名古屋駅に着くと、昨日の大阪のお茶会に出席したH氏がいきなり
ハグで熱烈歓迎してくれた。
彼は、なんと昨晩の新幹線の最終便で追っかけてきたのだ!
その経緯はこうだ。
昨日は、午後からワークショップ、夜はお茶会を開催した。
お茶会の参加者は、午後のワークショップで既に意識変革を果たした人々がメインで、その中に、夜のお茶会から、突然入ってきたH氏は、はっきり言って浮いていた。
公開個人セッションが希望だということなので、「どうなりたいのか?」ということを話してもらった。
しかし、聴いていて、何が言いたいのかさっぱり分からない。
どこかの本に書いてあることの受け売りが自分の考えだと思い込んでいて、あまりにも頭でっかちになっていて、本当の自分の気持ちとつながっていないのだ。
既に午後のワークに参加していた人たちは、ついさっきまでの自分の姿を彼の中に見ることができたようだ。
結局、「本当の自分が求めているのは何なのか…」にたどり着かないままにタイムアップとなってしまった。
ここで、私は後の予定があったので、皆と別れたのだが、他のメンバーは彼と一緒に食事に行ったそうだ。
その席で、一昨日に個人セッションで彼と全く同じ経験をしたN氏が懇切丁寧に自分の体験を語り、そこから抜け出したとき、どんなにリアリティのある素晴らしい世界が待っているのかを伝えたそうだ。
彼は、「このまま家に帰っても、また元の日常生活に飲み込まれていくだけで何も変わらない。自分の人生を変えるには、名古屋に追いかけていくしかない!」と思い立ち、最終の新幹線に飛び乗ったというのだ。
「名古屋に来ちゃったんです!
田中さんは今どこに泊まってらっしゃるんですか? できたら一緒のホテルに泊まりたいと思って…!」
夜遅く電話がかかってきたかと思うと、ハイテンションのH氏からの熱いメッセージであった。
「ご、ごめんね。あの後もう一人予約をとってた人がいたので、実はまだ大阪にいるんだ。明日は名古屋で10時から個人セッションの予約が入っているから、その前に会うことにしよう」
ということで、私は予定を早めて、名古屋に向かった。
彼はその晩、まるで小学生の頃の遠足の前日のような…、はたまた初めてのデートの前日の乙女のような興奮を覚え、眠れなかったそうだ。
そして、名古屋駅の改札で1時間近く前から待ち続け、まるで長年別れていた恋人に再会した瞬間のような、熱い抱擁を男同士で交わすことになったのだ!
さあ、これから彼の人生が大きく変わる物語がスタートすることになる…。
<つづく>