本日はふと珍しく見たTVで「津波そして桜」という
ドキュメンタリーを見ました。


『Waste Land』で2010年米アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞に
ノミネートされた、ルーシー・ウォーカー監督による、
東日本大震災での津波被害にあった人たちを追った、
40 分の短編ドキュメンタリー作品です。
<「津波そして桜」予告動画>
http://www.youtube.com/watch?v=PGFvFn0Tj5s
息をのむ映像の連続で、一瞬も目が離せないこのドキュメンタリーの中で、
特に印象深かったシーン、言葉があります。
それは、自分の住んでいた家が、町が、耕していた畑が
津波で飲み込まれた日から一週間後、
ある男性の方が、海辺で小さな植物の芽を見つけたというのです。
「植物が出ていたんだ。
植物ががんばっているんだから自分たち人間もがんばらなきゃ、と思った」
特に抑揚をつけるわけでもなく、淡々と画面に向かって発せられた
この言葉は本当にすごいと思いました。
同じ情景を見たとして、植物が目に入ってくるかどうか。
入ってきたとして、それを自分とひもづけてがんばろうと思えるか。
自分であれば途方に暮れるしかないように思ってしまいます。
その男性のご家族や知人、友人がどうなったのかはドキュメンタリーには
直接は描かれていません。でも大切な人やものを失ったのは間違いありません。
そのような状態の中で、植物を見て、自分の元気に転換できる。
あるものをみたときに、どう捉え、どう自分と結びつけるか。
その結びつきを豊かにできるかどうかが、
人生を左右するといっても過言ではないのではないかと思います。
日々、接している人やもの、情報に対して、
あの男性が津波1週間後の海岸の植物を見たのと同じように見ることができれば
1日1日をもっと大切にできるはずです。
津波1週間後の海岸の植物。
忘れないでおきたいです。