ぶっちゃけ話 〜公務員から臨床獣医に〜 | みなとまちアニマルクリニックの「裏」ブログです。

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こんにちは。こちらは「非公式」ブログです。書いている内容は、あくまでも著者の一意見であり、賛否のご判断はお任せします。読み飛ばす程度に呼んでください。僕は自戒のつもりで書いてます。

 

僕は自分の臨床に自信がありません。

 

というのも一度臨床を離れて公務員になっているからです。

 

臨床→公務員という道は実は臨床に残る人より多いと思います。

 

臨床→公務員→臨床はもしかしたら日本中で5人いないかもしれません。

 

出戻りってやつです。

 

僕的に最悪なパターンは公務員→臨床というパターンで

 

これは崇高な理想を抱いて臨床に向かうと

 

公務員になれた体だと98%は心と体を壊すと思います。

 

獣医学生さんは参考にしてください。

 

公務員を離れるときの僕の心境ですが

 

正直あんまり何も考えてなかったという表現が正しいと思います。

 

そしてたくさんある余暇の中で

 

世の中の摂理に気づいてしまったような、そういう錯覚がありました。

 

未だに休み時間になるとJEEPラングラーの中に籠り

 

転職先を探していたことを覚えています。

 

公務員は「誰かが辞める」ということに敏感です。

 

そういう時には臨床の世界じゃお目にかかれないくらい怖いです。

 

で、ここからが皆様お目当ての暴露話です。

 

公務員上がりの獣医なんて、臨床の世界では失格の烙印を押されます。

 

院長が経営者の世界ですし

 

そういうかたは臨床の世界のみで生きてきた方がほぼ100%です。

 

実は僕は接遇と報連相を叩き込まれた公務員の方が

 

下手な臨床野郎よりよっぽど価値があると思うのですが。

 

臨床は楽っすよ。みんなが先生先生言って来てくれるから。

 

公務員なんて公務員ってだけでいきなり怒鳴られたりしますからね。

 

そうそう、なので転職の時には

 

一般的な動物病院より待遇のいい企業病院みたいなところを選択しがちです。

 

僕も「チロルさん」に行ったのはそういうことです。

 

注射さえ打てればいいですし

 

何ならマネージメント側は医療について全く評価ができません。

 

今思うと当時の僕にみられた子たちはかわいそうで仕方がありません。

 

ただし、変なつながりが多くできたので

 

帝王切開を週に何回も行ったり、子宮蓄膿症の手術が非常に多かったりと

 

そういう意味では少し特殊だったと思います。

 

帝王切開は非常にシビアです。→ある意味で。

 

何と言ってもミスすると、ブリーダーは食べていけません。

(ここでは倫理観などは抜きにして書いています)

 

そして子宮蓄膿症は内科と外科が非常にバランスよく勉強ができます。

 

命のやりとりを勉強と書くことをご容赦いただけたらと思いますが

 

今回のブログの内容に即して書いています。

 

じゃあこういう特殊環境下にいないとどうなるでしょう。

 

企業病院が欲しいのは利益です。

 

手っ取り早く、より確実に。

 

ペットショップ傘下の大型の病院なんかはその際たるもんです。

 

正直、ナーンもできない素人が「獣医師」という肩書きだけで診察をします。

 

そこで診察受けることをペットを買うときのパッケージにされてしまっています。

 

これはかなり不味いんじゃないでしょうか。

 

僕は経験してきたからこそ、こう書きます。

 

ちゃんとした臨床獣医は普通の動物病院に就職します。

 

しかしながら僕のような傷持ちの獣医はそういうところに行かざるを得ませんし

 

誰からも学ぶことができません。

 

先日の「卵巣取り残し」もこういう病院さんでの出来事でした。

 

癒着もひどく、無事に終わってよかったです。

 

病理検査はちゃんと卵巣で帰って来ました。

 

避妊手術をしても、避妊できてないんです。

 

しかもより悪くなっている。

 

こんな不幸あっちゃいけません。

 

実は僕もやらかしたことがあります。

 

命に差異はありませんが

 

チロルさんの子なので(つまりは会社に帰属していた子なので)

 

社会的な制裁を受けることはありませんでしたが

 

僕は今でも2回麻酔をかけて手術したことが心残りです。

 

もう一つ問題点を書くと、そういう病院は予防メインでやっていますし

 

集患については強いので

(だって買ったら無理やり来るシステムになってるから)

 

初任給がいいんです。

 

何もできない公務員上がりで

 

やめてしまうかもしれない公務員上がりに25万の初任給しか払えない普通の動物病院と

 

普通に定時で上がれて、30万円の企業だと20代で内情を知らない獣医師は

 

後者を選択してしまうのではないでしょうか。

 

注射を打つだけでも「先生」と呼ばれて

 

獣医師気分を疑似体験できてしまうのも麻薬です。

 

本当は注射を打った後のアナフィラキシーに対応できなきゃ打っちゃいけないんです。

 

いかがでしょうか。

 

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