健康情報が経済を動かす | 風の日は 風の中を

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~職場や学校で不安感に悩んでいる方へ~
「不安とともに生きる」森田理論をお伝えしたいと思いブログを書きはじめました。
2011年9月からは、日々感じたこと、心身の健康などをテーマに日記を綴っています。

記事タイトルの現象を、まのあたりにしたのは、もう何年も前のことです。

みのもんたさんによって、現象化しているようにみえました。


みのさんが健康番組で紹介した食品が、売り場から消えていました。

私がさがしたのは海藻類でしたが、いつも置いてあった場所が空っぽになっており、お店の人は、みのさんの番組の終了直後から、あからさまに売れたと言っていました。

その後、売り場で極端に何かが減っているとき、みのさんの影響かどうか、たずねると100%yesだった時期が長くあり、みのさんが(間接的に)経済を動かしている!と思い知らされたものでした。


みのさんが関与していなくても、その時々で健康によいといわれた食品の売れ行きが伸びるのはめずらしいことではないでしょう。

それだけ「食品と健康」を結びつける意識が私たちの中にはあるようです。


一般的に「○○という食品はからだによい(あるいは悪い)」という情報は、医学や栄養学によってもたらされていると思われています。でも実際は「経済の動き」の影響を強く受けています。

情報によって、売れ行きが影響を受け、「経済が動いた」事実によって、それが正しい情報、役に立つ情報だったと認識されがちです。


私は健康問題に関連した職業についていますが、こういった動きの中で、食品は「健康によい(あるいは悪い)」というレッテルをはられやすいものなんだと実感することが多かったです。

私が就職した頃、「悪い」レッテルをはられていたのは「塩」と「コレステロール」でした。

しかし、冷静に考えてみると、塩、コレステロールどちらも人間のからだの中で大切な役割をはたしているものです。あくまで過剰摂取になった場合の弊害が指摘されているだけです。


コレステロールに関しては人間の血液に含まれているコレステロールの70~80%が主に肝臓で合成されているという事実があります。(食べ物から取り入れられているのは20~30%ということです)

コレステロールを多く含む食品を知り、それを避けよう…という発想をしている方はけっこういるのですが、特定の食品の回避でコレステロール値が下がる、そんな単純な図式ではないのです。

血液検査の結果、高めだったコレステロール値を正常値にもどしていくような「結果を出している」人というのは、かならずライフスタイル全体の見直しをされています。

総量として高脂肪食にならないようにする(和食を多くするのが早道)、継続的な運動…といったことになります。


なぜ「和食」が、高脂肪を避ける結果になるのか?

簡単にいうと、ご飯(お米)が、その方向をつくるのです。食事をとる大きな目的は「空腹を満たす」=「熱量をとる」ということです。

でも、ご飯は太るから少なく、と考える人は、若い女性に多く、そういう人は、ご飯の摂取量をへらしています。

熱量源であるご飯(糖質)が減ったことで、結果として脂肪やタンパク質摂取が多くなる流れがあります。野菜や海藻だけで空腹をみたすことができないからです。

脂肪をわずかしか含まないお米を主食(おもな熱量源)としたところに、和食の利点があるのです。


継続的な運動が、結果を出すのは、運動をすることで体内でのコレステロールの合成がおさえられるからでしょう。

こういうことをみていきますと、「摂取する」側面だけでなく「消費」の側面をあわせて考えないと意味がないことがわかります。

「塩」についても同様です。かつて「高血圧」の主たる原因のように思われたものでしたが、塩をとることがいけないのでなく、排出されずに、からだにとどまることこそが問題だったといえます。

塩分消費とは…汗を流して運動することです。運動習慣がある人にとって塩は必要量とったほうがよいものです。


わたしたちは、物事のひとつの側面を注目することで、全体的な事実からかえって遠ざかってしまう場合があるのですが、食と健康をめぐる問題も、なるべく全体としてとらえる視点を大事にしたいです。生きることそのものに直結していることだと思います。