【山種美術館の至宝】小林古径と速水御舟展 2023-14

 

 

「美を確実に知ろうとするには、その反対の醜(しゅう)を充分に知る必要がある。本統(ほんとう)の美を知るには、本統の醜を、知らねばならないと思う」速水御舟
 
お目当ては、2年ぶり公開の「炎舞」速水御舟(ぎょしゅう)(重要文化財)。先日の国立近代美術館の「重要文化財展」にも出品されなかった作品です。

 

 

想像よりも小ぶりな印象はあったものの、静止画像なのに、不思議と炎の音や動きが脳内再生され、鳥肌モノでした。
 
妖艶な美しさと狂気の境い目というか。
作者の速水御舟は、制作にあたり、軽井沢で毎晩焚き火をしていたそう。
 
ふだんはオーソドックスなハッピーな方向の絵画が好みですが、これは別枠で。自分の部屋に置きたいかと言われるとNoなのですが、それでもアートとしての質の高さは相当なものかと思います。
 
 
もはや食べるアート
もう一つのお目当ての「カフェ椿」では、この「炎舞」にインスパイアされた「ほの穂」と、フレーバー緑茶(さくらんぼ緑茶)をいただきました。
 

 

 

実物の「炎舞」で舞っているのは、実は蛾なのですが、さすがに食べ物のモチーフには相応しくないということで、漆黒の専用敷紙に蝶が舞う演出。

 

 

 
✴︎参考記事

 

 

 
接客はあっさり目ですがニヤリ、混んでいても意外と回転良いのでおすすめ。前回訪問時は、午後は売り切れも多かったのですが、今回はアフターコロナ仕様か、5種類が全種揃っていました。ありがたい。
 
毎回、このカフェの展覧会に合わせたオリジナル和菓子を手がけている菊屋さんにも、ぜひお邪魔してみたいですね。
 
 
●印象に残った作品
今回まで名前も知らなかった小林古径(こけい)ですが、ああ日本画って綺麗ラブと堪能できる上品な作品群でした。
(なんかこう、皇室の方々が見に来られそうな展覧会)
 
一点目の展示「菖蒲」、「果子」、10年ぶり公開の「清霽」など、植物を描いた美しい作品が好みでした。
 
今回は、大作の「弥勒」のみ撮影OK。
 

 

速水御舟の作品では、「炎舞」のほか、娘の初節句に描いたという「桃花」、「柿」、「百舌巣」、「紅梅・白梅」などが眼福。
 
「炎舞」しか知らなかったですが、御舟の作風は好みですね。今回は古径がメインで御舟の作品は抑え目だったので、また御舟メインの回顧展などを楽しみに待ちたいと思います。
 
来館者は、思いのほか若い方も目立ち、また山種美術館は着物割があるので、夏物の着物美人も多数。
 
山種美術館はそんなに広くないので、作品を丁寧にゆっくり見られるのが魅力。
 
着物仲間や長いつきあいのパートナーと観に来て、カフェでアートフルなスイーツをいただきながら、また盛り上がるのも一興。
 
まあ、一般的には、あまり初デート向きではないかなニヤリ
 
今回は、折々の画家の言葉の抜き書きも印象深く。学芸員さんの、画家と作品への愛が伝わってくる展示でした!
 
 
●街歩きの楽しみも!
Google 先生提案の、広尾からのコースは、アップダウンあるものの、しっとりした住宅街(広尾ガーデンヒルズ)を抜ける「歩いて楽しいコース」。こちらも嬉しいサプライズでした。

 

 

 

◆まとめ

わかば幼少時に、我が家で切手ブームが一時期ありまして、記念切手の近代美術シリーズの中に、この炎舞がありました。1979年発行です。

 

他の絵とは一味違う漆黒の地に炎の絵は、子ども心に強く印象に残っておりました。

(わかば父は、印象派好きで洋画専門)

 

実物は山種美術館所蔵で、「炎舞」が数年に一回ペースで公開される、と最近知り、今回は楽しみに足を運んだ次第。

 

来日する特別展などは、メディアにも取り上げられて話題になるし、ぜひ行こう!と盛り上がるものですが、こうした都内をはじめとした国内の美術館のコレクションにも、素晴らしい作品が多数ありますね。

 

2023年は、年初に月一回ペースの10回美術展訪問を計画しておりましたが、6月下旬で既に14ヶ所目となっております爆笑

 

美しい物に触れる経験は、心身の癒し

 

入館料は、月々のお小遣いで払いますが、どちらかというと、健康増進や予防医学の「投資枠」扱いウインク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
過去記事:

 

 

 

竹内栖鳳 没後80年記念特別展(2022年10月訪問) 

 

 

 

 
 
 
 
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#古径と御舟展