つい先日、奇妙な事件が起こりました。中国の漁船が北朝鮮に拉致された挙句に、身代金を要求されたというのです。
この問題で、アジア・タイムズという英字紙が面白いことを指摘しています。
「もっともありそうなシナリオは、北朝鮮の新指導部が中国の漁師を誘拐したというものである。北朝鮮の新指導部は、中国が北朝鮮のロケット発射や核実験の準備を批判したことに腹を立て、報復に出たと思われる。」
皆さんもご存知のように、北朝鮮は中国からの食料や石油の援助が無ければやっていけない国です。それなのに中国の批判に対して、このようなえげつないことをするのです。中国からの援助は当然と考えて決して感謝はしません。(韓国の日本に対する態度に似ていなくもない。)
中国にしても、いくら北朝鮮がアメリカとの緩衝地帯になるからといって、このような変な国を支えなければならないということは、あまりにコストがかかりすぎだとは考えないのだろうか。
そう思っていたところ、『朝鮮日報』に面白い記事が出ていました。
「延辺大学の金強一教授は最近発表した論文で『北朝鮮の急変といった危険要素がなくなり、中国東北地域の発展が促進されるという点で、韓半島統一は理想的』と主張した。『北朝鮮を米中の勢力間の緩衝地帯と捉えるのが中国にとって有利』とされてきた伝統的な見方を覆したわけだ。中国高官のブレーンとして知られる清華大学の楚樹竜教授や北京大学の朱鋒教授も、同じような見解を示している。」
現在の北朝鮮を支えるのは、あまりにコストが高くつくから、もう統一でいいじゃないかというわけです。
私も、このような考え方に同意しますが、現在の中国共産党の元では難しいでしょう。
おそらく、このような政策がとられるのは、中国でゴルバチョフのような人が登場するか、共産党が無くなってからだと私は思います。