専修寺門前
専修寺
専修寺は真宗高田派の本山になります。高田派は栃木県真岡市高田に専修寺の本寺がありますが、1469 - 1487年に真慧(しんね)が畿内、北陸、東海地方での布教を目的に、伊勢の国一身田に専修寺を建立、真岡市の本寺が戦国時代の戦火で荒廃したため、一身田の専修寺に歴代上人が居住し、こちらの方が本山となって行きました。
真宗高田派は浄土真宗10派の一つで、浄土真宗本願寺派(西本願寺)、真宗大谷派(東本願寺)に次ぐ勢力になりますが、その所属寺院は約640寺院と、浄土真宗本願寺派の約10500寺院、真宗大谷派の約8900寺院に比べると遙かに少ないですが、本山だけあり、境内には巨大な伽藍が並んでいます。
御影堂
開祖親鸞聖人の木像を中央に安置し、その両脇に歴代上人の御影を安置しています。
御影堂は間口約42.75メートル、奥行き33.5メートル。内部は725畳敷きと重文級木造建築としては国内5番目の大きさの建築物です。寛永6年(1666年)に上棟、延宝七年(1679)に落慶供養法要が行われました。
御影堂妻側
如来堂
御影堂の西側に並んで建てられています、本尊である「証拠の如来」と呼ばれる阿弥陀如来像が安置されています。間口25.66メートル、奥行き26.62メートルの大きさで、外観は二重ですが、一重目のの屋根は単なる庇(裳階)となっており、実際は一重です。享保4年(1719年)に工事が始まりましたが、資金不足のため約30年かかり寛延元年(1748年)に落慶遷仏されました。
御影堂とは通天橋と呼ばれる約31.9メートルの廊下で結ばれています。
如来堂内部
山門
専修寺の総門で、御影堂の正面にあります.間口約20メートル、奥行き約9メートル、高さ約15.5メートルの大きな門で、京都の東福寺山門を参考にして建てられたといわれています。正面の柱間が5間あり、そのうち三間に扉が付いています。二階には釈迦三尊像が安置されています。宝永3年(1704年)頃に完成しました。
唐門
如来堂の正面にあります。屋根は檜皮葺で、正面と裏面に大きな唐破風が設けられていることから、唐門と呼ばれました。欅(けやき)造りで豪華な彫刻や透かし彫りが門扉や脇の小壁、欄間に施されています.天保15年(1844年)に棟上げされています。
唐門透かし彫り
太鼓門
太鼓門
境内の東側に位置し、門の上の三層の櫓が特徴です。寛文年間(1661~1673年)いと姫輿入れのとき、津藩から寄進されました.その時は門の上に一層の櫓が乗っているだけでしたが、文久年間(1861~1864年)に三層の櫓に改装されました。最上階には直径1メートルの大太鼓が吊り下げられており、町の人々に時刻を知らせました。現在でも専修寺で法要があるときには、この太鼓が打ち鳴らされます。