後も両国で連携して貢献していきたい旨述べた。両者は,アジア太平洋地域における日米同盟の重要性につき認識を共有した。

(ウ)安倍総理は,日米間で幅広い分野での安保・防衛協力を進めていきたい旨述べた。マケイン委員長からは,日米間で安保・防衛協力や米軍再編の取組を進めることの重要性につき賛意が示された。

(エ)この他,両者は,アジア太平洋の安全保障情勢,中東情勢,TPP,エネルギー協力についても意見交換を行い,日米同盟の枠組みで両国の協力を強化していくことを確認しました。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/me_a/me1/il/page4_000911.html

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やはりここで注目すべきは、マケイン上院議員の力でしょう。安部総理がアメリカの議会で演説するためには「歴史認識」の問題もあったでしょうし、韓国や中国の妨害があったことも簡単に推測できます。

そのマケイン議員のインタビューがあったので、彼がどのようなことを発言しているかを確認しておきます。

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マケイン委員長は続いて「韓日両国の努力を求めたい」とし「米国も両国の和解を側面から支援しなければならない」と付け加えた。

彼はまた、「軍事委員長として言いたいのは、自らの主張を高める中国、そして北朝鮮に直面するためには、米国の同盟国である韓日が、過去を決着させて協力しなければならないということだ」と強調した。

マケイン委員長はまた、安倍晋三日本首相を「突出した指導者」と称し、安倍首相が先月29日(現地時間)に行った米国連邦議会上下院合同会議の演説について「歴史的だった」と評価した。
http://oboega-01.blog.jp/archives/1026128056.html
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この部分は東アジアの安全保障の問題ですので、私にとっても納得できます。問題は次の部分です。

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彼は1日に報道した共同通信とのインタビューでは、自衛隊が国際安全保障問題に関する活動を拡大することにについて、期待感を表明した。

マケイン委員長は「世界経済はホルムズ海峡(から輸送される原油)に依存している。日本が他国と協力し、国際的な輸送経路を確保するのは、安全な航海につながる」と自衛隊の機雷除去作戦参加構想を支持した。
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実は、ジョン・マケイン議員はバリバリの「イラン爆撃派」なのです。その彼がホルムズ海峡で自衛隊の活躍を期待しているのは私にとって不気味な感じがします。

オバマ大統領はイランの問題に対して話し合いの路線に切り替えましたが、後にアメリカ議会からの協力を得ようとした時に、マケイン上院議員などを説得できるのでしょうか。

マケイン議員が安部総理の演説を可能にする手腕を見るにつけ、オバマ大統領のリーダーシップに疑問が湧いてきます。
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