松本城 その五 | にっくんのブログ

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辰巳櫓・月見櫓


 大天守の辰巳(南東)に位置する辰巳櫓、月見櫓は寛永年間に増築されました。
 徳川家康の次男で越前松平家の祖となる結城秀康の三男直政は寛永10年(1633年)から15年(1638年)まで松本城主でした。この間、三代将軍家光が寛永11年の上洛の帰路、中仙道を通り善光寺に参詣する予定でした。途中松本城に宿泊することになります。直政は家光を迎えるために辰巳櫓、月見櫓を増築しました。
 しかし中仙道(木曽路)は険しく落石の心配があるので、中止となり、家光は東海道で帰ることになり、松本城を訪れることはありませんでした。
 辰巳櫓は松本城の南東を守る二層の櫓で、花頭窓などの装飾性はありますが、矢狭間、鉄砲狭間を備えた軍事的な施設ですが、辰巳櫓の東に増築した月見櫓は初層に壁を設けず舞良戸が填められ、その周囲には朱塗りの回縁(まわりえん)が廻らされた遊興的な施設です。




辰巳櫓月見櫓

辰巳櫓・月見櫓


 月見櫓は工事中のため、残念ながらシートで覆われていました。





月見櫓

月見櫓


 パンフレットから割愛した月見櫓の写真です。回り縁を廻らせた開放的な建築物で、遊興的なもので、実戦的なな松本城天守の防御を著しく低下させています。 これは実戦的に建てられた松本城天守の防御を著しく低下させるもので、徳川幕府が安定期を迎えた時代だから設けられた施設なのでしょう。




辰巳櫓天井

辰巳櫓天井


 辰巳櫓は二層の櫓で、南北約三間、東西約二間半の広さでした。寛永年間の建築物で、釿で荒削りされた大天守の柱や梁と違い、部材は鉋で仕上げられています。





花頭窓内側

花頭窓


 辰巳櫓二重目には、仏教建築物に見られる花頭窓が用いられています。内側には戸板があり、雨水が外に流れるように工夫されています。




辰巳櫓花頭窓

外側から見た花頭窓





火薬入れ

火縄銃道具 玉箱


 辰巳櫓二重目は大天守二重目と繋がっており、松本城鉄砲蔵として火縄銃の道具が展示されています。




火縄銃道具1

火縄銃道具 火縄、火薬入れ




火縄銃道具2

火縄銃道具 変わり玉





月見櫓内部

月見櫓内部


 奥行き約6.9メートル、幅約5メートルあり、舞良戸が填められ、外側には朱色の回縁が廻らされていて、開放的で優雅な建築物です。




月見櫓天井

月見櫓天井


 天井は船底型の天井となっています。





月見櫓出入り口

月見櫓出入り口