マブリットキバの生みの親、畠山吹雪さんと飲んで凄い話を聴いてしまった。
それは、「リアル・もものけ姫」「リアル・カムイ外伝」とも呼べる内容だった。
実は、畠山吹雪さんは、捨て子で、5歳の時に山に捨てられていた所をを マタギ衆に拾われ育てられたということだった。
人里離れた山の中に住んでいたマタギ衆は男ばかり10人位の集団。
(写真はイメージです)
最初に言われた言葉が
「いいか、お前を日本一のマタギとして育てたやる!
だから、これから脳と心と魂を分けて考えろ!
脳で考えたら、“良い/悪い”に縛られる。
心で考えたら、感情が乱れる。
魂で考えたら、今本当に何が必要かが分かる!」
それから畠山さんのマタギとしての英才教育が始まった。
山に入る時は必ず冷たい水を頭から被って、禊(みそぎ)をする。
その時に心が鎮まり「イケル!」と思った時には山に入る。
しかし、心が乱れていたり、頭の中のごちゃごちゃが治まらないときは危険なので、山には入らないのだった。
自然界は弱肉強食の世界である。
だからこそ、マタギ達は、精神を整え、全てを俯瞰できる魂レベルの意識状態になってこそ、初めて獣達の頂点となって命のやり取りが出来るという事だ。
そして常に「中心はどこか?」ということを見極め、
中心を捉えることで、全てを自分の手の内におさめるのだった。
山に入る時も、山の中心を捉えれば、動物たちがどういう方向に動くのかが掴めるのだ。
そして、そこに罠をかけておいたり、待ち伏せをしていることで、仕留めることができる。
そして、トドメを刺すときも、獲物の中心を見つければ一発で息の根を止めることができるのだ。
自分自身が中心を捉えることで、
全てを手中に納め、エネルギーを自在に操ることができる。
これを「引き込み」と呼ぶそうだ。
獣の方に中心を取られ、人間の方が獲物として引き込まれるのか、
自分が中心を捉え、獣を引き込むのか、
それは、高度な精神の闘いだ。
とくに畠山さんが育ったマタギ衆は、誇り高きマタギで、滅多な事では猟銃は使わない。
ほとんどは山刀一つで向かうのだ。
マタギは、精神を整え、魂レベルの意識状態から弱肉強食の動物界の頂点に立つ存在として位置づけることを通して、躊躇することなく獲物を捉え命を奪うことができる。
それは、マタギは、「全体の生態系のバランスを取る為に狩りをすることを許された存在である」というアイデンティティがあるからだ。
この時、心や脳で考えたらブレてしまう。
だからこそ、いつも魂のレベルで物事を捉えることが必要なのだ。
マタギの技は、代々口伝として言い伝えられている。
そして、一人前と認められると
「オオカミのキバ」をその印として与えられ、首から下げるのだ。
オオカミは、日本の動物界では、最も強い存在として位置づけられている。
この為、例え死んでキバだけになったとしても、そこから発する周波数は、敵を寄せ付けず、自分の身を守ってくれるお守りになるからだ。
更に、マタギ衆は、それぞれ
「目」「耳」「鼻」「内臓」など、名前と役割が決められている。
そして、まるでイワシの群れが、全体で大きな魚にように動くように、皆んなで一体となって動くのだ。
まさに周波数の共鳴だ!
更にこの後、マタギの驚くべきエピソードを聞くことになる。
お楽しみに!
《つづく》