東茶屋街
金沢には金沢城の北東、浅野川を渡ったところに東茶屋街。その手前の橋場町に主計町(かずえまち)茶屋街。金沢城の南西、犀川を渡ったところに西茶屋街の三つの茶屋街があります。お茶屋は芸妓、芸者を上げて楽しむところで、旦那衆の夜の接待、社交の場として発展しました。
金沢の茶屋街は文政3年(1820年)、12代藩主前田斉広の時代に藩の公認で置かれました。
東茶屋街
金沢で最も大きな茶屋街が、卯辰山の西に広がる東茶屋街で、茶屋街が形成された文政年間から明治期までに建てられた伝統的な建築物が建ち並び、2001年に重要伝統的建築物保存地区に指定され、兼六園とともに金沢観光の中心となっています。指定地区の広さは東西180メートル、南北130メートル、広さ1.4ヘクターるあります。石畳の道の両脇に二階建ての風情のある建物が立ち並んでいます。
京都の祇園と並ぶ伝統的な花街で、兼六園とともに金沢の観光名所となっています。
一階は格子が填められ、二階に座敷があり軒の高い建物に統一されているのが特徴です。
一見さんお断りと、敷居の高い昔ながらのお茶屋の他に、誰でも入れるカフェや小物屋お土産屋などが並んでいます。
何かの撮影で芸者さんがいました。
木虫籠
通りに面して木虫籠(きむすこ)と呼ばれる、目の細かい格子が填められ、外からの視線を遮っています。
入り口
それぞれの建てものは、通りから少し入ったところに入り口があります。小ぶりの灯籠と犬のいたずらを防ぐ犬矢来が特徴です。
西茶屋街
金沢城の西、犀川を渡った野町に西茶屋街があります。東茶屋街と同じ、文政3年に置かれました。東茶屋街に比べ規模が小さく、保存が遅れたために、昔の町並みを装った感じが否めません。
金沢市西茶屋資料館 座敷
石川県出身の作家、島田清次郎が少年期を過ごした吉米楼に当時の茶屋を再現して建ってます。
島田清次郎は「地上」で知られる作家で、明治32年(1899年)石川県美川町で生まれますが、幼いときに廻船業を営んでいた父親を海難事故で亡くし、母・みつの実家で生活します。母の実家は遊郭を営んでおり、多感な少年時代にそこで見た、貧しさが故に売られ、客を取らされる女たちが、のちに執筆される作品に反映されました。
西茶屋資料館の一階は島田清次郎に関する資料が展示され、二階は茶屋時代の弁柄壁の座敷や再建が展示されています。
茶室
四畳半の広さの茶室です。
落雁店
西茶屋町の入り口脇にあり、落雁諸江屋西茶屋寮といいます。落雁諸江屋は、西茶屋街の東約300メートルのところにある、忍者寺で知られる妙立時横に本店があり、創業が嘉永2年(1849年)の老舗です。