今ちょうど、クルーグマン教授の最新刊『今、恐慌を終わらせよ』という本を読んでいる途中です。(読み終わったら別の感想を書きたいと思います。)

この本の中で、クルーグマン教授がイギリスのキャメロン政権を批判している部分があります。

キャメロン政権は、ヨーロッパ危機の最中、なぜか消費税を引き上げたり、公務員を削減する緊縮財政をとったのでした。

なぜ、そのようなことをしたのかといえば、増え続ける財政赤字を減らせば、経済に「信頼感」を与え、経済も成長すると考えたようです。

日本にも、増税したら景気が良くなると主張する経済学者は存在します。

さて、緊縮財政をとったイギリスの経済はどうなったでしょうか。

『ガーディアン』誌には「国家統計局によれば、2012年の第一四半期はマイナス0.3%の成長だった」と書かれています。

クルーグマン教授は、キャメロン政権のやり方は、1929年の大恐慌の時よりもひどいと書いています。

日本は橋本政権の時にイギリスと同じような経験をしています。さらに今回のイギリスの例を見ても野田政権は消費税を上げるのでしょうか。
この前、クルーグマン教授とマーティン・ウルフの会話を取り上げました。その中でバブル崩壊後の日本の経済政策が実はそんなに悪くなかったのではないかと指摘していました。

教授のブログの最新記事には、その証拠が示されています。



勢力均衡

15歳から64歳までの男性の雇用状況を示しています。

なぜ15歳から64歳までの男性かといえば、日本ではアメリカよりも女性の雇用が遅れているし、高齢化していることも理由に挙げていました。



つい先日、奇妙な事件が起こりました。中国の漁船が北朝鮮に拉致された挙句に、身代金を要求されたというのです。

この問題で、アジア・タイムズという英字紙が面白いことを指摘しています。

「もっともありそうなシナリオは、北朝鮮の新指導部が中国の漁師を誘拐したというものである。北朝鮮の新指導部は、中国が北朝鮮のロケット発射や核実験の準備を批判したことに腹を立て、報復に出たと思われる。」

皆さんもご存知のように、北朝鮮は中国からの食料や石油の援助が無ければやっていけない国です。それなのに中国の批判に対して、このようなえげつないことをするのです。中国からの援助は当然と考えて決して感謝はしません。(韓国の日本に対する態度に似ていなくもない。)

中国にしても、いくら北朝鮮がアメリカとの緩衝地帯になるからといって、このような変な国を支えなければならないということは、あまりにコストがかかりすぎだとは考えないのだろうか。

そう思っていたところ、『朝鮮日報』に面白い記事が出ていました。

「延辺大学の金強一教授は最近発表した論文で『北朝鮮の急変といった危険要素がなくなり、中国東北地域の発展が促進されるという点で、韓半島統一は理想的』と主張した。『北朝鮮を米中の勢力間の緩衝地帯と捉えるのが中国にとって有利』とされてきた伝統的な見方を覆したわけだ。中国高官のブレーンとして知られる清華大学の楚樹竜教授や北京大学の朱鋒教授も、同じような見解を示している。」

現在の北朝鮮を支えるのは、あまりにコストが高くつくから、もう統一でいいじゃないかというわけです。

私も、このような考え方に同意しますが、現在の中国共産党の元では難しいでしょう。

おそらく、このような政策がとられるのは、中国でゴルバチョフのような人が登場するか、共産党が無くなってからだと私は思います。