獣医師の動物病院裏ブログ。犬猫さんがモノじゃなくなることを夢みて。

獣医師の動物病院裏ブログ。犬猫さんがモノじゃなくなることを夢みて。

こんにちは。
36歳、2014年卒、開業8年目の獣医です。
日々の徒然を無責任に綴ります。
あくまでも一つの意見としてお受け取りください。

 

僕のやりたいと思っていることを書いてみます。

 

東京西部と神奈川で小さい病院をグループ化していくことです。

 

予め申し上げておきますが、端的に物理的な制約と環境ゆえに静岡では考えておりません。

 

これはまた別の機会に説明しようと思います。

 

静岡では大山を中心に「みなとまち」を理想的に仕上げます

 

サテライトは不要だと考えています。

 

僕と大山は「みなとまち」でしか診察しません

 

なぜと問われたら、具体的な答えは何個もあるので取り留めもなく書いてみます。

 

そこには優先順位はありません。

 

聞こえのいいものから説明すると

 

僕は今の「みなとまち」のスタンスが犬猫さんにとっていい時間を過ごすために一助になると考えています。

 

端的にいうと、今の動物病院業界は格差がすごいです。

 

いい病院とダメな病院とということです。

 

いい病院はグループ化されて、メリットデメリットがはっきり分かれています。

 

医療の質という面は担保されていますが、患者さんに対する柔軟性は失われたと考えています。

(失われていくの方が正しいと思います)

 

でも僕は大きな資本が入ってくる流れは、すごく好意的に捉えています。

 

そしてダメな病院はその名の通りダメな病院です。

 

みんな思ってても口にしませんが

 

Xなんかでは獣医の先生方が思いの丈を赤裸々に語ってますので、僕の言うこともそこまで間違ってないと思います。

 

獣医療の内容を長らく更新せず、そのせいで犬猫の命が失われてます。

 

そこの病院にかからなければ生きれたと言う犬猫は本当に多いと思います。

 

そう言う病院を淘汰するためには、そこに入り込むのが一番です。

 

そもそもダメな病院が最近売りに出されることが多いので

 

そこを買い取って、再生するというのが計画です。

 

勘違いしないで欲しいのですが、僕もダメな獣医です。

 

でも毎日のように学術的なブログを書くことで、何とか医療面での知識の更新を図ってますし

 

それを生かそうともしています。

 

そして、僕が創りたい病院は「医療の質が高い病院ではない」というところです。

 

もちろん最低限のことはできて然るべきですが

 

折角、周囲にいい病院があるので、誠心誠意患者さんに寄り添うことのできる病院を創りたいのです。

 

言ってみればスーパーかかりつけです。

 

僕にはそのノウハウがあると思ってます。

 

それは一つ成功事例があることと、自分自身が出来ない獣医だからです。

 

できないなら出来ないなりに、飼い主さん患者さんにとっての最適解を考えることができるはずです。

 

そしてその最適解には医療面での知識の更新は欠かせません。

 

紹介するなら、まず可能性に気付かなかければいけないからです。

 

また、医療面でのサムシングはAIにある程度は取って代わられます。

 

なのでスーパーかかりつけが必要だと思います。

 

最後はやっぱり人と人です。

 

ノウハウがあると言いましたが、大山の教育能力は有効利用すべきものです。

 

神奈川東京都いう土地の理由を話しませんでしたね。

 

まずは譲渡対象がたくさんある点、人員を集めやすい点、静岡から移動しやすい点

 

僕も大山も神奈川が好きな点など物理的な理由です。

 

耳障りの悪いところも書いときます。

 

僕の目的は銀行さんにも話してますが

 

年商10億、病院10件を目標にしてます。

 

経常利益率10パーで回すことができれば、これからの変動の多そうな社会になっても

 

犬猫さんを守るインフラを自分の周囲だけでも整えられると考えてます。

 

結局、お金でしか解決できないこともたくさんあります

 

というかそういうことの方が多いです。

 

書くことで現実になりますので。

 

計画に参画したい獣医さんや看護師さん募集です。

 

では。

 

 

 

 

 

 

題名は釣りですね。

 

GWに読んだ小説以外の本です。

 

 

 

 

 

 

斎藤幸平氏の著書はいくつか読んでいるんですが

 

人新世シリーズは読みやすいという意味でだと思いますが、有名ですよね。

 

前作の資本論を2020年の発売当初に読みました。

 

2020年といえば、僕が開業したのが2019年なのでそういう時期でした。

 

コロナ禍コロナ禍と言われますが

 

僕はコロナに全然興味がなく、会社を軌道に乗らせること自体に必死で

 

嘘偽りなく僕の生き死にが関わっているので

 

そういう時期に資本論はぶっ刺さりましたね。

 

特に脱成長コミュニズムなんかは好きな思想でした。

 

少し前に書きましたが、ニックランドの加速主義。

 

なぜか日本ではあまり取り上げられませんが、かなり思想としては強力で

 

今のトランプ政権なんか半分傀儡みたいなもんでしょうし。

 

暗黒啓蒙なんて言われたりするんですが

 

そこからの思想の展開で暗黒社会主義を提唱してて最高でした。

 

理論的に展開してぐうの音も出ないほどなんですが、パンクっす。

 

こういう人は大好きですね。

 

でも事実として、こうならざるを得ない展開になってきてると思うんです。

 

脱成長コミニズムで何とかなるフェーズは幕を閉じた。

 

と書かれているんですが、たった6年でフェーズが変化していることは肌感でわかります。

(脱成長コミニズムは必要条件だけど)

 

僕は本当にこの7年間は必死でした。

 

気が狂うほどには。

 

なので、そういう意味での環境の変化に敏感になっているんですが

 

そうじゃなくても円安は確固たるものになりつつあるし日経が6万2000なんてのもおかしいすもんね。

 

戦争に経済の崩壊に気候変動にAIの台頭に各国での右傾化に

 

それこそ明らかにフェーズが変化しましたね。

 

このような時代の畝りの中で、じゃあどう立ち回ろうか。

 

なんてことを考えてみるのですが、所詮僕なんか典型的に周辺化された人々なので

 

どうすることもできないでしょう。

 

なので、自分の範囲でできることをやるだけです。

 

病院を頼る人がいい時間を過ごせるように。

 

病院を知らない人、直接関わらない犬猫さんたちすらもいい時間を過ごせるように。

 

すごく勉強するなんてガキみたいな理想論じゃなく

 

どういう事業内容を展開して

 

動物医療に犬猫の暮らす社会にどういうふうに関わっていくのか。

 

具体的にリソースを増やして、どう使うのか。

 

社会に対して少しでも影響力を持つように、事業を拡大拡張したいなと思うんです。

 

理想論や優しそうな戯言だけ掲げて、静観するという無責任な態度はとりません。

 

昨日知ったんですが、大沢川には今蛍が来るそうです。

 

いやはや素晴らしい世界じゃないですか。

 

当院を選んでいただけるというのも素晴らしいことです。

 

傲慢にならずに、より謙虚に。

 

このブログはアンカーです。

 

スタッフも読みますし、就職希望の方も読むでしょうし、関わるいろんな方が読んでます。

 

形骸化した朝礼なんかよりよっぽど意義のあるもんだなあと最近は思いますね。

 

では。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前回、「散歩中に急に座り込む」「歩けない」という症状の裏に、循環不全やショックが隠れていることを書きました。

 

今回は、その中でも特に重要な「腹腔内出血」と、それをどう診断していくのかについてです。

 

腹腔内出血は、犬の救急では決して珍しい病態ではありません。
特に中高齢の大型犬で、

・急に元気がなくなる
・散歩中に座り込む
・起立できない
・粘膜が白い
・呼吸が速い
・お腹が張る

こういった症状がある場合、常に鑑別に入れなければなりません。

 

原因として最も多いのは脾臓腫瘍です。


特に血管肉腫を含む脾臓腫瘍は、突然破裂して腹腔内に大量出血を起こすことがあります。

 

怖いのは、「ついさっきまで普通だった」ように見えることです。

 

実際には、

・脾臓腫瘍からの出血
・一時的止血
・再出血

を繰り返していることも多く、症状が改善したり悪くなったりします。

 

そのため飼い主さんからは、

「昨日は普通でした」
「夜ご飯も食べました」
「散歩も行っていました」

という話が出ることがあります。

 

しかし、それでもショックは進行しています。

 

この段階で重要なのがPOCUSです。

 

FAST(focused assessment with sonography for trauma)は、本来は外傷診断の概念ですが、

 

現在では非外傷性ショックにも広く応用されています。

 

特に救急では、「詳細なエコーを時間をかけてやる」よりも、

 

「今すぐ命に関わる液体貯留があるか」を短時間で確認することが重要です。

 

FASTでまず見るのは、

・腹水
・胸水
・心嚢水

です。

 

腹腔内出血症例では、FASTで脾周囲や肝周囲、膀胱周囲などに無エコー〜低エコーの液体貯留を認めることがあります。

 

そして重要なのは、「腹水が見えたら採る」ということです。

 

腹水には非常に多くの情報が詰まっています。

 

例えば、

・血様
・胆汁様
・尿様
・細菌性腹膜炎
・滲出液
・漏出液

など、性状だけでも病態がかなり絞れます。

 

特に腹腔内出血では、採取した腹水のPCV(HCT)が末梢血に近い値を示します。

 

さらに血小板が腹水中で減少している場合、「単なる穿刺出血」ではなく、実際の腹腔内出血を示唆します。

 

教科書的にも、

・PCV(HCT)
・TP
・有核細胞数
・比重

は重要な評価項目です。

 

また、血液ガスも極めて重要です。

 

特に乳酸値です。

 

乳酸値上昇は、組織低酸素を示唆します。

 

循環不全が進行すると、末梢組織への酸素供給が低下し、嫌気代謝へ移行します。
 

その結果として乳酸が上昇します。

 

実際、重度ショックでは、

・代謝性アシドーシス
・BE低下
・乳酸上昇

を伴うことが多く、腹腔内出血症例でも典型的に認められます。

 

重要なのは、「乳酸が高い=出血している」ではないことです。

 

乳酸は簡潔にいうと、ショックの程度を反映しています。

 

つまり、

・循環血液量低下
・低酸素
・組織灌流低下

がどれくらい進行しているかを見る指標です。

 

そのため、乳酸値だけでなく、

・心拍数
・CRT
・SpO₂
・血圧
・粘膜色
・FAST所見

を総合して評価する必要があります。

 

また、FASTは病名をつけるための検査ではありません。

 

これはかなり重要です。

 

FASTは、「今すぐ危険な液体があるか」を見る検査です。

 

その後に、

・腹水検査
・血液検査
・詳細エコー
・CT
・X線

などで原因を詰めていきます。

 

そして命に関わる場面では、原因探索より安定化が先です。

 

ショック症例に対して長時間の画像検査を優先すると、状態が急変することがあります。

 

肺水腫疑いにレントゲンとかいう古臭いことやってると、普通に死にます。

 

そのため、

・酸素化
・静脈確保
・輸液
・循環管理

を並行しながら診断を進めることが大切です。

 

特に腹腔内出血では、「自然止血を待つか」「すぐ開腹するか」という難しい判断が常にあります。

 

実際には、

・循環動態
・乳酸推移
・血圧
・FAST再評価
・PCV推移

を繰り返し見ながら決めていきます。

 

つまり命に関わる場面では、1回の検査で判断する世界ではありません。

 

モニタリングの質そのものが、救命率に直結します。

 

次回は、この「ショック」をさらに深掘りします。

 

特に、

・代償期ショック
・非代償期ショック
・なぜ血圧が正常でも危険なのか
・POCUSとFCUをどう使い分けるか

 

このあたりを、もう少し実践的に書いていこうと思います。

 

 

↑ 獣医師 大山達也のオンライン相談です。