大阪中之島美術館で開催中の、「没後50年 福田平八郎」ですが、先週に引き続き、再度見てきました。
2024-8
過去記事:
「漣(さざなみ)」の展示がなかった期間に来場していたため、お詫びの特別割引券をいただいておりました。
こちらを、有人の当日券売り場に提示することで、割引入場券と引き換えてくださいます。
✴︎メモ前提で鉛筆持参
今回も、同じ中之島美術館で開催中のモネ展は入場待ち列が出る大混雑でしたが、福田平八郎展は、1Fに専用の入場口があり、待たずに入れました。
(スタッフの方が複数いて、福田平八郎展について伺っても的確な案内がありスムーズです)
前回よりは混んでいたものの、想定内。
人だかりでお目当ての絵が見えない等はなかったです。
あまり来館者が少ない展覧会は、申し訳なくなりますが、適度ににぎわっていると良いですね。
ギフトショップの混雑ぶりを見ても、来館者の満足度は、かなり高かったと思われます
一部設けられている、写真撮影可の作品では、ちょっと人が集中する場面もありますが、どうしても撮影したければ、少し時間をずらせば、皆さん譲り合って撮影されていましたので、問題ないレベル。
わかばは、前回撮れなかった、「朝顔」の全体写真が撮れたのでラッキーでした。
で、お目当ての「漣(さざなみ)」
額装だったり、ライティングの影響も大きいのですが、やはり独特の力強さと、不思議な魅力のある作品でした。
脳内に、きらめく水面の動く漣の様子が再生されるんですよね。
この感覚、速水御舟の「炎舞」以来ですかね。
過去記事:
どちらも、重要文化財で、展示の機会は限られています。
そして、これが昭和一桁の時代に描かれている不思議。
好みの作品は、シンプルの極みな作品群。
「漣(さざなみ)」
「雨」
「筍」
「新雪」
「雲」
その他、植物などの自然を描いた作品
「夜桜」
33「朝顔」(屏風/大分県立美術館)上記の写真
34「朝顔」(京都国立近代美術館)
43「花菖蒲」(京都国立近代美術館)
*尾形光琳の「燕子花図」にインスパイアされたとの解説
「山桜」
「木蓮」
他多数
あと、現存する氏の最も古い作品
「野薔薇」
こちらは、絵を学んでいた学生時代に、同級生の父君がこちらの作品を買い上げたことで、初めて売れた作品だということ。
そのエピソードも含めて、ほっこりしました。
また、今回展示されていた作品で、美しい額装も印象的でした。
漆塗りのような、艶やかでシックなブラウンの木枠の内側にゴールドの額が多く見られました。
シンプルだけれど、作品の上品さが際立つ美しいスタイル。
*額好きなので、素敵な額装を見ると、いつも魅入ってしまいます。
全体像は前回しっかり見学しているので、好きな作品だけしっかり見学して、疲れる前に小一時間ほどで離脱。
満足です。
◆まとめ
結論としては、「漣(さざなみ)」のためとはいえ、再度の来阪を決行しただけのことはありました。
そして、来てみれば、良い作品が多数あり、これなら前期後期と二回行けばよかったという思いにもなります。
まあ、これは後期展示を実際に見たからこそ言えることなので、後悔はありません。
ともあれ、福田平八郎のまとまった展覧会(回顧展)はとてもレアな機会。
「大阪の美術館では初、関西でも17年ぶりの回顧展」とのことですが、東京だと、ネット検索でヒットするのは、亡くなった翌年の1975年に、福田平八郎遺作展(東京国立近代美術館~京都市美術館に巡回)くらいです
「漣(さざなみ)」が重要文化財に指定されたのも、2016年(平成28年)だそうなので、「筍」が切手になっていてなんとなく絵柄は見たことがある、程度。
おそらく、そんな方は多いのではないかと思います。
人生で、
「ああ、この絵に出会えてよかった」
そう感じる機会は、さほど多くないもの。
そんな、一瞬のきらめきを経験したくて、また新たな展覧会に足を運んでしまいます。
まあ、端的にいって中毒
昨年の「重要文化財の秘密」(東京国立近代美術館)にて「漣(さざなみ)」を初見、今回、大規模な回顧展ということで、思い切って足を運んでよかったです。
地方美術館の情報も増えてきており、、、これ以上沼にハマるとアブナイかも
●おまけ
「漣(さざなみ)」は、わかばの好きな日本画ベストワンに選定したいと思います。
日本画家としても、福田平八郎を一位に挙げさせていただきます。
二番は、竹内栖鳳と、作品は「憩える車」。
第三位は暫定ですが、狩野典信(みちのぶ)の松梅図屏風(アーティゾン美術館)
その他過去記事:
尾形光琳の「燕子花図」は2023年に