中小M&Aの過大な仲介手数料の抑止ため経済産業省が指針改定へ! | 体脂肪率4.4%の公認会計士 國村 年のブログ

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香川県高松市で会計事務所(税理士・会計士)をやっている公認会計士・税理士です。●棚卸●事業承継●M&A・組織再編●贈与・相続のコンサルティングをしています。会計・税務に関することなら、お気軽にお問い合わせください。

日本経済新聞によると、中小企業は経営者の高齢化や人手不足などで円滑な事業承継が課題になっています。

経済産業省は中小企業のM&A(合併・買収)に関わる仲介事業者に手数料の開示を求めるよう指針を改定します。

算定基準をガラス張りにして、サービスに比べて過度な手数料を請求されるといったトラブルを抑止します。

中小が安心して仲介事業者を利用できる環境を整え、事業承継や有力企業への事業集約を後押しします。

今秋をメドに「中小M&Aガイドライン」を改定し、2025年4月ごろから手数料の開示を始めます。

経済産業省が有識者会議で指針の改定に向けた議論を始めました。

中小企業のM&Aでは売り手や買い手の企業が、仲介事業者やアドバイザーに手数料を支払います。

指針では仲介事業者らに対し、手数料が売却金額のどの程度の割合となるかや手数料の最低水準を示すことを求める方針です。

各社の手数料を比較できるようにし、過度に高額な手数料を設定できないようにする狙いです。

東京商工会議所が中小企業を対象に2023年夏に実施した調査では、M&Aを検討しない理由として12.9%の企業が「手数料が割高だ」と答えました。

売り手側に最適な取引先を紹介しないまま、特定の買い手側企業から追加で手数料を徴収して優先的にマッチングさせる例もあるそうです。

現行の指針では手数料の水準を事例と一緒に紹介したり、仲介事業者の最低手数料の水準の分布を示したりすることにとどまっていました。

手数料は計算式や支払う時期などの料金体系が会社によって異なり、中小企業などからは「分かりにくい」といった声があがっていました。

経済産業省は、指針の内容を順守する仲介会社を「M&A支援機関」として登録する制度を設けています。

指針の改定後は、手数料を開示しない仲介会社は登録の取り消し対象となり、中小M&Aに関する政府の補助金の支給要件から外れます。

登録制度を通じて指針の実効性を高めます。

同制度には現在、仲介事業者や公認会計士事務所など3,089社が登録しており、2021年の2,278件から増加傾向にあります。

国が設置する「事業承継・引継ぎ支援センター」には2022年度に2万2,361人から相談が寄せられ、1,681件のM&Aが成約しました。

経営者の高齢化などを背景に、いずれも過去最高でした。

利益相反にあたる行為の禁止も検討します。

リピーター企業を優先的に成約させる行為などが対象になり得ます。

現行の指針にある「両当事者間において利益相反のおそれがあるものと想定される事項」を具体的に明示します。

すでに買い手がいるかのように装う虚偽の勧誘など、過剰な営業や広告も禁止する方針です。

不適切な事業者の排除も焦点となります。

債務超過で経営が困難な企業が売り手側になる場合などでは買い手側に信用調査の実施を求めます。

経営者自身が会社や事業の連帯保証人になっている場合に、事業売却後にその連帯保証の扱いをどうするかも当事者間で話し合うよう促します。

 

個人的には、僕自身も、会計事務所も株式会社も経済産業省の「M&A支援機関」になっていますので、一部の悪質な人のために迷惑だなぁと思う一方、悪質な人を排除するためには必要だろうなぁとも思います。

M&Aは報酬が高いとよく言われますが、お相手探し、株価算定、財務調査、契約、手続、交渉など、結構な時間を要するのも事実です。

結果だけでなく、プロセスにかなりの時間、コスト、ノウハウなどを使います。

この記事だと、特定の買い手側企業に持ちかけるのが悪いようにも読めますが、M&Aを何回も経験しているストロングバイヤーに話しを持っていく方が、途中でブレークしにくく、スムーズに進む面もあり、必ずしも悪いことではないように感じます。

自社で簡単にできるのであれば自社でやればよいわけですから、経済産業省ももっと実態を把握した方が良いと思いますし、一方、悪質な人を排除する方法をよく考えていただければいいなぁと思います。

 

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