藤原&藤原&藤原&藤原&藤原&源な話 | 星野洋品店(仮名)

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とある洋品店(廃業済み)を継がなかった三代目のドラマ感想ブログ

2024年1月7日(日) 20時 放送スタート

 

みんな、大量の藤原さんと源さんの洪水に耐える覚悟は決めたかな? ぼくは正直耐えられるか不安です。漢字の名前を覚えるのがとにかく苦手で、高校時代には日本史を取らなかったくらい。カタカナの名前なら、バンダルスリブガワン(ブルネイの首都)でもスリジャヤワルダナプラコッテ(スリランカの首都)でも覚えられるんですが。

 

中級貴族は、高階さんだの清原さんだの橘さんだの大江さんだの、いろいろいるのでまだいい。でも上級貴族は、ほんとに藤原さんと源さんしかおらんのよ。

 

菅原道真が大宰府に左遷されたのは、結局のところ中級貴族の家柄なのに大臣になったから。彼の失脚以後は、藤原北家(藤原不比等の次男・房前の子孫。のちの摂関家)が上位の官職をほぼ独占する時代になってしまいます。あとは、元皇族の源さんがたまーに大臣になるくらい。そして、藤原北家に逆らった源さんは、たいてい不幸なことになります。自重してくれ。

 

当時の人たちも藤原だらけで不便には思っていたので、家ごとに官職名や屋敷の所在地に基づく通称が付いています。たとえば藤原北家・小野宮(おののみや)流は、宮さまじゃなくて、藤原北家の嫡流だった家です。〈小野宮〉と通称された宮さまの邸宅跡に住んだことが名の由来。

 

文徳天皇の第1皇子・惟喬(これたか)親王は、比叡山のふもと・小野に隠棲したので小野宮と呼ばれました。母が藤原氏や皇族でなく紀氏だったので、天皇になれなかった人です。そんな人の通称を引き継ぐって、縁起が悪くない?

 

じっさい、小野宮家は天皇の外戚になることに失敗したので、おなじく藤原北家の九条流(藤原道長の家系)に摂政・関白の座を奪われてしまいます。『光る君へ』の時代は、まだ自分たちが嫡流だという意識が強いので、分家筋のくせに調子こいてる藤原道長に対してたいへん批判的。小野宮(藤原)実資が、その日記『小右記(小野宮右大臣日記の意)』で道長をディスるのには、こういう背景があるんです。

 

小野宮(藤原)実資を演じるのはロバート秋山。前にもこのブログで触れましたが、お公家さんにしては地黒すぎないか? この当時のお公家さんは武官でもあるので、日焼けしててもおかしくはないけどね。男性が白粉を塗る習慣は、もうちょっと後のことですし。

 

ぼくのイメージでは浜野謙太かなぁ。『どうする家康』では織田信雄役です。神経質で、言うべきことは言うけど、引き下がるところは迷わず下がるって感じでね。ロバート秋山のポッチャリ感が、3次元の映像ではどんな感じに映るんでしょう? 期待して待ちたいと思います。